ファクタリングとは

ビジネスは商品やサービスを顧客に提供することで、利益を得ることを目的とした活動であり、商品やサービスの提供に使用した資金以上の資金を顧客から受け取ることで、初めて一連のビジネスの流れが完結します。

そして、売上を計上する際に、すぐに現金で受け取るビジネスはそれほど多くなく、売上計上した後一定の期間の後に支払いを受けるケースが大半です。

そのため、ビジネスの多くの局面では、ビジネスの一連の流れの最後のところである資金回収について非常に重視されます。

売上を計上したけど、資金を回収できなかったら、それは損失になってしまい利益が増えたとは言えず、資金繰りにもマイナスの影響が出ることになり、今後の活動にも影響してしまいます。

特に資金繰りの面では、少しでも早く資金化することで、次のビジネスへと繋げることができるという点で、資金の回収は最重要課題です。黒字倒産という言葉を聞くことがありますが、たとえ利益が出ていても、最終的に資金回収ができなければ、事業活動を継続していくことはできません。

売上高に関する資金の回収、つまり債権回収はビジネスにおけるキーとも言える活動であり、多くの企業でその活動を重視しているのです。

そして、債権回収の方法としては、通常の回収の他、ファクタリングという方法が一般的に知られています。

ファクタリングとは、売上債権をその債権の入金期日の前に資金化する手法のことです。売上債権を売上先ではない第三者に譲渡することで、期日よりも前に売上債権を資金化することができる方法です。

言い換えると、売上債権という権利を売却すること、もしくは、売上債権を担保にした資金調達とも言えます。ファクタリングは、早期の資金化という効果を生み、資金繰りを改善する効果があるため、多くの企業で利用されているサービスです。

なぜ今ファクタリングが注目されるのか

ファクタリングは、融資とは異なる資金調達方法であり、その利用が広まっています。では、なぜ今ファクタリングが注目されているのでしょうか。

１つ目の理由は、資金調達の容易さです。

資金繰りは全ての企業において重要なポイントであり、特に中小企業においては資金的な余裕が大きくないことも多く、その重要性はより大きいものとなっています。

中小企業の場合、資金調達も大企業のように選択肢が多くなく融資上のハードルも高いため、売上債権の資金回収が進まないと、仕入や経費の資金負担がスムーズに進まなくなり、事業の存続が難しくなることも多くあります。

この点、ファクタリングは売上債権を譲渡するという手法であることから、金融機関から融資を受ける場合と比べて、審査も厳しくなく、より確実に資金の獲得を実現することができます。

2つ目の理由が、日本の経済的な背景です。

日本では人口減少・高齢化という背景の中、経済力の低下が懸念されており、少しでも多くの企業の経済的成長を促す必要があり、特に全企業の90%以上を占めると言われる中小企業の支援の必要性が高まっています。

そんな中、資金繰りという最も大きな課題を通じて、中小企業を支援する方法としてファクタリングが注目されています。これは経済産業省も売上債権の利用を通じた資金調達として利用を促しています。

ファクタリングの仕組み

取引の流れに沿ったファクタリングの仕組みは以下の通りです。

①    企業が取引先に商品・サービスを提供し、売上債権が発生します。

②    企業は売上債権をファクタリング会社に譲渡して、その対価として資金を受け取ります。

③    売上債権の支払期日に、取引先がファクタリング会社に支払いをします。

企業は取引先への売上により獲得した売上債権を、ファクタリング会社に譲渡することで早期の資金化が可能となります。しかし、一方でファクタリング会社の売上債権の買取金額は、ファクタリング会社の手数料が差し引かれるため、売上債権の金額よりは小さくなります。

企業としては、取引先から直接債権回収するケースに比べて若干、手数料により債権回収額が目減りしてしまいますが、一方で早期の債権回収・資金化が可能になるという大きなメリットを受けることができます。

またもう一つ大きな特徴として、企業が金融機関から融資を受ける場合と比較してファクタリングは審査上のハードルが低いという点でも、企業には大きなメリットと言えます。ファクタリング会社が売上債権を引き受ける場合に重視するポイントは、その売上債権の発行元である企業にとっての取引先の信用力であり、債権返済能力です。

そのため、仮に企業の業績が低調である場合や、財政状態が悪い場合、企業の信用力の問題で金融機関からの融資は実現が難しくなりますが、ファクタリングを通じての資金調達であれば、そこは重視されないため比較的容易に資金調達が可能となります。

逆を言えば、取引先の信用力が低い場合には、ファクタリングが難しいケースもある点は注意が必要です。

２社間ファクタリングと３社間ファクタリングの違い

上記では一般的なファクタリングの流れを説明しましたが、ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという種類があります。ここでは、両者の違いを確認します。

3社間ファクタリングとは

3社間ファクタリングとは、その名の通り、企業と取引先、そしてファクタリング会社の3社がそれぞれに取引関係を持つ形のファクタリング形態です。

ⅰ．企業が取引先に商品・サービスを提供し、売上債権が発生します。

ⅱ．企業は売上債権をファクタリング会社に譲渡して、その対価として資金を受け取ります。

ⅲ．ⅱの際に企業と取引先との間で、取引先が売上債権を直接ファクタリング会社に支払うことになる点を合意します。具体的には、企業が取引先に債権譲渡の通知を送ることでその合意を得ます。

ⅳ．売上債権の支払期日に、取引先が直接、ファクタリング会社に売上債権の支払いをします。

 

企業と取引先（売上債権の発生）、企業とファクタリング会社（売上債権の譲渡）、取引先とファクタリング会社（売上債権の支払い）と3社それぞれに取引関係が発生することから、３社間ファクタリングと呼ばれています。

  2社間ファクタリングとは

２社間ファクタリングとは、３社間ファクタリングとは異なり、企業とファクタリング会社の2社でファクタリングを行う形態を言います。具体的な流れは以下の通りです。

ⅰ．企業が取引先に商品・サービスを提供し、売上債権が発生します。

ⅱ．企業は売上債権をファクタリング会社に譲渡して、その対価として資金を受け取ります。

ⅲ．企業が取引先から売上債権を回収します。

ⅳ．企業が回収した売上債権全額の資金をファクタリング会社に支払います。

2社間ファクタリングの場合は、売上債権を担保にしてファクタリング会社から資金調達をして、債権の回収後にファクタリング会社に返済するという取引形態と言えます。ファクタリング会社は直接債権回収ができないというデメリットを引き受けることから、３社間ファクタリングの場合に比べて手数料が高くなります。これは、企業にとってはデメリットです。

まとめ

企業にとって資金調達は非情に重要なポイントであり、事業継続のための大きな課題であり、ファクタリングも有効活用してより効率的な資金繰りを実現することが重要になります。そのため、日々タイムリーに債権管理、資金繰りの状況を確認できる体制を構築することが重要になります。

この点、ALL-INは販売・仕入れ等の販売・購買情報、会計・財務会計情報、取引先の営業情報、顧客情報など事業において必要になる全ての情報を一元管理し、カスタマイズした管理画面でタイムリーに企業が置かれている情報を確認することができる、経営の見える化を実現するクラウドツールです。

債権管理においても、顧客情報と販売情報を紐づける形で管理が可能であり、期日も含め会計データとも連携することで、資金繰りの状況をタイムリーに確認することができるという特徴があります。そのため、適時のタイミングでタイムリーに、ファクタリング活用の意思決定を判断することができます。

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