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『サイバーエージェント流!経営のポイント』【第21弾】CA Wise堂前社長が考える 当事者意識をもった「”ホンモノ志向“のメンバーを育てる方法」とは?

『サイバーエージェントのグループ会社社長インタビュー連載企画』
【第21弾】
今回は、サイバーエージェントのグループ会社、株式会社CA Wise 堂前社長に、「当事者意識をもった“ホンモノ志向”のメンバーを育てる方法」と「 “かるちゃ”で組織文化(カルチャー)を浸透させる方法」についてお聞きしてきました!

株式会社CA Wise 代表取締役社長   堂前 紀郎

<経歴>
2003年 サイバーエージェント新卒入社。広告代理事業営業職を経て、新規事業としてメディア事業(比較サイト)の立ち上げを行う。その後、子会社経験を経て再びCA本体広告代理事業内で事業開発を担当。
2010年に担当事業をスピンアウトさせる形で株式会社CAリワードを創業、代表取締役社長に就任。
2018年 株式会社CA Wiseに称号変更。現在は子会社代表の他、他子会社の取締役および株式会社サイバーエージェント アドテク本部アドテク部門 本部長を兼任

<企業情報>
株式会社CA Wise
https://www.ca-wise.co.jp/

CA Wiseはどんな会社か

———CA Wiseとはどのような会社でしょうか?

CA Wiseは、インターネットとテクノロジーを活用して、世の問題の根本的な解決に向き合う会社です。

「楽しさに、役立つ広告を創る」ことをビジョンに掲げ、広告代理事業を柱としています。

インターネット広告のマーケットが拡大し続ける今、テクノロジーを活かして世の中に貢献できることはなにか、意義とはなにかを常に考え、時代とともに成長していきます。

当事者意識を持った”ホンモノ志向”のメンバーを育てる方法とは?

———組織の目標を達成するために大切なことは何でしょうか?

一番重要なことは、組織の目標となっているキーフレーズを、組織の中にカルチャーとして浸透させることです。

例えば、
CA Wiseでいうと「ホンモノ志向」という言葉です。
「ホンモノ志向」というキーフレーズをカルチャーとして浸透させることが、「ホンモノ志向」を持つメンバーを育てるために1番大切なことです。

まずは、組織としての軸を明確にして、軸にそったキーフレーズを定めることが前提ですが、
キーフレーズが定まっていたとしても、日常でそれを感じることがなければ、いくら座学をしたり、研修をしても、カルチャーとして浸透するわけがありません。

また、「カルチャーとして浸透させる」ことは本当に大変で、
私の経験上、1つのカルチャーを浸透させるのに3年程はかかります。


———組織のキーフレーズを
カルチャーとして浸透させるためのポイントはありますか?

「日常で、キーフレーズを意識できる環境をつくる」ことと、
「代表者の『気合』と『執念』」です。

例えば、
ワンメッセージをカルチャーとして浸透させるために、
週次の朝会があったり、月1の全社で集まる会議体があったり、数カ月に一回の全体の飲み会などをどのように活用するか。

そこでカルチャーを浸透させるために何をやるか、どういうメッセージを出すかを、必ず代表である私が入って、膨大な時間をかけて考えています。

週次の朝会の内容を決めるだけで、毎週2時間は必ず私が入っていましたし、クォーターに一回のイベント事になると前準備から入れて、最低でも10数時間割いてカルチャーを浸透させるための戦略を考えています。

また、そこで上がってきた企画内容やアウトプットのクオリティー、表現へのこだわりなど、そのディテール一つ一つがカルチャーの浸透につながります。

組織としてのキーフレーズをカルチャーとして浸透させるために、代表が強い思いを持ってコミットできるかどうかが非常に重要です。

まずは、カルチャーについて代表が1番考えること。
そうしていうくちに、そこになじんでくる社員や、一緒に考えてくれる社員が増えていくので、スケールの大きいことがどんどんやりやすくなっていきます。
それも、3年くらいかかるという覚悟をもって、徹底して取り組むことです。

「かるちゃ」で、組織文化(カルチャー)を浸透させる方法

———キーフレーズをカルチャーとして浸透させるために実施していることはありますか?

カルチャーを浸透させるためには、言語化することも大切です。

例えば、
CA Wiseでは、「かるちゃ」という名前のカルタを作っています。

 

———「かるちゃ」とは、どういったものでしょうか?

「かるちゃ」は、私たちが大切にしたい価値観、目指すべき価値観を言葉にした、独自のカルタです

「カルチャー」×「かるた」=「かるちゃ」です。

 

———「かるちゃ」は、どういう時に活用するのでしょうか?

大きく、2つの活用法があります。

1つは、普通のカルタのように使うという活用法です。
イベント事の時に「かるちゃ」大会を開催しています。

普通のカルタのように、読み上げて絵札を取ることもしますが、
弊社では、決勝戦は「ジェスチャーだけでカルタを取ろう」という試みも実施しました。
つまり、言葉が浸透している前提で、ジェスチャーだけで自社の価値観が仲間に伝わるかということです。

前回の大会では、ジェスチャーだけでもスムーズに“かるちゃ”を取れていたので、組織に言葉が浸透しているのだと思いました。
このように、活用の仕方を変えることで、カルチャーの浸透度合いも確認することができます。

もう1つは、
オンライン上の社内ツールで、日常的に「他のメンバーの良かったところ」を「かるちゃ」の言葉に関連して伝えるという活用法です。

カルタの「は」に関するもので「〇〇さんのここが良かった」というように伝えます。(「Unipos」というツールを用いて、Twitterのようにハッシュタグを付けています。)

みんなで自分のポイントを渡し合うシステムになっているので、自分のポイントが貯まってくると、お弁当に交換することもできます。

全てがカルチャーに紐づいています。
カルチャーを浸透させていくときには、そうやって、様々なものにカルチャーを紐づけて、徹底的に一貫させることが大切です。

 

———「かるちゃ」の言葉はどのように決めるのでしょうか?

社員のみんなから募集した言葉を基盤として、私自身も言葉選びに加わって決めました。

社員のみんなから募集をしたところ、230案も出てきましたので、
似たような意見をまとめたり、より組織に浸透するような言葉に変えたりと、吟味し、最終的に46枚にまとめました。

カルタが良いかどうかはさておき、それぐらい言葉を浸透させることに対して、力を入れて、日ごろ使うものや日常に結び付けることで、初めてカルチャーとして浸透していきます。

カルチャーを創るタイミングとは?

———カルチャーを創るタイミングはいつがいいのでしょうか?

私もそうでしたが、創業来、ある程度の業績が出るまではカルチャーよりも、まずは業績拡大に結び付くところに力を入れ、事業として成り立たせることが何よりも重要だと思います。

しかし、業績だけを追っていると、どこかで伸び悩むタイミングが来ます
すると、人を増やしていくタイミング、採用を強化していくタイミング、広報を強化していくタイミングが訪れ、「引っ張り切れないな」とか、「人が育たないな」と感じる時がきます。

そこで重要になってくるのが、カルチャーです。

サイバーエージェント自体も、私が入った時はまだ明確なカルチャーはなく、
2004年に「maxims(マキシムズ)」というものができ、3年くらいかけてカルチャーを浸透させて、今のようなしっかりとしたカルチャーのある会社になりました。

弊社も、5年程は、カルチャーの浸透を強く意識はしていませんでした。

最初は、それでもいいと思いますが、
やはり、大きなことを成し遂げたり、人を育てたり採用したり拡大したりするタイミングでは、カルチャーが必ず必要になってきます。

ぜひ、カルチャーを明文化して組織に浸透させ、“経営をアップグレード”してもらえればと思います。

「会社を創ること」と「業績をつくること」は別 

———「経営をアップグレードしよう!」の読者にメッセージをお願いします。

どの会社も、「業績つくること」には目を向けていると思いますが、
「会社を創ること」と「業績をつくること」は、大きく別のことだと思った方がいいです。

ですから、
「会社を創ること」に対する評価と、「業績をつくること」に対する評価は、しっかり別で評価するべきです。

例えば、
営業の達成率が低く、営業としては伸び悩んでいた人がいたとしても、
その人が会社を創る、カルチャーをつくるということや、人を巻き込んでいたり、周りを褒めてモチベーションを上げていたり、活性化するなどに著しくパフォーマンスを発揮していたとしたら、
それは、業績達成率の高い人と同等レベルとして評価をすべきだと思っています。

ただ日常の営業成績がちょっと物足りないから、「お前は駄目だ!」と決めつけている人もいるかもしれませんが、業績とは別で、組織創りに貢献している人もしっかりと評価することが大切です。

もちろん、創業時は、そんなことを言っている場合ではないので、パフォーマンス優先でいいかもしれません。
しかし、会社を大きくしようと思った時には、パフォーマンスしか考えられない人の集団では成長は難しい。

会社の成長の段階に合わせて、必要な人材も変わってくるということです。
必要な人材を見極め、しっかりと評価して成長させていきたいものです。

———堂前社長、貴重なお話ありがとうございました!

本記事の作成者:黒田訓英

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