経営コラム

ネーミング1つで、売れない商品は「大ヒット商品」に変わる!

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【ネーミングが持つ力】

最近の社内の話題は、ワールドカップのことばかり。

残念ながら日本は敗退してしまいましたが、
代表選手たちには大きな拍手を送りたいですね。

ワールドカップといえば、今年も試合後の渋谷駅周辺は、
日本代表のサポーターたちでごった返していたようです。

そうなると登場するのが、噂の「DJポリス」!
…と思いきや、どうやら今年は、
有名になった“あのDJ”は出ていなかったもよう。

その代わり、可愛らしい女性警官の方が、
“2代目DJ”として誘導をしていたようです。

今や「DJポリス」と聞けば、
ほとんどの方がすぐに、「あぁ、あの渋谷の!」と
拡声器を持った“DJ”の姿を思い浮かべられると思います。

「DJポリス」がこんなに有名になったのは、
彼の見事な誘導の手腕のおかげでしょう。

ですが、実はそれだけではなく、
「ネーミングの力」も大きいのではないでしょうか。

ポリスなのにDJ?
DJがポリス?

一度聞いたら気になって、
思わず調べてみた方も多いのではないでしょうか。

これが例えば、「誘導上手な警察官」とか「オモシロポリス」
なんて名前で呼ばれていたら、
きっとこんなに有名にはならなかったでしょう。

インパクトがなく、
聞いてもワクワクしないからです。

このことからも分かるように、「ネーミング」は、
人に覚えてもらったり、情報を拡散する上で、
非常に重要な要素となります。

これはもちろん、ビジネスの現場でも同じです。

同じような商品なのに、なぜ売上に違いがでるのか?
変な名前なのに、なぜ手に取り、カゴに入れてしまうのか?

そのヒミツは、「ネーミング」にあるかもしれません。

今回は、さまざまな商品の例を見ながら、
「商品名の付け方のポイント」について考えていきます!

【わかりやすさが大きな差を生む】

「個性的なネーミング」や「分かりやすいネーミング」
と聞いてすぐに思い浮かぶ商品は何ですか?

私は小林製薬の「のどぬ~るスプレー」です。
CMでもおなじみですね。

この他にも、小林製薬さんの商品には、
どれも面白い名前が付いています。

「熱冷まシート」
「ガスピタン」
「ケシミン」  などなど…

こういった、ちょっと変わった商品名を付けるようになったのは、
1986年に生まれた「ブルーレットおくだけ」がキッカケなのだそうです。

トイレの手を洗う場所に置いておくだけで、
中をキレイにしてくれるという優れもの。

今でこそ、類似品もよく見かけるようになりましたが、
売り出した当時は、「置くだけでトイレ掃除ができる」という
考え方がありませんでした。

ですから、まず初めにこの商品がどういうものなのか、
分かりやすく説明する必要があったのです。

そこで商品の特性を商品名にしたところ、
これが、「手が汚れず使いやすい!」と、主婦に大ヒット!

商品の使用用途が分かりやすいことで、
初めてのお客さまも、安心して手に取れたのでしょう。

それ以降、小林製薬さんは商品を開発する際に、
「そのネーミングはお客さまに分かりやすいかどうか」を基準に、
商品名を付けてきました。

「覚えやすくて、リズム感があり、1秒でわかる」

それが小林製薬さんのネーミングの条件。

一つの商品に対して、あらゆる部署の方がネーミング会議に参加し、
多い時には100以上の商品名の候補を挙げるのだそうです。

なぜなら、「名前の付け方一つで売上が何倍も変わる」から。

この良い例が、同じく小林製薬さんの商品の中にあります。

私が始めに名前を挙げた、「のどぬ~るスプレー」。
この前身である「のどぬ~る」が初めて登場した1988年は、
喉の痛みに効く治療薬の市場規模は、全体で2億5000万円程でした。

当時の治療薬といえば「ヨード」くらいで、
若い人にはあまり馴染みがありません。

そこへ参入した「のどぬ~る」は、
使用用途の分かりやすさと名前の覚えやすさで、
瞬く間に大ヒット商品に!

初年度だけで、当時の市場規模とほぼ同じ2億円を売り上げると、
91年にはスプレータイプの「のどぬ~るスプレー」を発売し、
さらに売り上げを伸ばしました。

「のどぬ~るスプレー」は、
“これまで誰も見たことのない、画期的な新薬”
という訳ではありませんでした。

「のどぬ~るスプレーの中身」は、
実は「ヨード」とほとんど一緒なのです。

これだけ売り上げの差が出たのは、
「ネーミングの分かりやすさ」と「覚えやすさ」が
決め手だったのでしょう。

お客さまにとって分かりやすく、覚えやすい商品名を付けることで、
同じ商品でも、ぐっと売り上げがあがるのです。

【ストーリーで口コミが広がる】

同じく、奇抜な商品名で市場に参入し、
売り上げを伸ばしている商品の一つに、
“一度見たら絶対に忘れられない豆腐”があります。

「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」

その奇抜なネーミングが口コミで広がり、
今や、誰もが知る商品となりました。

なぜ、ジョニーなのでしょう。
なぜ、ジョニーは風に吹かれているのでしょうか。

実は、このジョニーという名前、
元はこの豆腐の製造者である
伊藤 信吾さんのニックネームなのだそうです。

「豆腐で一番ありえない名前にしよう!」

新しい豆腐を売りだそうとした時、
伊藤さんはそう考えました。

その結果、
ついた名前が「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」。

私は初めてこの豆腐を見た時の衝撃を、
今でも覚えています。

サーフボード型の、おかしな名前の豆腐…。
相当なインパクトがありました。
しかも食べてみると…すごくおいしい!

それ以来、私の家ではよく「ジョニー」が
食卓に現れるようになりました。

名前のインパクトが強い商品は、
初めのうちは物珍しさで皆手に取りますが、
もし品質が悪ければ、お客さまは二度とリピートしません。

リピートしてもらえなければ、
後はブームの終わりと同時に売り上げが減少していくだけ。

この奇抜な豆腐は、
初めに名前でお客さまの興味を惹きつけ、
味でお客さまの心を掴んだのです。

ちなみに、この豆腐の製造元であり、
商品名の一つでもある「男前豆腐」とは、
「水も滴るいい男」からきているのだそうです。

この豆腐のパッケージは、上下の二重構造になっていて
常にザルのように水を切っている(滴っている)ため、
「水も滴るいい豆腐」=男前豆腐。

ジョニーが風に吹かれているのも、
男前のイメージから。

これは、忘れられない!

商品名は、「分かりやすさ」だけでなく、
忘れられない「ストーリー」を入れ込むことでも、
覚えてもらいやすくなります。

そのインパクトの有る「ストーリー」を知ったお客さまが、
「こんな面白い商品があるよ」と口コミで広めるから、
徐々に売り上げがのびていくのです。

【名前のインパクトは記憶に残る】

最後にもう一つ。

私が最近見た商品の中で、
忘れたくても忘れられない商品があります。

それは、「裸族シリーズ」です。

…何それ?!

決して怪しいものではなくて、
パソコンの横で、ハードディスク(HDD)を
固定して使用するためのものです。

記憶媒体であるHDDの内部では、
高速で金属盤が回っています。

ちょうど、音楽のレコードと同じような状態なのですが、
高速で回転しているため、とてもガタガタして不安定です。

その上、衝撃にも弱いため、
取り扱いには十分注意しなければなりません。

しかしこのHDD、それだけ脆弱であるにも関わらず、
むき出しのまま使用している方(=裸族)が多いのだそうです。

だからこそ、少しでも危険性を回避するために生まれたのが、
この「裸族シリーズ」。

シリーズというからには様々なものがあります。

・裸族のお立ち台:HDDを立てて固定し、データを読み込む。
・裸族のスカイタワー:HDDを10台まで収めて使用可能。
・裸族のボディコン:HDD自体のシリコンカバー。

などなど…
その内容を聞けば、「なるほど!」と言ってしまう商品名たちは、
とてもインパクトがあり、分かりやすいです。

「分かりやすさ」はとても大切ですが、
「分からないからこそ気になる」という、
インパクトの大きい名前を付けることもできます。

市場に初めて出る商品は、「分かりやすさ」を重視し、
類似商品と差異化をはかりたい時は、「インパクトが大きい」名前を付ける。

このように使い分けると良いかもしれません。

 

【まとめ】

以上の例から分かるように、
商品名を付ける時には、

・商品の特性が分かりやすく、覚えやすい
・ストーリーがある
・パッと見た時のインパクトが強い

こうした点を踏まえることが重要です。

ネーミングを変えるだけで、
「のどぬ~るスプレー」のように、
市場規模の何倍も売り上げを出すことが出来るのです。

あなたの会社の商品名は、分かりやすいですか?
お客さまに覚えてもらいやすいでしょうか?
インパクトはありますか?

今一度、ぜひ商品名について考えてみましょう!

 

DJポリス、一度は見たいと思っているのですが、
あんなに混雑している渋谷には行きたくないなというのも本音。

ですから動画を見て、その交通整理の腕前に、
スゴイなぁと感動しています。

試合が終わった直後に、

「皆さんは12番目の選手。
日本代表のようなチームワークでゆっくり進んでください。
けがをしては、W杯出場も後味の悪いものになってしまいます!」

なんて言われたら、その通りだと頷きたくなりますよね。

実際、「お巡りさん!」コールがおきる程、
日本代表のサポーターにも支持されていました。

それにしても、
「DJポリス」と最初に付けた方のセンスは、
本当に素晴らしいです。

私も、人の心を惹きつけるネーミングができるよう、
色々な物を見て、聞いて、勉強しなければ!と
改めて思いました。

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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