経営コラム

「モノ」ではなく「コト」を売る。今、「体験」が重要なワケ

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突然ですが、問題です。

ある「老舗の和菓子屋さん」では、
「体験型」のサービスが人気です。

さて、そのサービスとは?

ちっ

ちっ

ちっ

ぽーん!

***

答えは「和菓子づくりのライブ」。

このお店には、お寿司屋さんのようなカウンターがあり、
目の前で和菓子をつくってくれます。

熟練の職人さんの手つきは、実に鮮やか。

数種類の季節の和菓子を、
あっと言う間に仕上げていきます。

出来たての和菓子は、
瑞々しく、見た目もとても美しい。

味はというと…?

さすが老舗だけあって、
上品かつ、しつこくない甘さ。

思わず顔がほころんでしまいます。

普通に和菓子を買うのと比べて価格は高いものの、
満足度は120%。

「また来よう!」と心に誓ったお店でした。

ここで、僕が重要だと思うのが、
このお店が「体験」を提供していること。

もし単純に「和菓子」を提供していたのであれば、
僕はこのお店のリピーターにはならなかったと思います。

なぜ今、「体験」が重要なのか。
それは、現代社会の構造から読み取ることが出来ます。

***

1990年代 以降、インターネットの普及により、
情報の発信・取得にかかるコストが急激に安くなりました。

売り手は誰でもweb上で、自分の好きな商品を、
好きなように販売することができます。

web上で販売する限りは「商品棚」の広さに限りは無く、
「お店の中」に無限に商品を並べることが出来ます。

資金とマンパワーで有利な、大きな会社であるほど、
商品を充実させやすい構造です。

何かを買おうとしたとき、Amazonのサイト内で検索すれば、
たいていの商品は見つかりますよね。

つまり、お客さんは「何か特別な理由」が無い限り、
何か欲しいものがあれば「価格」で比較をし、

最も安く、最も速く商品が手に入るお店で買うことになります。

そしてこれはweb上に限らず、全ての会社で言えることです。

たとえ「web上での販売」を行っていなかったとしても、
商品や会社の情報は、web上に露出しています。

お客さんは、インターネットを通じてコストをかけることなく、
それらの情報を全て「比較」することができる。

実店舗のみの販売だとしてもやはり、何か特別な理由が無い限りは
最も安く、最も速く商品が手に入るお店で買うことになります。

「ここでしか◯◯」という、何か特別な理由がない限り、
お客さんに選んでもらうのが難しい時代になっているのです。

お客さんが求めているのは、
他の人とは違う、自分だけの「体験」。

和菓子店の「ライブ」はまさに、その欲求を満たしています。

後にも先にも「一度だけ」の体験。

現代のお客さんは「商品そのもの」よりも、
そんな「体験」を強く求めているのかもしれません。

実は、そういった欲求があることを裏付ける実例が、
音楽業界で出始めています。

***

音楽産業は「レコード産業」と呼ばれる
CDなどを販売する部門の売上が年々、減り続けています。

最近では「ダウンロード販売」なども増えてきて、
「モノとしてのCD」を買う機会って減ってきましたよね。

しかしそんな中でも、急激に売上を伸ばしている市場があります。

そう、もうお分かりですね。
それが「ライブ・エンターテイメント市場」です。

近年この産業の売上は年々、増加しており(昨年は前年比29%増)、
総売上はレコード産業に匹敵するまでに成長しています。

一度きりの演奏から、繰り返し聞くことができるCDへと
「進化」したはずの音楽。

それがここに来て、逆の動きを見せるのは
とても興味深いことです。

歴史は繰り返す。
1つの方向に振れた振り子は、やがて逆側に戻っていく。

音楽産業においても、「デジタル化」の方向に大きく動いた振り子が
ここに来て、逆方向に動き始めたのでしょう。

そして、この傾向は音楽業界だけでなく、
あらゆる業界で言えることだと思うのです。

***

インターネットの発達に伴って、
ビジネスは「自動販売機化」を求めて来たように思います。

しかし、その振り子は、ここに来て
逆方向に動き始めているのかもしれません。

お客さんが求めているのは、規格化された高品質の商品よりも、
商品を通じて「体験する何か」。

昔の商店の「対面販売」のように

「人間と人間との付き合い」や、
「偶然生まれる楽しい会話」のような、

「この瞬間、ここでしか体験できないもの」を、
現代のお客さんは求めているのではないでしょうか。

どちらにしても、ただ「モノ」を売っていたのでは、これから先
「ダントツNo.1企業」以外は生き残ることができません。

品揃え、対応の速さ、価格はもちろんのこと、
今までは小さな会社の得意分野だった、精度の高い“オススメ”までも、
大きな会社に対抗するのが難しくなっているからです。

これからの時代で重要となるのは「このお店で買う理由」。

これは「モノ」と「お客さん」との関係を構築していたのでは、
つくることが難しいものです。

重要なのは、「会社」と「お客さん」との関係をつくること。
そして、「モノ」ではなく「体験」を提供すること。

これからの時代は、提供する「モノ」よりも、
それを通して得られる「体験」が重要となります。

「ココで買う理由」
「ココでしか体験できないこと」
「ココにしかない世界観」

それを、いかにカタチづくり、
お客さんに伝えていくか。

もちろん、手間も時間もかかります。
そして、短期的には成果が出にくい方法です。

ただ、超情報化した社会で成長し続けるためには、
そんな、アナログなアプローチこそが必要なのです。

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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