生産性というコトバを聞いたことがない方は少ないと思います。しかし、生産性とはなに?生産性の定義って?生産性はどう求められるの?と問われるとあれ?と感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、生産性という概念の理解、そして生産性をあげるための具体的な解決案まで示していきたいと思います。
生産性とは
生産性とは、「成果」とその成果を生み出すために「投入された資源の量」の比率で計算されるものであり、どのくらいのインプットでどのくらいのアウトプットを出すことができたかということです。つまり式に表すと、成果÷投入資源やアウトプット÷インプットとなります。
例えば、1000人で1000億円の利益をあげる大手企業A社の一人当たり利益は1億円です。一方で10人で100億円の利益をあげるベンチャー企業B社の一人当たり利益は10億となり、B社の生産性はA社の10倍になります。
計算式の分子には、売上や付加価値額、分母には資金、時間、また労働者数が入ったりと様々な数字がありますが、どの場合も生産性は「成果」÷「投入資源量」で求められるものになります。
では、生産性をあげるためにはどうすれば良いのか。生産性をあげるには2つの方法があります。分子である「成果」を上げるか分母である「投入資源量」を下げるかです。
分母削減に重きが置かれる日本の働き方改革
しかし、日本の生産性向上のために行われている働き方改革は、分子の「成果」を上げるためのものではなく、分母の「投入資源量」を下げるものがほとんどになってしまっています。
例えば、残業時間の削減やリモートワークの推進などは分母である「投入資源量」である時間を削減する施策です。働き方改革と聞けば、真っ先にこの残業時間削減とリモートワークの推進が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
またコスト削減に取り組む企業も多いです。クールビズやペーパーレス化などの取り組みが挙げられますが、真夏にクーラーを全く使わないことで分子である「成果」が下がってしまうことだってありえます。
つまり、「投入資源量」削減のみではなく、「成果」向上の取り組みも日本企業は考えていかなければならないのです。
生産性をあげる4つのアプローチ
生産性を上げるために、キーワードとなるのが「改善」と「革新」です。「改善」をして「成果」を上げる、または「投入資源量」を減らす。「革新」をして「成果」上げる、または「投入資源量」を減らすという4つの解決案が生産性を上げるためのすべてであると言えます。
改善による投入資源の削減
「改善による投入資源の削減」とは、作業手順を変更したり、無駄な業務を削減することでコストや時間を省力化することを指します。製造過程では昔から用いられてきたアプローチですが、近年ホワイトカラーでも注目されています。
例えば、グループウェアを使って社内コミュニケーションを円滑にし、効率化したり、フャイルや書類をクラウドで管理し、誰でも、どこでも確認できるようにしたりという取り組みが挙げられます。これらを行うためにITシステムを導入する企業が増えています。特に中小企業に対しては国が補助しているため、ITシステムを導入する中小企業は増加傾向にあります。
また中小企業向けに開発されたクラウド型ERPシステムであるALL-INはグループウェアはもちろんの事その他にも経営に欠かせない機能がすべて備わっています。価格も中小企業向けなため非常に安価で導入いただけます。
革新による投入資源の削減
製造現場での「革新による投入資源の削減」はイメージがつきやすいかもしれません。例えば、工場の作業を自動化するFactory Automation、通称FAやロボットの導入などが「革新による投入資源の削減」になります。
ホワイトカラーでもこの革「新による投入資源の削減」は進んでいます。例えば、米国のクレジットカード会社は、24時間全世界に対してコールセンターを稼働させるため、アメリカから約11時間時差があるインドに拠点を設けることで24時間コールセンターを稼働させることに成功しています。
またワークスアプリケーションズが提供するHUEというERPシステムはAIが搭載されており、ビッグデータの解析からすべき業務を先回りして教えてくれる機能が搭載されています。
改善による付加価値額の増加
「改善による付加価値額の増加」は社員の研修を行なうことで社員一人ひとりのスキルアップを促したり、商品のパッケージを変え、高級感を出すことで消費者の購買を促したりする施策が挙げられます。
最近だと明治のザ・チョコレートのパッケージのデザインがいいと消費者がインスタ映えを狙い、話題になりました。既存のものの伝え方を改善することで消費者の感じる付加価値を増加させることに成功したのです。
革新による付加価値額の増加
「革新による付加価値額の増加」はAmazonやFacebookのような革新的なアイディアで付加価値を増加させ続けることもそうですが、この革新的なアイディアが生まれやすいようにする組織や仕組みを作ることも重要です。
例えば、今ではオフィスに必ずあると言っても過言ではない「ポストイット」を生み出した3Mには革新的なアイディアを創造するための仕組みがあります。それが、15%ルールと言われるものであり、業務時間の15%の時間を既存業務ではなく、新しい何かのために使って良いというルールです。この仕組みにより革新的な「ポストイット」は生まれたのです。
おわりに
生産性というコトバはビックワードで、生産性をあげろと言われても何をして良い場合は少なくありません。しっかりと生産性とは何を指すのか、どのような要素で表されるのかを論理的に理解し、無駄のない、そして確実に結果の出る施策を考え、取り組みましょう。
<参考文献>『生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』伊賀泰代(ダイヤモンド社 2016年)
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