優秀な人材の採用や、会社の成長につながる「あたらしい働き方」。しかし、一体どんな働き方が求められているのか?そんな疑問を持つ経営者のために、プレミアムセミナー『選ばれ続ける会社の経営者が考えるべき 本田流 –「あたらしい働き方」–』が11月22日に開催された。
前回の記事では、セミナーの第一部、本田直之氏による基調講演「伸びる会社の、あたらしい働き方」の内容をご紹介した。
しかし、新時代の会社をつくっていくためには「会社の環境づくり」だけでなく、「社長の働き方」もアップデートしていく必要がある。
今回ご紹介するセミナー第二部では、『社長の仕事』の著者: 浜口隆則と本田直之氏によるトークセッションが行われた。ハワイ・東京に拠点を構え、年の半分をハワイ、3ヶ月を日本、2ヶ月をヨーロッパ、1ヶ月をオセアニア・アジア等の国を旅しながら、仕事と遊びの垣根のない生活を送る本田氏と、2週間以上に渡って会社を離れ、サハラ砂漠マラソンや、南極トライアスロンなどに参加するユニークな経営スタイルを取る浜口氏に、経営者自身の価値を高める「社長の働き方」について伺った。
1.二人の意外な共通点は「ゆるさ」
司会- 後半をスタートします。まず、本田さんと浜口さんの関係を教えてください。
浜口- 元々は『平成進化論』というメルマガを書いている鮒谷くんという人から紹介されました。ただ僕が住んでいるマンションに彼のオフィスがあったので、その前から顔は知っていました。決してカタギの人には見えなかったので、このお兄さんには絶対に関わらないぞと思っていましたね(笑) 紹介されてお話すると、見た目で判断していたよりはまともな人だなと(笑)同い年ということもあり、ずっと付き合いが続いています。途中からトライアスロンのチームを本ちゃんが作って、僕も創業メンバーとしてずっと関わっています。
本田- 褒められてるんだか貶されているんだか分かんないですね(笑) 褒めてるのね、ありがとう(笑) 10年位の付き合いですね。
司会- お互いが感じている働き方の共通点があれば教えてください。
浜口- とても深く色んなことを考えているなと思います。意外と僕ら経営者って、考えているようで考えていない。僕もどちらかというと考える方なので、そこが1つ似ているところです。
あとは、圧倒的に自責の人ですよね。僕自身も自分がやっていることは全て自分の責任だと思うようにしていて、本にも「雪が降っても自分の責任」と書いています。そういう内部要因思考が似ているので、付き合っていても気持ちがいい。
あともう一つ付け加えるなら、仕組み化思考というか、システム化思考が似ていると思います。
本田- 過去のやり方にとらわれない点です。浜ちゃんの最初のビジネス(レンタルオフィス事業)も日本になかったビジネスでしたので、「前例がないからできない」と考えない働き方をしているのは共感できます。
あとは、ゆるさ。力の抜け加減もあるかな、と。
浜口- 俺は本ちゃんよりゆるくないけどね(笑)
本田- まあね(笑)
浜口- でも、経営者にはゆるくていい時期とゆるくてはいけない時期があると思っていて、例えば僕は、ここ数年あまりゆるくなかったですね。そういう、時期によっても違うと思います。ただ経営者がずっとタイトだと社員も疲れるので、良い意味でルーズであったほうがいいなとは思います。
司会-お二人ともこれまで多くの経営者を見られてきたと思うのですが、上手くいっている経営者の働き方について教えてください。
浜口- さっきお話した共通点が、成功する経営者の共通点でもあると思います。内部要因思考は特に重要です。社員のせいにしたり、外部の環境のせいにしているときは上手くいきません。なぜかというと、人のせいにしている時って、変えなくていいからです。経営者は変えられる人でもあるし、変える職業だと思うので、人のせいにしていたら変えるチャンスを失うと思います。
だから極端な話、責任範囲をものすごく大きくして、世の中がこうなってしまったのも自分の責任くらいに思っておくのがいいんじゃないかと思います。トランプが大統領に選ばれたのも俺の責任だと思うくらいがいいんじゃないか。そこが凝縮されたポイントだと思います。
本田- 一瞬成功するって結構簡単だと思うんです。ただ、成功し続けることが難しいのかなと思います。その違いというのが、簡単に言うと調子に乗らないことだと思います。調子に乗ってるな、と思う人はすぐいなくなりますね。
経営者にとって一番重要なタイミングが、景気が悪いときだと思います。バブってる時って、誰がやっても上手くいきますから。景気が最悪の時にどういう会社経営ができているのかというのが本来の力だし、景気が良い時に調子に乗って毎晩クラブでシャンパンを空けているような人は、長くは持たないなと思います。
浜口- だから、悪い意味でゆるんでいっちゃうってことだよね。起業支援とか経営支援をしていて、一時的に上手くいくけどそれを維持できない人って本当にもったいないと思います。飛行機って、離陸して安定起動にのるまでが一番大変で、そこにエネルギーの8割位を使うと言われています。せっかくそこまで行ったのに墜落するって、本当にもったいないと思います。やっぱり過信したり油断したりっていうのは、経営者はすべきでないなと思います。
2.「経営者に一番必要な能力は、自分にとって重要なことを見つける能力」
司会- 本田さんに質問です。著作のレバレッジシリーズが大ヒットしていますが、忙しい経営者に向けて、レバレッジをきかせた働き方のコツを教えてください。
本田- 気合です(笑)
浜口- その怖い顔で言われたらそう思っちゃうじゃん(笑)
本田- 闇雲な気合はだめです。どこにテコを持っていくかだと思います。重要なポイントにフォーカスしてやらないと、単に忙しいだけで結果が出ません。
自分や自分の会社にとって最も重要なことを見つける能力が一番大切ですね。
浜口- 僕から質問なんですが、レバレッジをかけるときって、一番レバレッジが高い要素がなんなのかを見極めるのも重要なんですが、それ以外のことを切り捨てないといけないじゃないですか。その辺を本ちゃんはどうやって手放しているの?手放すのが怖くなったりしたことはないの?
本田- ないね(笑)
浜口- (笑)捨てられない人って、多分捨てるのが怖いんだと思います。
本田- でも手放すしかない。その割り切りが大事ですね。自分は苦手なことが多いということを自分でも分かってるので、それをやっても時間もかかるし結果も出ないからやらない、という。
浜口- 僕はどちらかというと器用貧乏な方なんで、なんでも平均点的にできてしまうので、やっちゃいがちなんです。だから気をつけて、なるべく捨てるようにしています。でも怠け者でもあるので、全部やりたくないなっていう思いもあり、そこで上手くバランスを取っています。
そうやってどこかで、切り捨てるインセンティブを持たないと、怖いからなかなか捨てられないんですよね。その切り捨てるインセンティブをどこに持つかっていうのは人によって違うと思います。それをどこかで持てるといいなと思います。
3.「戦わない経営」は「戦えない経営」ではない
司会- 浜口さんに質問です。経営者にとって戦わない経営をどうやって実現するか教えてください
浜口- 戦わない経営というのは、幸福追求型の経営をしていきましょうということです。もちろん幸福追求型をするためには経営者として経営の専門家だけではなく、人がどうやったら幸福になるのかという専門家にならないといけないと思います。
あと僕が思うのは、戦わない経営というのは戦えない経営ではないので、経営者は強くある必要があります。会社に一人でも弱い人間が入ると、その弱さを経営者が全部受けとめないといけないので、それに耐えられる強さが必要です。
関わる人はすごくやりやすいのかもしれないですけど、経営者はいざとなった時に自分自身と対峙できる強さや、一緒に関わる人の弱さに関る強さがないとだめだなと思います。
司会- 最後に、二人が考える理想的な経営者の働き方を教えてください。
本田- 向き不向きがあるので、自分に向いている働き方をするのが良いと思います。個人的な僕の理想的な働き方は、さっきから言っているように「仕事と遊びの垣根がない」。だから何歳までも仕事ができちゃうわけです。笑いながら仕事できることが、僕にとっての理想の働き方だと思います。
浜口- 社会人になってからの僕の中でのテーマは、自己成長と社会貢献です。
自己成長と社会貢献の二つを追いかけていれば、絶対恥ずべき人生にはならないと思ったので、それを楽しくできたらいいんじゃないかと思います。それを下向きながらやってたら、なんだか悲壮感がただよってしまうので。その二つを、上を向いてしっかりできるようにできれば、経営者としてはいい生き方だと思います。
司会- ありがとうございました。
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