生産性向上のヒント

経営者なら押さえておきたい経営トピックス センスメイキング

センスメイキングとは

「センスメイキング」と聞いて、すぐに説明できる人はどれくらいいるでしょうか。

「センスメイキング」とは、最近の経営学において注目を浴びている分野であり、意味(sense)の形成(making)、つまり起きている事象に対して能動的に行う意味付けのことです。

変化の激しい現代においては、外部で起こっている事象をどう捉えて整理し、行動につなげるのかが非常に重要なポイントとなります。

変化が少ない環境では受動的に処理していても、従来の事象の延長で物事が進むため大きな問題はないですが、変化が激しい環境においては受動的では変化に対応していけず、ただ変化に流されるだけとなってしまいます。

このような環境でリーダーシップを発揮し価値を生み出すためには、能動的な意味付けにより利害関係者を納得させ、積極的な行動へと繋げること、つまり「センスメイキング」が非常に重要と考えられており、イノベーションを起こすための必須の条件の一つと言われています。

「センスメイキング」の例としてよく取り上げられるのが、登山隊が雪山で遭難した話です。この話は「センスメイキング」のポイントをよく表した事例と言われています。

ある登山隊が雪山登山を行っていたところ、激しい吹雪に襲われ、遭難をしてしまいました。吹雪が止む気配はなく、助けを呼ぶこともできず、周りの状況も分からず死を覚悟していましたが、そんな中、隊員の一人がポケットに山の地図があるのを見つけました。

そして、登山隊のリーダーは地図があることを示し、メンバーはその地図を見て落ち着きを取り戻し、下山に向けてやるべきことを冷静に考えて無事に生還を果たしました。しかし、驚くべきは隊員が見つけた地図は登山していた雪山ではなく、別の山の地図だったという話です。

この事例で注目すべきは、登山隊は遭難し途方に暮れ諦めていたところ、実際に登っている山とは別の山の地図を手にしたことで、冷静に現状を分析することができ、安心を得て具体的な行動に移すことができたという点です。

実際の山とは異なる山の地図の発見という事象について、その事象に対して能動的な意味付けを行い、隊員を動かし最終的には下山というゴールにたどり着いた。

これは正しい答えが分からない中においても、発生した事象に対する意味付けにより結果の出る行動に繋げた、まさに「センスメイキング」であると言えます。

 

なぜ今センスメイキングが必要なのか

現在はVUCA(ブーカ)の時代と言われています。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の略であり、変化が激しく事象が複雑に絡み合っている環境を指します。

変化のパターンや方向性の想定ができず、前例もなく原因も単一ではなく複数の要素が複雑に絡み合っている状況であり、一言で言えば、予測不能な環境と言えます。

IT技術が発展する従来においては事象の変化も現在ほどに激しくなく、過去の延長上に確度ある予測を持つことができた時代でした。数多くの前提を正確に知っていることが、そのまま未来を決める戦略策定上も有利に働く時代だったと言えます。

そのため、リーダーに求められる素質も過去の経験であり、それを正確に戦略に落とし込める能力だったのです。このように従前は、前例に従うことが戦略として有効な時代でしたが、IT技術の発展に伴い変化の速度・幅が大きくなり、従来の戦略が有効に機能しなくなってきました。

一方で、現代のような不確実性の高い予測不能な環境、VUCAの時代においては、変化を前提としながらも思考を整理し合理的な想定をした上で、素早く行動していく必要があります。

この環境では過去に同じ事例はないため、リーダーは過去事例の踏襲に価値はなく、新しい変化に対して一定の軸を持って判断し戦略を策定していく能力が求められます。そしてリーダーとして組織を率いるにあたっては、変化に対応する軸を明確に見せる能力、つまり納得性の提示が何よりも重要になります。

不確実性が高く変化のスピードも早い環境では、正確な未来予測は困難です。多くの人はそのことを感じており、正確な情報提供をしてもそこに懐疑的に見ることはできても、価値を見出すことはできません。

つまり、「過去に同様の事例があるから、同じように対応する」というメッセージでは組織を動かすことはできず、「こういう考え方の軸を持って考えれば、明るい未来が見える」という明確で納得感あるメッセージが重要になるのです。

言い換えると、経験したことがない環境において人を動かすためには、提供する情報が正しいかどうかではなく、受け取る側にとって納得感のある明確なメッセージが必要であるということ、つまり、正確性よりも納得性が必要な時代であると言えます。

そのため、VUCAの時代を生きるリーダーには、能動的な意味付けにより人を説得し行動に繋げる「センスメイキング」の必要性が提唱されているのです。

センスメイキングを取り入れるために必要なこと

「センスメイキング」はリーダーに欠かせない資質の一つです。では、「センスメイキング」をどのように取り入れるべきでしょうか。一般的に大きく分けて3つのポイントが重要と言われています。

  • ビジョンメイク

事象に能動的に意味付けを行い納得感を与えるためには、まず明確なビジョンが必要になります。ビジョンとは目標であり、チームとして目指すべき一つのゴールです。

このビジョンの設定は、チームメンバーのモチベーション・行動に影響を与えると言われています。ビジョンとは、将来こうありたいというゴールのイメージです。ゴールのイメージが明確であればあるほど、ゴールを達成できる確率は高くなります。

今いる部署や立場だけではなく将来の立ち位置を見据えて、時間的にも空間的にも広い視点で、チームのビジョンを細分化した形でのチームメンバーのビジョンを設定することができれば、そこには大きな納得感が生まれるため、より高い価値を生む行動を促すことにも繋がります。

  • ストーリー性

ビジョン達成のためにチームは活動しますが、より納得感をもってコミットした活動を促すためには、ストーリー性が重要になります。

ストーリー性とは、なぜこのビジョンのために活動するのかという活動の根源を支える重要な要素です。

例えば、野球選手がただヒットを打つという目標のために打席に立つという時に、野球が好きな故郷の祖父母のために打席に立つというストーリーが加わると、より納得感が高まり、モチベーションやパフォーマンスの向上に繋がるというのは一つの例です。

チームを動かす上でストーリー性を加味できるかどうかは、重要なリーダーの資質といえます。

  • ビジュアライズ

「センスメイキング」では、最終的に具体的な行動にまで落とし込むことが必要になります。そのためには、チームメンバーが納得感を持つと同時に、やるべきことが分かりやすく理解できることも重要な要素です。

ビジョンとストーリーがあっても何をすべきか複雑すぎて分からないという状況では、納得感が低く、最終的に効果を生む行動が弱いものとなってしまいます。

そのために、ビジョンやストーリー、そして具体的な行動を目に見えて分かる形に落とし込むこと、つまりビジュアライズは「センスメイキング」のために重要な要素なのです。

まとめ

不確実性の高い現代は正確性よりも納得性が重要な時代であり、組織・チームを率いるため、またイノベーションを生むためには「センスメイキング」は必要不可欠な条件です。そして、「センスメイキング」を取り入れるためには納得性を高めることが重要になるため、そのための仕組み作り・対応が鍵となります。

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