経営コラム

人を動かす「3つの力」

自分を信じ切ってくれる人に出会った時、人は変わる。

なぜ、信じれば人は変わるのか?
本日は、その理由をお伝えします。

世の中には、たくさんの会社があり、
たくさんの上司が、たくさんの部下を従えています。

そこで行われているのが、会社を経営する上で
人が効率的に動くように行動を管理する、「マネジメント」。

モチベーション理論、心理学、チームづくりなどなど、
「マネジメント」する側は、様々な「力」を用いて
人を動かそうとします。

それでは、「マネジメント」される側はいったい、
「どのような力」によって動かされているのでしょうか。

実は、その「力」は「たった3種類」しかありません。
今回は、その3種類の力と、その関係性について、お伝えします。

【人を動かす「3つの力」】

  「人間も動物である以上、
   自然界の法則は、人間にも適用される」

 自然界で「動く」ものには、2種類の力が働いています。
1つは「外からの力」、もう1つは「内からの力」です。

自然界の法則が、人間にも適用されるとすれば、
「心」や「行動」など「動く」という言葉で表されるものも
「外」と「内」、2種類の力によって表されるはずです。

そうやって「人を動かす力」について考えていくと、
最終的に人には「3つの力」が働いていることがわかります。

それは「正の引力」「負の引力」「推進力」

この「3つの力」は、互いに影響しあうもの。
3つの力の関係図は、以下のようになります。

人に働く力は、「引力」が2種類、「推進力」が1種類です。

引力は「快楽」に向かって人を引っ張る力=「正の引力」と、
「恐怖」に向かって人を引っ張る力=「負の引力」に分かれます。

*正の引力
人を[快楽]の方向に引っ張る。
ex. 報酬(ボーナス)、表彰、名誉、職場環境など。

*負の引力
人を[恐怖]の方向に引張る。
恐怖の大きさと同じだけの「反発力」を生み出す。

ex. 罰、叱る、ペナルティ、減収など。

この2つの力は「外からの力」によって、人を動かすものです。

これに対して「推進力」は、
人が自らの「内からの力」によって動くもの。

*推進力
人が「自ら」動く力のこと。
[意思]によって生み出される。

この「3つの力」は、次の「4つの法則」に従います。

そして、それぞれの力は

【「引力」に働く「4つの法則」】

【1】「正の引力」は「推進力」のない者には作用しない

「正の引力」は「推進力」を生むが、
その力は、止まっている人を動かす程は大きくない。

【2】「負の引力」は「対象者が感じる恐怖の大きさ」と
   同じ大きさの「反発力(=推進力)」を生み出す

この場合の「推進力」は「負の引力」によって生まれたマイナスを
帳消しにするために生まれる。

【3】「引力」によって生じた「推進力」は「引力」がなくなると消える

「正の引力」も「負の引力」も現時点とのギャップを生み出す。
そのギャップを解消するために、人は動く。

「ギャップを解消すること」が目標なので、
そのギャップがなくなった時点で、人は行動をやめる。

※つまり、生み出されるのは「ニセモノの推進力」である。

【4】「引力」は触れる回数が増えるほど、小さくなる

「正の引力」も「負の引力」も、強さの変わらないものには、
人はすぐに慣れてしまう。

「引力のみ」を用いてマネジメントをする際は、
その力を無限に大きくし続ける必要がある。

この「4つの法則」を見ると、
「引力」を用いたマネジメントには限界があるように見えます。

それでは、残されたもうひとつの力、
「推進力」はどうでしょうか?

【「推進力」はどこから生まれるのか】

「引力」が「外からの力」で人を動かそうとするのに対して、
「推進力」は「内からの力」となります。

それでは、その「推進力」はどこから生まれるのでしょうか。
推進力は、本人の「意思」から生まれます。

意思を持って「行動する」と決めるためには、
本人が「他者に対する貢献感」を持つ必要があります。

「現代心理学の父」と呼ばれる
アルフレッド・アドラーも、こんな言葉を残しています。

  「人は貢献感を感じ、
    自分に価値があると思えるときにだけ、勇気を持つことができる」

人は「他者」に対する貢献感を持ったときにだけ、
一歩を踏み出すための「勇気」を持つことができるのです。

仕事の中で感じられる
「他者への貢献」には次の3種類があります。

1.お客さまへの貢献感
2.仲間への貢献感
3.社会への貢献感

この3つの貢献感のいずれかを「感動体験」を通じて
実感したとき、人は「推進力」を持つことができます。

「お客さまからの感謝」
「仲間との目標達成」
「社会的な意義の実感」

いずれかの「感動」を体験すれば、
その人は自ら進む力、「推進力」を得ます。

ただ、このような「貢献感」は
「行動」をした先にしか得ることはできません。

感動体験できるような「行動」をしてもらうためには、
実はもうひとつ重要なことがあるのです。

【そこに「安全地帯」はあるか】

人が、勇気を持った一歩を踏み出すためには、
とても大事な要素があります。

それは「安全地帯(セキュア・ベース)」があること。

安全地帯とは「失敗したとき」や「不安を感じたとき」に
逃げこむことができる、安心できる場所のこと。

この「安全地帯」を持っている人だけが、
勇気を持った、大きな一歩を踏み出すことができます。

あなたがもし「上司」や「経営者」であれば、
自らが各メンバーの「安全地帯」になることが重要です。

なかなか行動をしないメンバーが居たとき、
上司の方はぜひ、こう伝えてあげてください。

「どんな失敗をしても、自分が責任を取る。
だから失敗を恐れずに、やってみてくれ。」

こうやって安全地帯が出来ると、
人は勇気ある行動ができるようになります。

そして、その先に「貢献感」を
感動を持って体験する瞬間がある。

そこまで導くことができれば「引力」を利用しなくても、
その人は自発的に、どこまでも進んでいきます。

会社にとっても、メンバーにとっても、
これが理想的な状態。

ぜひとも、この状態を目指したいものです。

【「3つの力」を味方につける】

もちろん、「引力」によるマネジメントにも、
メリットがあります。

初期の段階ではむしろ「引力」を用いた方が、
効果的な場合が多いかと思います。

ただし「引力のみ」を用いたマネジメントには
限界があります。

どこかの時点で、メンバーの一人ひとりに
「推進力」を与える必要があるのです。

推進力を与えるためには、
まずは誰かが「安全地帯」になることが必要です。

そして行動を始めたあとは、
「貢献感」を実感する瞬間をつくりましょう。

「部下が思うように成果を上げることができない」

そう感じたら「3つの力」の関係とを思い出し、
「安全地帯」→「行動」→「貢献感の実感」が
それぞれ満たされているか、確認してみてください。

今回のメルマガを書いていて、
久しぶりに「理系脳」を使ったように思います。

「引力」の関係を表す図で「物理学」っぽさを
イメージしてみたんですが、どうでしょうか…?

実は、僕は学生時代、
大学院で「2足歩行ロボット」の研究をしていたんです。

HondaのASIMOのような「人間サイズのロボット」が、
「どうやったら安全に歩けるか」なんて方法論を研究していました。

改めて振り返ってみると、そのときの経験が、
「物事を抽象化して捉える力」を育てたように思います。

スティーブ・ジョブズも

「未来に向かって点と点を結ぶことはできない。
過去を振り返った時にのみ、点と点を結ぶことができる。」

という言葉を残していますが、
どんな経験、体験であっても「今」に繋がっているのですね。

「点と点が未来において結び付くことを信じて」
今日も「行動」を重ねていきましょう!

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。 Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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