はじめに
常日頃、よく「イノベーション」という言葉を耳にすると思います。もううんざりだという方もいれば、イノベーションを起こしたいと思っている方もいらっしゃると思います。
そこで今回はビジネスモデルキャンバスを用いて、自社がどうやって価値を生み出し、顧客に届けているのかを示す、いわゆる自社の“ビジネスモデル”を知ったうえでどの構成要素でイノベーションを起こすのかをみなさんに考えていただくきっかけになればと思っています。全3回で記事を連載していきます。今回はその2回目です。
また、イノベーション関連でブルー・オーシャン戦略についての記事も掲載していますので、下のリンクからぜひご覧ください。
前回の復習
前編の記事では、主にビジネスモデルキャンバスがどういうものであるかを解説していきました。詳しくは下のリンクからご覧ください。
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを「見える化」し、イノベーションするために用いるものです。顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れを前回ご紹介し、これらのブロックについて
顧客セグメント=「誰のために価値を創造するのか?」、
価値提案=「顧客にどんな価値を提供するのか?」、
チャネル=「どのチャネルを通じて、顧客セグメントにリーチしたいか」、
顧客との関係=「顧客セグメントがどんな関係を構築、維持してほしいと期待しているのか」、
収益の流れ=「顧客はどんな価値にお金を払おうとするのか」
について考えるという話をしました。今回の記事はその続きです。
9つの構成ブロック
⑥リソース
このブロックは自社のビジネスモデルを実行するために必要な資産を表します。リソースがなければ、そもそも収益を上げることすらできません。物理的なリソースだけではなく、人的リソースや長年培ってきた知識から成る知的リソースなどもリソースに含まれます。
コンビニの例で言えば、POSシステムがリソースに当たります。
このブロックで考えることは「価値を提案するのに必要なリソースは何か」です。
⑦主要活動
このブロックは企業が経営を成功させるために行わなければならない重要な活動をさします。自社が行っていることに必要なことが当てはまります。リソース同様、主要活動ができなければ、そもそも収益を上げることができません。
コンビニの例で言えば、一日に3回配送してコンビニ運営を成り立たせていくことが主要活動だと言えます。
このブロックで考えることは「価値を提案するのに必要な主要活動は何か」です。
⑧パートナー
このブロックは企業がさまざまな理由で構築しているパートナーシップを表しています。コスト削減のためにアウトソーシングをパートナーに依頼したり、リスクを軽減してもらったり、リソースを獲得したりとさまざまなパートナーシップがあります。
コンビニの例で言えば、筆頭株主となっている商社は良きパートナーですね。
このブロックで考えることは「主要なパートナー、サプライヤーは誰か」です。
⑨コスト構造
このブロックは経営のもとで発生する、利益を生み出すのに必要なすべてのコストです。その中でもとくに重要なコストが当てはまります。どのリソースにお金がかかっているか、どの主要活動にお金がかかっているかと考えます。
コンビニの例で言えば、商品原価、物流コストがこれに当てはまります。
このブロックで考えることは「ビジネスモデルにおいて特有の最も重要なコストは何か」です。
ビジネスモデルキャンバスまとめ
これで、9つすべての構成ブロックの解説が終わりました。ここで、完成したビジネスモデルキャンバスを見てみましょう。
<翔泳社『ビジネスモデル・ジェネレーション』を基に筆者作成>
これでコンビニのビジネスモデルが「見える化」しました。ブロックをつなげて、考えてみてください。全体でみる時の考え方としては、顧客セグメント、価値提案、パートナーが主軸で、間にある4つのブロックは主軸を結ぶ架け橋と例えると分かりやすいかと思います。そして最終的には表の左側のブロックがコスト構造に、右側のブロックが収益の流れにつながっていくと考えると分かりやすいかと思います。(これは簡素化した一例なので、複数の要素があったり、まだまだ充実させることができたりすると思います。)最後に、ビジネスモデルキャンバスは一度書いたらおわりではありません。9つのブロックの中で新しい要素が増えるかも知れませんし、何か新しい関係が生まれているかも知れません。関係している自分たちは分かっているつもりでも他の部署の人たちは理解していないかもしれませんし、新たに書き直すことで新しいビジネスモデルを考え付いて実行できるかもしれません。つまり、ビジネスモデルは変わり続けるものなのです。
おわりに
前編と中編でビジネスモデルキャンバスについて大まかに理解していただきました。少しでも自社のビジネスモデルについて再考する機会ができれば、この記事から学んだことになると思います。ただブロックごとの要素を特定するだけではなく、新しいつながりが生まれないか、要素自体を一変できないかと考えてみることで、他社との差別化のカギが見つかるかもしれません。また、企業単位ではなく、製品・サービス単位でもこのビジネスモデルキャンバスは可能なので、そちらでもぜひ考えてみてください。後編では、ブルー・オーシャン戦略との関係性を見ていきます。
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