はじめに
私たちは数千人の起業家を見てきた経験を通し、企業が成長するために必要でありつつも、なかなか実現できない10のことを定めました。これらは突拍子もない、全く新しいものではなく、優秀な経営者であれば、言語化できていなくても、なんとなく気付いているものです。
しかし、これらを実現させることは簡単ではありません。そのため多くの経営者は取り組むことができていません。しかし、様々な経営に関わるシステムが統合されている「ERPシステム」の導入はそれらの障壁の多くを取り除くために大きな助けとなり、企業の成長に著しく貢献するでしょう。
今回の記事では、ERPシステムを導入することで実現に近づく「10個の企業成長のための鍵」を3回に分けて解説していきます。今回はその第2回です。第1回目の記事はこちらから読めます。
また、「10のこと」に関しては、本メディア内で、1つ1つに焦点をあて、特集を組み5~7記事程の連載を上げています。もっと詳しく勉強してみたいという方は、それぞれの章にあるリンクをクリックしてみてください。
他にも、「10のこと」をまとめた、小冊子テキストを用意しており、こちらのリンクから無料でダウンロードできます。
4.組織化
組織化とは「人的能力とチームとしての生産性を最大化させるための活動」です。
組織化の重要性
経営に必要なすべてのことを得意な人はいません。あなたの不得意な仕事は、誰かが得意にしている仕事かもしれません。逆に言えば、あなたが得意な仕事を苦手な人もいるかもしれません。企業という組織である以上、個で戦うのではなく、個々が連携し合い、チームで戦える環境を築きましょう。
事業を始めたばかりの頃や、規模が小さいうちは、個の力を別々に発揮していくことで、成長に繋がるかもしれません。しかし、安定的な成長、安全な経営のためには、個の力に頼るだけでなく、「総合力」が必要となります。相互補完的に総合力を発揮できるチームの集合体が最高の企業です。
組織化に取り組むためには
組織として、社員一人一人の能力を最大限に活かした、「総合力」の高い企業を創るためには、以下の3つのポイントがあります。
①文化づくり
②評価
③採用
「文化づくり」とは、自社のミッションやクレドを明文化するなどして、組織として大切にしたい価値観を言語化し、社内に共有する作業です。
「評価」では、文化づくりで決めたミッションやクレドと評価内容を連動させることがポイントです。適切な社員評価は、適切な評価基準が必要不可欠です。様々な視点から、客観的かつ平等に評価しましょう。また、過去の評価をデータベースに蓄積しておくようにすることで、社員が過去から現在までどのように成長してきたかを、フィードバックできるようになります。
「採用」は企業の未来を決める、重要な活動です。この点に関しては、企業によって、様々な方法を取っています。最高の人材を確保するために、「採用フロー」を定め、人格的にもスキル的にも優れた人材の採用を目指しましょう。
1つのシステムに社員全員が関わるERPシステム
総合力向上のためには、自社にどのような人材がいて、どんな成果をあげているのかを把握することが最重要です。ERPシステムは、経営者が人材を把握し、最高の人材の配置やチーム作りを助けることができます。
なぜなら、全ての部署、社員が一つのシステムを使って業務を進めるため、営業成績や誰が何をやっているのかが分かり、そしてそれらが給与システムと人事評価システムが連動しているからです。グループウェア機能は、社員同士の関わり合い、相互補完的に業務を進めることを推進します。
5.資産化
資産化とは「未来の価値創造を容易にするための、コンテンツの蓄積など資産を積み上げる活動」です。
資産化の重要性
目の前の成果だけを追い続けるのではなく「資産を積み上げていく」発想を持ち、将来の大きな成果に繋げることが資産化の意義です。
より具体的に「資産化」をイメージできるようにするため、ここでは「営業活動の資産化」という切り口から紹介します。
営業活動の資産化は、未来の受注力を高めるため、営業活動を記録し、蓄積されたデータを分析して営業活動の改善を積み重ねていく活動です。資産化を意識して営業活動を蓄積してチームで共有できている企業では、過去の営業活動のデータが蓄積され「受注できるセールストーク」や「受注しやすい企業の特性」が資産として残ります。
資産化に取り組み始めたばかりの頃は、結果は表れません。しかしデータとして資産が増えるにつれ資産の価値は上がり、経営判断の重要なヒントにもなります。
資産化に取り組むためには
資産化に取り組む方法に関しては、非常に単純で「記録」することです。その資産を活かすためには、ITの力を借り、蓄積したデータを分析し、分かりやすい形にアウトプットできるシステムが必要です。
営業活動を例に出しましたが、集客のためのコンテンツや顧客の事例など他にも多くの「資産化」できるものがあります。それぞれに違ったやり方があります。取り組み始める前に、時間をとって計画を練りましょう。
データを蓄積・分析し資産として残すERPシステム
一社員の資産を会社の資産とするためには、記録することが重要です。同じように、今まで行った経営判断とその結果を記録することは、今後の経営判断のための重要なデータとなります。システムなどなくても、記録することは可能ですが、とても手間がかかる上、見たいデータを見たいときにすぐ見れるわけではありません。
ERPシステムを使えば、様々な経営判断、営業活動がシステム上に記録されるため、「記録」のための時間と労力を格段に減らすことができる上、分析することもできます。
6.共有知識化
共有知識化とは「ノウハウを共有して業務の標準化をしていく活動」です。
共有知識化の重要性
共有知識化は、特定の社員に偏っていた知識や技術を社内に普及させていくことで、成果の偏りをなくし、誰でも一定以上の成果を出すようにすることが目的です。
経営者としての理想は、メンバー全員が活躍する会社を作ることです。社員全員の能力が高く、全員が結果を出せる。野球で言えば「日替わりヒーロー」が出るような会社です。しかし、私たちが見てきた多くの会社では、成果を出す社員は限定されていました。いわゆる「エース社員」という存在です。
パレートの法則(2:8の法則)で言われるような社員間でのパフォーマンスの差は、ある程度は自然なことでもありますが、それが過度になりすぎると経営にとってはリスクになります。
社員間での知識の差やノウハウの有無があっては、パフォーマンスの差は埋まりません。
社内の暗黙知、属人的なノウハウや知恵を共有することは多くのメリットがありますが、それらを大別すると以下の5つになります。
1.教育の際、時間やお金のコストの大幅な削減
2.業務プロセスの共有による、業務品質の安定
3.失敗共有による、組織学習の活発化
4.専門的な知識や特殊な経験を持つ人材の把握
5.多様な視点での問題解決、業務改善
共有知識化に取り組むためには
共有知識化を推進していく上で重要なことは「①共有すべき情報の特定」「②情報を集積する場所の設置」「③情報の質を上げる」の三点があります。
「①共有すべき情報の特定」では、標準化を進めていきたい情報を具体的にします。そして社内にアナウンスし、共有を促します。
※たとえば、こんな情報の標準化が考えられます。
・営業マニュアル
・セミナー準備マニュアル
・引き継ぎでいつも困ること(チェックリストをつくる)
・備品の管理
「②情報を集積する場所の設置」では、情報が集まってきたら、誰でもアクセス出来る場所を設置することで、共有知識化が促進されます。情報の集積場所は、いつでもどこでもアクセスできるクラウドシステムのような環境に設置されることが望ましいです。
「③情報の質を上げる」では、一度マニュアル化した情報はそこで終わりではありません。定期的に見直しをして、その精度を高めていきます。最低でも半年に一度は標準化したマニュアルを見直していきましょう。
マニュアルを日々の業務プロセスに直結させるERPシステム
ALL INでは、あらゆる部署のあらゆる業務の業務フローとそれぞれのステップでのアクションをテンプレート化して、システム上に設置することができます。マニュアル通りに業務を進める事が容易になります。
例えば、営業プロセスとして、
アポイント→提案→成約
という業務プロセスを設定したとします。これらのプロセスごとに、アクションをいくつでも設定することができます。
アポイントであればメール送信、提案であればヒアリング、成約であればお礼メール
などが挙げられます。
クラウド上でこれらの業務が進むため、自分の営業はもちろん部下の進捗状況も確認することができます。
《ALL-INー営業支援》 では「プロセス」と「アクション」に分解することで営業活動をデータとして可視化
おわりに
今回の記事では、ERPシステムの内、グループウェア、人事評価機能、営業支援、タスク管理機能などがどのように経営に役に立つかをお伝えしました。ERPシステムはいくつかの種類がありますが、これらが全て内蔵されているとは、限りません。導入を検討する前に、必要な機能があるか、必要でない機能があるか、チェックしましょう。
弊社が提供するALL INは中小企業に特化したクラウド型ERPシステムであるため、上記の機能に加え、中小企業の成長に欠かせない機能を多く内蔵しています。同時に、無駄な機能は一切ありませんので、コストも抑えられています。
次の記事では、モバイル化、省力化、一元化、安全化に関するERPシステム導入メリットについて紹介します。
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