『サイバーエージェントのグループ会社社長インタビュー連載企画』スタート!!
「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと
成長し続けるサイバーエージェント。
インターネット広告市場でトップを走り続け、
Amebaブログ
AbemaTVなど、
メディア事業でも注目を集めています。
そのグループ会社の社長の言葉には、
サイバーエージェントが成長し続ける秘密が隠されています。
そして!
本企画の最終インタビューでは、
サイバーエージェントの”スペシャルゲスト”の方に総括していただく予定です!
一体誰なのか!?乞うご期待!!
【第1弾】今回は、サイバーエージェントのグループ会社、株式会社LIVE STA.大岩社長に、「発散会議」を取り入れた、信頼ベースの組織マネジメントについてお聞きしてきました!
株式会社 LIVE STA.
代表取締役社長 大岩 裕和<経歴>
2011年CyberAgentに新卒入社。
Ameba事業本部にて、スマートフォン新規メディアの立ち上げに携わる。
同事業部にてスマートフォン向けAmebaプラットフォームの立ち上げや、SAPチームの責任者を経て、
2014年7月 株式会社クリップエイトを設立。
2015年8月 同社取締役に就任。
2016年10月 株式会社MOZZTOKYOの設立にともない、代表取締役社長に就任。
2017年11月 社名を株式会社LIVE STA.に変更し、ライブコマース事業へ参入。株式会社LIVE STA.Webサイト
https://www.cyberagent.co.jp/corporate/overview/livesta/株式会社LIVE STA. Youtube チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCnVlB7KGjbaTYZje-jwkkPw
LIVE STA.はどんな会社か
———LIVE STA.とはどんな会社なのでしょうか?
LIVE STA.は、ライブコマース事業を行っており、YouTubeで番組を作って商品を紹介し、販売しています。今後、AbemaTVでも番組の放送を予定しています。
商品のジャンルはビューティーに絞っており、特に韓国コスメに力を入れています。
韓国は美容大国なので、商品の種類も豊富で面白く、例えば、パックの種類一つをとっても、すごくバリエーションがあります。
その中でもただ韓国コスメを扱っているだけではなくて、
「まだ日本に入ってきていないもの」「韓国で評価されているもの」を選び、
「LIVE STA.だからこそ買えるもの」を提供しています。
私たちの会社は設立当初、動画広告の制作事業をしており、これまで培ってきた動画制作のノウハウを活かして、メディア事業に舵を切り2年目を迎えています。
「発散会議」とは?
———LIVE STA.で実施している発散会議とは、どういったものでしょうか?
週の頭、月曜日の午前中に90分、社員全員が参加する会議です。
「発散会議」の一番の特徴はアジェンダを固定していないことです。この会議で話す内容は、メンバーがそれぞれslack上に思いついた内容を書き出しておき、その内容をすべて話すようにしています。
事業の立ち上げ期は特に、様々なことを早く決断して進めて行く時期なので、
昨日決めたことが今日変わることもありますし、
どのように決まったのか、その経緯を共有しきれないこともあります。
すると、それらがモヤモヤとして積もってしまうことがあります。
しかし、モヤモヤしたままでは気持ちのよい実行はできないと思うんです。
ですので、社員一人ひとりが、気になっていることを自由に書き出して、それをアジェンダにして話し合うことにしました。
モヤモヤを会議で発散することにしたんです。
———発散会議のアジェンダはどのように募集しているのでしょう?
Slack(スラック)というツールを活用しています。
Slackに発散会議用の部屋を作っておいて、そこにメンバーが気になることを自由に書いていきます。
Slackに書かれたことはアジェンダとして一覧にし、全て発散会議で話し合います。
時間がない時には優先度の高いものから話していき、残りのアジェンダは次の週に持ち越します。
Slackは、メンバーのみんながふとした瞬間に思いついたことをメモする場にしています。
どんなに小さなことでも書きこんでOK。
書いた理由など、詳細については書かなくてもOK。
そうすることでみんなが思いついたことを、気軽に書ける状態を作ることが大切です。
———どのような形で会議を進めるのでしょうか?
できる限り隣の人との距離を縮め、
みんなで向き合って話しています。
最初は座席の形を広めの四角形で始めたのですが、
距離が遠かったのか盛り上がらず、発散しきれなかったので、少しずつ距離を縮めて形を変えていきました。
今ではこのような形で発散会議を行っています。
初回と比べると、話しやすい雰囲気になっています。
また、一人ひとりが必ず発言するわけではく、
誰かがあげたアジェンダをきっかけにして、話を発展させていくことも狙って進めていきます。
———発散会議に最適な人数は何人でしょうか?
弊社は、全社員12名で行っています。
この規模だからできる会議ではあると思いますが、30人で発散できるかといったら難しいかもしれません。
メンバーの人数が多い会社では、事業部単位でできるかもしれませんね。
———発散会議は、他の会議にプラスしてやる会議なのでしょうか?
いいえ、週1回やっていた全体定例を廃止して発散会議のみにしました。
社員全員で集まるのは、朝会と発散会議だけです。
今までやっていたような固定のアジェンダの会議はなくしています。
物事の進捗確認もしますがそれだけではないです。
メンバーが気になっていることに紐づけて会議を進めていきます。
全体の数字共有も大切ですが、
結局それが中心になると、アジェンダが固定化した定例会議に戻ってしまいますからね。
———発散会議をするときのポイントはなんでしょうか?
「流動的にする」ことで、「遊びを作っておく」のです。
発散会議は、アジェンダを固定しない時間が長い会議です。
みんなからアジェンダがたくさん出てくればいいですが、
導入し始めの頃は、アジェンダがあまり出ないこともありました。
急に「話したいことある?」と言われても思いつかない人が多いです。
そこで、誰かの挙げたアジェンダをきっかけにしながら、話を広げていきます。
「そういえば、それ、私も思ってた!」というように、
女子トークのような雰囲気で、笑いが起きたりするといいですよね。
あとは、週1の「定例会議」という名前ではなく、
「発散会議」という名前にすること自体にも意味があります。
「定例会議」ではなく
「発散会議」とするだけで、堅いイメージがなくなり、気軽に会話ができる印象になると思うんです。
ですので、この会議にかかわらずネーミングはとても大切に考えています。
突破口は「発散会議」による双方向コミュニケーション
———発散会議を取り入れようと思ったきっかけはなんですか?
実は、私が気付かないうちにメンバーの不安や迷いがたまってしまった時期がありました。
メンバーが組織に対して思っていることがあっても、それを言う場がありませんでしたし、私もそれに気付くことができなかったのです。
その時にとても反省して、自分が変わらなきゃいけないし、何か手を打たなきゃいけないと思って、この会議を取り入れました。
———組織の雰囲気は変わりましたか?
はい、少しずつ組織の雰囲気が変わってきました。
みんなで話す時間が増え、自然と横同士の会話も増えてきました。
また、これまで実施してきた発散会議から派生して、
会社の行動規範を考える会を実施することになり、
より会社の文化形成が深まってきています。
組織に対して
納得がいかないこと
よくわからないこと
モヤモヤしていることが少なくなると、
みんなが集中して仕事に取り組むことができます。
発散会議という「みんなに聞いてもらえる場」があることで、組織の雰囲気は変わっていきます。
また、状況を見ながら発散会議という形も変えていくかもしれません。
この仕組みがあるから大丈夫というわけではなくて、
常に、あの手この手を考えて、改善していくことが大切だと思います。
「信頼ベース」の組織マネジメント
———立ち上げ期の組織マネジメントで、一番問題になることはなんでしょう?
結果が出るまでに時間がかかることです。
結果が出ない状態でも、モチベーションをキープしていかなければなりません。
———どのようにモチベーションをキープしていくのでしょうか?
メンバー全員で細かい頻度で、
目指しているものや、目標を確認しあっていくことが大切です。
また、メンバーみんなが話す時間を増やすことです。
そのためにも、発散会議は重要な役割を果たしています。
———組織をマネジメントする上で大切なことは何でしょうか?
マネジメントの基本は「信頼関係」です。
色々と経験してきましたが、それにつきると思うんです。
私とメンバーとの関係も、
メンバー同士の関係も、
全て、信頼関係がベースです。
信頼関係を築いていくためには、
もちろん私が先頭に立って、一番きついことをやって結果を出すということも大事ですし、
自分の考えていることを常に言葉にして伝えることや、
メンバーと真摯に向き合って対話をしていくことが大切です。
経営者として強烈なリーダーシップはもちろん、それ以上に信頼関係が大切です。
いくら強烈なリーダーシップがあったとしても、
信頼されてなければメンバーのみんなは付いてこないです。
私も頭では分かっているつもりでした。
しかし、実際に「信頼関係」をベースに組織をマネジメントすることはとても難しいです。
メンバーから不満や鬱憤が出た時は、もちろん辛かったですが、
前向きな要素も感じることができました。
「自分の組織に対して、事業に対して言いたいことがある。」
と思ってくれている時点で、すごく前向きだと思ったんです。
メンバーからの不安や迷いは、組織や事業に対する思いの大きさを示すサインでもあるんです。
今までは、気付かぬうちにそのことに蓋をしてしまっていました。
でも、組織や事業に対して「もっとこうした方がいい」と思ってくれているということは、
実はすごくありがたいことなんだと気付きました。
自分の組織や事業に対して熱い思いを持ってくれている、LIVE STA.のメンバーを誇りに思います。
今では、自分で抱えすぎないで、メンバーのみんなをもっと巻き込んで、
共に組織を作っていこうという意識を強くもっています。
それは、LIVE STA.のメンバーが教えてくれた大切な贈り物です。
———大岩社長、貴重なお話ありがとうございました!
本記事の作成者:黒田訓英
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