リーンスタートアップとは
起業というと一昔前では限られた人だけが多大なリスクをとって行うものというイメージでしたが、最近は、日本においても起業に対する捉え方も変わり、起業を志す人も増加傾向になることから起業がより身近がものに変化しつつあります。
こういった背景もあり、スタートアップや、ベンチャーといった言葉を聞く機会も増えてきています。そんな中で、触れる機会が増えている言葉に「リーンスタートアップ」があります。
リーンスタートアップとは、「リーン」と「スタートアップ」が組み合わさった言葉であり、スタートアップの1つの形態ということになります。
まず、スタートアップとは新しいビジネスモデルにより、市場開拓を行っており急成長をしている、もしくは目指している企業や事業のことです。
革新的なビジネスアイデアにより急速に新しい大きな市場を作るような企業・事業のモデルのことです。よくベンチャーと混同されるのですが、ベンチャーは創業間もない企業・事業のことを指すものであり、今後の成長を目指す点は共通します。
しかし、ベンチャーと比べてスタートアップの方が、よりスピード感ある成長、そしてより大きな収益化目標をもっており、成長スピードの速さや目指すべきゴールの規模という点で、スタートアップとは異なるものになります。
次にリーンについてです。リーンとは、やせ型・脂の少ないという意味で、余計なものがない、非常に洗練されているイメージの言葉です。ビジネスの場面では、無駄がない状態、より生産効率・収益性が高い状態を指す言葉となります。
生産効率・収益性が高い状態とは、問題点を常に確認し、対応するための解決策をタイムリーに検討・改善することを通じて、無駄を徹底的に排除している状態のことであり、生産現場での改善、販売活動における効率化などが継続的に実施されている高付加価値な状態を指します。
リーンスタートアップとは、この二つの言葉が組み合わさった言葉であり、大きな市場を急成長させる可能性あるビジネスの開発を、継続的な問題点の識別・改善を通じて無駄を排除し、より生産性・収益性の高い形で実行する企業・事業ということになります。
思考錯誤をしながら、ビジネスを成長させる点はベンチャーと同じですが、リーンスタートアップは闇雲に検討するのではなく、仮説立案、実行、検証、意思決定という、いわゆるPDCAサイクルをより徹底して実行し続ける企業・事業ということになります。
PDCAサイクルの徹底により、収益化に繋がらない要素(時間・資金・人・思い)の検討を極力減らすことが可能となり、最短距離で成功に向けて進むことが可能になるのです。
なぜ今リーンスタートアップが注目されるのか
では、なぜリーンスタートアップが注目されているのでしょうか。
現在、ビジネス環境はAIやRPAなどIT技術の発展、グローバル化の拡大など様々な要因で変化のスピードが非常に速くなっています。こういった環境において、ビジネスアイデアを開発し、発展させるためには、ビジネスの成長スピードもより速くする必要があります。
従来は環境変化のスピードが現在ほど速くはなかったこともあり、ビジネスの立ち上げにおいては、既存の環境で多くのアイデアを試してみること、つまり試行錯誤が重要な要素でした。また、ビジネス立ち上げ自体が、個人の力量に依存した属人的なものであったという背景もありました。属人的であるために、試行錯誤せざるを得ない状況にあったとも言えます。
しかし、現在においては環境変化のスピードが速く、ビジネスの開発中においても環境が変わるため、試行錯誤の繰り返すことでは、環境変化のスピードに追い付かない状況が出てきています。
そして、属人的な対応では、この変化スピードに対応することは難しく、ビジネスの立ち上げについても、よりシステマティックな手法で対応する必要が出てきています。企業・事業のゴールを達成するために、環境変化への対応も考慮しながら、課題を把握・検討・解決し進んでいくことが非常に重要なポイントとなっているのです。
そこで、今、リーンスタートアップが注目されています。リーンスタートアップは、場当たり的な試行錯誤ではなく、小さな仮説検証を積み重ねる形のビジネス開発であることから、環境変化の状況も織り込みながら、スピード感を持って成功に向けた道筋を見つけていくことが可能となります。
特にリーンスタートアップでは、仮説検証の過程において、顧客の反応を見ながらのビジネス開発を重視するため、より収益化に繋がりやすいと言われています。
リーンスタートアップを進める上での留意点
リーンスタートアップは、仮説検証を積み重ねて、最短距離での成功を目指す企業・事業ですが、これを進める上では以下の点に留意する必要があります。
検証方法
リーンスタートアップは、最短距離での成功を目指すものですが、これはショートカットを行うということではなく、急がば回れというより確実な進み方です。そのため、個々の仮説立案、検証のプロセスにおいてどれだけ質の高い、多くの気付きを得られるのかが非常に重要になります。
常に最終ゴールを想定しながら、問題の有無、問題に対する解決策の有効性、顧客からの需要(市場の有無・成長性)を検証していくことが必要になります。そのためには、仮説の立案における十分な検討が大きなポイントです。
また、リーンスタートアップは急成長を目指すものであるため、この検証をできるだけ短期間に数多く実行していく必要があります。短期間でどれだけ多くの気付きを得るために、検証についてもできるだけ無駄を省くための努力が必要になります。
検証の順序
もう一つ重要なポイントが、検証の順序です。より効率的にビジネスを成功させるためには、検証の順序についても十分な検討が必要です。ポイントは、リスクが大きい順番に検証を進めることです。最終的なゴールは大きな収益機会の獲得であるため、そのための検証が必要になります。
顧客が持っている課題は何なのかを徹底的に検討するうえで、潜在的なニーズがある市場を特定していくことが最も重要なポイントと言われています。顧客が認識する課題を洗い出してから、初めて解決策・サービス、市場へのアプローチ方法を検討することが可能になります。需要がないにも関わらず、解決策やサービス提供だけを検討するというような検証の順序誤りは、無駄な時間と労力を発生させます。
リーンスタートアップの具体例
リーンスタートアップの具体的な事例としては、Instgramが有名です。Instgramは2010年以降、急速なスピードでユーザー数を増やしたスタートアップです。
現在は世界で10億人を超えるユーザーがいると言われています。もともとは位置情報のアプリとしてのサービス提供をしていましたが、顧客の需要という点からPDCAサイクルを短期間で実行して、写真共有機能の人気の高さを発見し、写真投稿に機能を特化したアプリとして完成させました。
その後も継続的なアイデアの構築・検証・学習を進め機能追加をすることで、世界中に多くのユーザーを持つアプリへと成長しています。
(参考)socialmedialab
まとめ
リーンスタートアップでは、急成長を目指すために、どれだけ効率的に短期間に仮説検証を繰り返すことができるかが、重要なポイントになります。そして、仮説検証をより意義あるものにするために重要になるのがタイムリーな情報把握です。
この点、ALL-INはタイムリーにビジネスの全ての要素をサポートするシステムであり、適時に企業が置かれている状況を確認することができます。タイムリーな情報把握を通じて、環境変化、現状の課題の理解を進めることができ、リーンスタートアップでのより効率的な仮説検証に役立てることが可能となります。
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