経営者にとって最も重要な仕事の1つが資金調達です。資金調達は企業がどのステージに到達しても経営者の頭を悩ませますし、いかに資金を調達するかは経営者の腕の見せ所です。本記事では、資金調達方法を5つに分類しそれぞれの特徴と、資金調達がしやすい企業とはどのような企業なのかについて説明します。
資金調達がなぜ重要か
まずは、資金調達の重要性について説明します。資金調達の重要性は、経営者個人としての重要性と事業としての重要性の2つがあります。
経営者個人としての重要性
まず、重要なのが経営者個人としての資金調達です。会社は赤字でも債務超過でも倒産しませんが、運転資金が無くなってしまったときは倒産してしまいます。よって、経営者にとって資金繰りは大きなストレスになります。
つまり、資金調達が出来ず、会社の運転資金がどんどん減少している場合、経営者には大きなプレッシャーがのしかかります。このプレッシャーは単に精神的につらいというだけではなく、経営の仕方も消極的になり、守りの経営を行いがちになります。その結果、掴むべきチャンスが掴め無くなったり、事業意欲が低下してしまったりします。
もちろん、このような経営姿勢は会社を成長させるためには良いことではありません。社長で会社の業績が決まると言われているように、社長のメンタルとそこから派生する経営スタンスは事業の成否を決めるうえで非常に重要な要素です。
事業としての重要性
次に、事業として資金調達を行うことの重要性についてです。例えば、製造業の場合は、現状の売上に満足すると衰退がはじまります。研究開発や新設備を導入して積極的に競合との差別化を行わなければ競合優位性を保つことができず、長期的には事業が衰退してしまいます。
多額の利益が出ている場合は、利益を研究開発や設備投資に回せば良いのですが、創業ステージ、成長ステージの企業は利益だけでは賄えないため、資金調達によってその費用を賄うのが一般的です。
経営者が抑えておくべき5つの資金調達方法
以上のように資金調達は企業にとって重要ですが、企業の資金調達方法として、銀行からの融資やビジネスローン以外の方法を挙げられる経営者は意外と少ないです。ここからは銀行融資も含めて経営者が知っておくべき5つの資金調達方法について説明します。
融資を受ける
まず代表的な資金調達方法が融資を受けることです。銀行融資だけではなくビジネスローンも融資の一種です。また広い意味では経営者の親族などから個人的にお金を借りることも融資に入ります。
銀行と一口に言ってもメガバンク、地方銀行、信用金庫があり、事業規模によって付き合える銀行が限定されます。また、これとは別に日本政策金融公庫のような政府系金融機関の融資サービスもあります。融資の方法についても、いきなりプロパー融資を受けられるということはまれで、信用保証協会付の融資から徐々に実績と信用力をつけてプロパー融資を受ける必要があります。
特に中小企業の場合は、社長が個人で連帯保証しなければならないケースも多いので借りすぎには十分に注意してください。
投資を受ける
また、投資を受ける方法もあります。いわゆるベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達です。「融資」と「投資」の違いですが、融資は決算書の貸借対照表の負債の部に分類されて、利子をつけて返済する必要があります。一方で投資は貸借対照表上の資本の部に分類されて返済する必要はありませんが、出資者に会社の株式を渡す必要があります。
ベンチャー企業のように成功するかはわからないけれども、成功すれば大きなビジネスになる、他の資金調達ではできないような巨額な資金を調達して一気にビジネスを成長させたいという場合に向いている資金調達方法です。
ただし、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家も投資するビジネスを絞っているため、他の資金調達よりもハードルが高い方法です。
また、会社の株式を渡す事になるので当然会社の経営にも投資家による制約が課される場合もあります。
資産を売却する
続いて紹介するのが資産を売却する方法です。不動産や有価証券がある場合は、それを元手に融資を受けることもできますし、売却して資金調達することも可能です。
特に事業の場合は手形や売掛債権を売却できます。手形を売却することを手形割引、売掛債権を売却することをファクタリングと呼びます。
特に利用しやすいのがファクタリングで、ファクタリングは売掛金さえあれば、それを売却して最短で即日での資金調達が可能です。ただし、手数料が高く、その後の資金繰りが悪化する可能性が高いため使いどころが難しい方法です。
クラウドファンディング
近年注目を集めている新しい資金調達方法がクラウドファンディングです。ただし、クラウドファンディングは色々な種類があります。ソーシャルレンディングと呼ばれる融資をインターネットで集めるサービス、資本をクラウドによって集めるサービス、事業投資を集めるサービスなどがあります。
ただし、クラウドファンディングという言葉は、ほぼ購入型クラウドファンディングのことを指しており、「クラウドファンディング=購入型クラウドファンディング」という認識が一般的です。
購入型クラウドファンディングはお金を貰う代わりに何らかの返礼品を返すクラウドファンディングです。資金調達をするというよりも、商品やサービスの予約注文を受けているという方が実態としては正しいでしょう。
他の会社にはない魅力的な商品を開発しようとしている会社に向いている方法です。
補助金・助成金
最後に紹介するのが補助金・助成金です。政府や地方自治体が企業に対して特定の事業や施策を行うのに合わせて交付するお金のことを指します。他の資金調達方法と異なり、事業や施策に対して支出し、報告してから受け取ることができるお金なので、先に必要な資金を何らかの方法で用意する必要があるので注意が必要です。
補助金・助成金は企業経営の強い味方にもなりますが、これらに依存する経営体質になってしまうと事業がなかなか成長せず、打ち切られたときに会社の経営が傾くリスクもあるため適度な使用に留めた方がよいでしょう。
資金調達がしやすい企業とは
以上のように資金調達の方法を5つにわけて説明しましたが、いずれにしても資金調達がしやすい企業になるためには、経営状況を経営者がきちんと把握する必要があります。
例えば、融資を受ける場合は会社の決算書などをもとに会社の経営状況を金融機関に報告する必要があります。会社の財政状況についてきちんと把握できていない経営者の会社に融資する金融機関は無いでしょう。
投資を受ける場合も同様です。事業としてどの位の成長可能性があるのか、どの位の実績があるのかをきちんと説明できない、経営者の会社に投資家は投資しません。
つまり、資金調達をするためにはただ会計ソフトを使って財務状況を記帳しているというだけではなく、経営者が重要な経営指標を含めて経営状況についてタイムリーに知っている必要があるのです。
ALL-INは資金調達を円滑にするために、会計だけではなく営業や集客などを含めたすべての管理システムをオールインパッケージにしています。そのため、経営者がタイムリーかつグラフィカルに会社の経営状況を把握できるようなシステムになっています。
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