営業活動を効率化するためには、営業の6つのステップを意識しながら、各ステップの営業力を個別に改善する必要があります。本記事では営業のステップの中でも提案について説明します。今回は提案の中でも提案書の構成方法について、SDS、PREP法の2つを説明します。
営業における提案のポイント
特にBtoB系の業種においては、「提案」は差が付きやすいステップです。営業活動は基本的に相手とフェイスtoフェイスでやりとりするので、営業としての経験値やセンスが結果に影響を与えます。一方で提案書を作るのは、対面ではなく自分が仕事場で相手のことを考えて行います。つまり、臨機応変な対応ができない不器用な、あるいは経験の少ない営業でも提案書を作りこむことはできるのです。
BtoB営業における提案書の重要性
特にBtoB営業においては、提案書を作り込むということは重要です。提案書は多かれ少なかれ一人歩きしてしまいます。BtoBの営業は、直接の窓口となっている先方担当者だけではなく、背後にその上司やさらにその上の上司など、決裁権者が存在します。そして、先方の社内で稟議を獲得するためには資料が必要です。
窓口になっている先方担当者では、商品やサービスの概要を100%伝えられないかもしれませんし、商品やサービスの導入に関する会議などで資料がないと検討をしにくいからです。
よって、顧客先の企業内できちんとした承認を獲得するためには提案書をきちんと作り込む必要があります。
提案書をすべて丁寧には見ない
もう1つ営業における重要なポイントは、提案書は丁寧には見られないということです。自社が伝えたいことをすべて伝えるために100ページを超える資料を作ってもおそらく、一言一句細かに内容を精査してくれる顧客はいないでしょう。顧客の労働時間にも限りがあるので数ページで内容を把握できない資料はすべて読もうとしないと考えて提案を作成した方が良いです。
SDS法・PREP法で提案力をアップする
提案書を作る際には、相手に短い時間で理解してもらいやすいように決まった提案の順番で内容を書く方が良いです。そのときに使われるのがSDS法やPREP法です。この2つはどのような手法なのかについて説明します。
SDS法・PREP法とは?
SDS法とPREP法は、それぞれのアルファベットの頭文字をとった提案の手法です。
SDS法のSDSとは、以下のことを指します。
S=Summary:概要
D=Detail:詳細説明
S=Summary:まとめ
PREP法のPREPとは、以下のことを指します。
P=Point:要点・結論
R=Reason:理由
E=Example:事例
P=Point:要点・結論
SDS法・PREP法の相違点
両フレームワークは極めて似通っています。まとめや結論を最初と最後の両方に盛り込むということは両方のフレームワークで共通しています。そのうえで、間に何を挟むのかというのが両者の違いです。違いと言っても、両者を並べると矛盾するわけではありません。
最初と最後の間の中身について、SDS法では、詳細説明、PREP法では、理由、事例という風に説明しています。つまり、SDS法の詳細説明の部分を、理由と事例に分解しているのがPREP法です。
もちろん、どちらのフレームワークを使った方が良いのかはケースバイケースです。PREP法は理由と事例に提案の中身の部分を分解していますが、実際の提案書になるともう少し内容は複雑になることも多いです。理由の部分に一定の共通理解があって事例にインパクトがある場合は、あえて事例を先頭に出す場合もあるでしょう。あくまでも、これは最も提案が受け入れられやすい順番でオーソドックな順番であって微調整は必要です。
結論は必ず最初と最後
最初と最後の間の中身の部分は、ケースバイケースでの微調整が必要だとして、最初に結論やまとめを持ってこない構成というのは成立しうるのでしょうか。これは、読者によって理解するのに時間がかかる提案書になりやすいので避けるべきです。
たしかに、文書のテクニックとして起承転結のように「転」で「起承」までの流れをひっくり返して「結」の部分を印象付けるというものがありますが、ビジネスにはあまり向きません。起承転結は物語のように読者が最後まで楽しみながら読む文章には有効な手法ですが、少ない時間で相手に情報を伝えるのには向いていません。
どのようなフレームワークを使う場合で、最初と最後に要点や結論を置くのは守っておいた方が良いです。
精度の高い提案を作るために必要なこと
以上のようにSDS法、PREP法の内容について説明しましたが、このフレームワークをただ知っているというだけでは、実はあまり役にたちません。両者とも抽象度の高いフレームワークなので使う人によって提案の構成は大きく変わりますし、このフレームワークを知っているからといってすぐに良い提案ができるわけではありません。
最後に顧客の心をつかむ提案を作成するための注意事項について説明します。
お客様の要望を理解する
まず、基本的なことですが提案書には顧客の要望をきちんと反映させる必要があります。ただし、この顧客の要望をきちんと理解するということは意外と大変です。顧客の本当のニーズは打ち合わせのときのほんの一言に含まれているかもしれませんし、自分で本当にニーズ自体に気づいていないこともあります。顧客の言動や、これまでの営業経験から類推して顧客の要望をきちんと理解しなければなりません。
関係部署と内容をすり合わせる
顧客との窓口になるのは営業ですが、お客様に商品やサービスを提供するのには様々な部署が関わっています。注文を取って来たあとで、難しい仕様で提示した金額では実現できなかったり、納期が遅れたりするようだと、自分の会社にも取引先にも迷惑が掛かってしまいます。金額や納期、条件など他の部署との調整が必要な事は、きちんとすり合わせた上で提案を作成しましょう。
たくさんの成功事例を見る
SDS法もPREP法も抽象度が高いフレームワークなので、ただ知っているというだけでは使いこなせません。精度の高い提案をするためには、具体的な成功事例を見ることが一番です。成功事例を研究することによって、相手に理解してもらいやすい具体的な提案の構成や、自分の提案に欠けている部分を理解することができます。社内の成功事例を共有、収集できる体制を構築した方が良いでしょう。
担当者を味方につける
最後に重要なことが担当者を味方につけるということです。最初の方でも説明した通り、提案書はそれだけで一人歩きする可能性もありますし、要望をきちんと理解しないと良い提案はできません。そのために必要なのは相手の担当を味方につけることです。
例えば、現場の担当者は業務効率改善のために導入したいけれども、購買や設備課を説得しなければならないというケースが発生したとします。この場合にポイントになるのは、担当者を味方につけることです。
うまく担当者を味方につけて、相手の会社としてどのような提案が承認されやすいのかを知ることによって、提案の受け入れられやすさが変わります。
まとめ
以上のように本記事ではSDS法、PREP法とは何かということを中心に、営業活動における「提案」について説明してきました。本文中でも説明した通り、精度の高い提案を作るためには相手のことをきちんと理解する必要があります。ただし、社内にCRMシステムのようなインフラがきちんと整備されていなければ、取引先について営業担当全員が理解することは困難です。
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