CRMシステムは、顧客管理とその分析に用いられるテクノロジーで、顧客との関係の改善、長期化を図ることによって売上の成長を促すものです。
ただCRMシステムを導入したからといって、必ずしも顧客管理が円滑に進み、期待したような結果が得られるとは限りません。この記事ではCRM導入に失敗している会社の特徴と失敗する原因を分析することによって、あなたの会社でCRMシステムの導入と利用のリスクを軽減します。
失敗に学び、成功を引き寄せよう
世の中には多くの失敗や成功が潜んでいます。どれだけ対策をしていても失敗は起こり得るもの。それでは数多の偉人たちはどのようにして成功を引き寄せてきたのか?
私たちが成功を引き寄せる唯一の方法は失敗から学ぶことです。失敗すればするほど成功への近道となります。何か計画を立てた際には速やかに実行し、失敗を分析して次へと繋げましょう。
感情が先走ってしまい落ち込んでいるうちに成功のチャンスを逃してしまいます。CRM導入も同じく、まず現状の課題を分析してシステムを導入、CRM導入後の課題に対して適切なアプローチを行うことが重要です。
CRM導入前の課題
CRM導入前にどんな課題があるのか?ここで確認しておきましょう。計画なしにCRMを導入した場合、導入後にトラブルを起こしやすくなります。導入前の課題と対策を知っておけば問題なく導入できます。
顧客戦略を練る前に、CRMシステムを導入している
CRMのソフトウェアを活用するにはまず顧客戦略が必要です。どのような顧客と関係を築き、どのような顧客とは関係を築きたくないのかを明確化しましょう。顧客によってニーズや、あなたの会社に与える価値が大きく異なるため、それらを吟味してどの顧客があなたの会社と適合性があるのかを精査すべきです。
あなたの顧客基盤は関係をより深化させたい最も利益が出るタイプから、あまりビジネスとしての旨味がなく、できれば関係を解消したいタイプまで分類される必要があります。顧客リストの分類は適切な対応を「見える化」してくれます。例えば、利益の出る関係には投資をして、利益率の低い顧客に対するコストを最小限にとどめることなどです。
しかし多くの経営者がCRMのテクノロジーを導入すれば、マーケティング戦略そのものを導入していると勘違いしてしまいます。そのため、CRM販売会社の話に合わせて戦略を決めたり、CRMソフトウェアの機能に合わせた戦略を作ろうとしてしまい悪い結果を生むことになります。
●対策
- 顧客のロイヤルティーを向上させるには、自社が提供する価値はどのように変わるべきか?
- 顧客からの要望(カスタマイズ)はどれだけ受けるのが、自社の戦略に適切で利益が出るか?
- 顧客のロイヤルティーを上げることによって、どれだけ潜在的な利益があるか?そして、それが顧客の層によってどれだけ変わるか?
- 現在、自社がどれくらいCRMに時間とお金をかけられるのか?
まず、CRMシステムを導入する前に、上記の4つの項目の明確にしましょう。CRM導入前の自己分析はもっとも重要です。現状を把握し未来へと繋げることが成功への近道といえます。
ユーザー(社員)の理解が足りない
導入前から導入後までの過程に、ユーザーが積極的に参加することは、CRMソフトウェアを有効に使うのに不可欠です。導入後のユーザーのソフトウェアへの適応を円滑にするには、どんなソフトウェアインターフェイスが理想的かなどの、社員の要望を聞き、システムを選択する過程に社員を巻き込むことが最も効果的です。
もしも、CRM導入の計画をすでに進めていても、社員からのユーザーとしてのフィードバックには真摯に耳を傾けましょう。Forresterの調査によると、ユーザーの適応不足がCRMシステム導入失敗の原因の38%を占めているようです。(CRM Success Requires Focus On People, Not Only Technology)
●対策
すでに調査によりCRM導入後の原因が明確にされています。まずは導入における責任者を含めたグループを作り試験的にCRMを導入しましょう。そこで出たフィードバックを軸に徐々にユーザー数(社員)を増やしていくことが重要です。
CRM導入後に必ず売上が上がると思っている
CRMの導入を検討している方の多くが導入さえすれば売上が上がると思っています。実際にCRMを導入してすぐに売上が上がることは少ないです。
CRMの導入は売上を上げる目的ではなく手段と捉えてください。システム任せに導入して売上が上がるなら、おそらく全ての企業で同じシステムが導入されていることでしょう。大切なのはCRMをどのように利用するか?
この観点が抜けている場合、どんなシステムを導入しても売上を上げることは難しいです。
●対策
CRM導入後にシステムを適切に運用すれば売上が上がります。そのためには徹底した自社分析が重要です。自社戦略に向けてどれだけCRM導入による効果があるのか?導入コストに見合った売上が回収できているか常に把握してシステムを運用しましょう。
CRM導入後の課題
CRMは導入して終わりというわけではありません。導入後にどんなトラブルがあるのか把握しておくことで適切な対処ができます。ここでCRM導入後に起こりやすいトラブルを把握しておきましょう。
費用対効果が見えないため焦ってしまう
CRMを導入して数ヶ月。導入コストに対して費用対効果が見えないという悩みは多いです。CRMがただのデータベースと化している場合、費用対効果が見えないため焦ってしまいます。
CRM導入後に計画を立てず運用しているとコストだけがかかってしまい目的を見失います。正しい施策が運用されていれば、自ずと効果が出てくるので費用対効果が薄い場合は施策を考え直す必要があるでしょう。
●対策
CRM導入後に費用対効果が薄い場合は焦らずに対処しましょう。まず施策を見直して早期に実現可能なものか確認します。その上で時間がかかるようなら様子見。早期に実現する施策なら見直しをしてください。
導入後に全く成果が上がらない場合は運用面の問題が考えられます。CRMを目的としてではなく手段として運用して費用対効果を上げましょう。
データが不正確
CRM導入後によく見られる問題が、それまで蓄積されたデータの不正確さです。データが複製されていたり、不完全であったりすると、CRMソフトウェアを導入しても正しい答えは得られません。
また、社員がCRMシステムにあるデータを信用しなければ使う意味もありませんし、ユーザーがさらに正確性を意識せずにデータを打ち込んでしまうという負の連鎖に陥ります。
精査されていないデータは、誤った収益予測を出したり、誤った戦略の決定につながります。正確なデータをデータベースに蓄積するには、ユーザーによる意識が欠かせません。ユーザーが正確なデータを入力しやすくなるように、対策を実践しましょう。
●対策
- 必要となるウィンドウやクリックの数を制限して、データ入力のプロセスを簡略化する。
- 自動で入力できるデータ入力を自動にする。
- 必要なデータの領域をはっきりと決める。
- データが正確に入力されているかを他のユーザーと相互に確認する。
- ユーザーに合わせて必要な領域だけが表示されるようにする。
導入する前に上記の5つの項目の明確にしましょう。不確実なデータは用いてしまうとCRMを導入するメリットがなくなってしまいます。導入後のデータに不透明な部分がないように各部署一丸となって信用できるデータを利用しましょう。
IT部門に任せきりになっている/IT部門に発言権が無い
CRMシステムはITでありながら、顧客管理に直結するソフトウェアです。そのため、IT部門に完全に導入を任せるのは不完全な人材の配置といえます。しかしながら、顧客管理に関わることだからといって、IT部門の社員を導入のプロセスから除外するのも間違っています。なぜならCRMシステムはテクノロジーであるため、IT部門の社員がより会社に合うソフトウェアを見つけ出すことも大いに有り得るからです。
●対策
顧客と携わるすべての部門とIT部門が連携してCRMシステムを導入することによって、顧客戦略を基準にソフトウェアを選び導入しながら、その後のカスタマイズやアップグレードなどがIT部門の助けによりスムーズに運びます。
課題を回避するために
CRM導入前後の課題を回避するなら会社に適切で幅広い分野に通づるシステムの導入が不可欠です。CRMの範囲だけでなく会社全体をカバーするようなシステムが導入できればこうした課題を回避できます。そこでおすすめしたいのが弊社が提供するALL-INというシステムです。
ALL-INならCRMが持つ課題を解決できる
出典:https://web.all-in.xyz/
ALL-INはCRMを含めた幅広い要素をカバーするクラウド経営システムです。150社以上の導入実績を誇り、日々経営をアップグレードしています。
基本的にALL-INはコックピットを含めた10のシステムを提供。顧客管理、営業支援、集客ツール、グループウェア、人事/給与、会計/財務など幅広いシステムを用意しています。
クラウド経営システムなので数多くの端末からアクセス可能。コックピットと呼ばれるホーム画面には見たい要素のデータを配置できます。
利用しやすいデザインとインターフェースによってどんな人でも運用できるようになっているのは嬉しい点。CRM導入の課題である正確なデータの欠如や、ユーザーごとの使いづらさといった課題を解決してくれます。
CRM導入に悩んでいる方はこれを機会により総合的にカバーできるクラウド経営システムの導入をおすすめします。不透明な経営を”見える化”したいならぜクラウド経営システムを導入してください。
まとめ
CRMは顧客管理をデータに基づいた、より合理的な戦略によって行うことを可能にします。しかしながら、オンラインでよく見られるCRM導入の失敗例や、失敗率を目にすると、メリットを知っていても導入に踏み出せない経営者の方も多いと思います。
この記事でご紹介した、CRM導入に失敗する理由を参考にリスクを軽減すれば、導入後の苦労はほとんど解消され、最大限にCRMを活用して顧客戦略を構築し、実践することができるでしょう。
弊社が開発・提供する、「ALL-IN」は中小企業に特化した”トータル業務マネジメントシステム”です。「ALL-IN」には、ERPシステムはもちろん含まれており、その他にもSFA(営業支援)システム、CRM(顧客管理)システム、BIツール、タスク管理機能など、中小企業の経営に必要な業務システムが全て一つに詰まっております。
「ALL-IN」を導入することで、その他の業務システムを検討する手間もコストも必要無くなります。また、これまでバラバラなシステムを使っていたことによる、入力の2度手間などの非効率な業務フローが、「ALL-IN」ではスッキリと効率化されます。
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