VUCAとは
インターネットが登場する前までの時代は、物事も進展も今よりも遥かに緩やかで過去の延長線上に未来があり、経験が非常に重要な資産とされていました。
大手企業のサラリーマンになれば一生安泰と言われた時代でもあり、事実かどうかは別として、多くの人の意識の上では良くも悪くも中長期的な予測可能性が高い時代であったと言えます。
こうすればこうなる、という方程式をどれだけ多く持つか、という点が生存戦略上有利だった時代と考えられていたのです。
しかし、2020年も近づきつつある現在、インターネットが急速に普及・発展し、またスマートフォンに代表されるデバイスの普及も重なり、従来とは全く異なる世界が広がってきています。
インターネットを含む様々な環境・システムがただの高レベルの処理能力機能としてではなく、新しい価値創造を行う機能をも担うようになってきており、それに合わせた変化のスピードも非常に早く、そして大きくなってきています。
AI、RPAなどの単語を聞く機会も劇的に増えていますが、技術発展のスピードが非常に早くなってきており、3年もすれば別の時代となっていると言われるほどに、変わり続けることが当たり前の時代になっています。
また、グローバル化もほぼ世界中が一つのフォーマットで動いているといっても過言ではない程度にまで進んできており、国や地域などの物理的な空間による差異は無くなりつつある非常に変化に富んだ時代でもあります。
技術の変化スピードに合わせて、安定的な環境はどんどんなくなってきており、新しい環境に柔軟に対応していくことでしか優位に生き残ることができないという厳しさもありますが、裏を返せば大きな可能性を秘めている面白い局面であり、大きな成長のチャンスがあることは間違いないでしょう。
こういった現在の状況を、VUCA(ブーカ)の時代と言うことがあります。
VUCAとは、次の英語の頭文字をとった言葉です。VUCAは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語です。VUCAは今の時代を表すキーワードの一つでもあるので、ビジネスを展開する上で押さえておくべきポイントであると言えます。
Volatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)
VUCAの概念を理解するたまには、構成する4つのワード、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)のそれぞれについてよく理解をしておく必要があります。ここでは、4つのワードの意味について確認していきます。
Volatility(変動性)
Volatilityは変動性です。証券業界等では、リスクの指標として用いられることが多い用語であり、変化の幅を示す言葉です。これをビジネスに当てはめると、次のような例があります。
ある高性能な商品を取り扱っていて、市場でのトップシェアを獲得していたが、技術の革新により現状を超えるより高性能な商品が他社から販売されることになり、トップシェアどころか市場から撤退するほどまでに業績が悪化する結果となったというケースです。
世界中が一つのフォーマットで動いている世界においては、ほんの少しの商品の変化であっても、結果一つの会社の業績に非常に大きな変化をもたらす結果になる、つまり、影響の幅が高い状況ということです。
Uncertainty(不確実性)
Uncertaintyは不確実性です。不確実性とは確かなものがない状況を指し、環境が移ろいやすい状況を指します。現状の規制の中で有利にビジネスを展開している状況があったとしても、規制を含む環境自体が劇的に変わることで、ビジネスの展開が難しくなることがあるということです。
例えば、日本における携帯電話の大手キャリアは、規制のある市場での安定的な地位を確保してきていました。しかし現在、格安キャリアの参入規制の緩和などの環境が大きく変わっている状況にあり、将来のための戦略の再構築が必要になってきています。これがまさに不確実性であり、安定的な環境・地位はなく、次に向けた対応が常に求められるということです。
Complexity(複雑性)
Complexityとは複雑性です。多種多様なバックグラウンドを持つ人がチームとして、またビジネス相手として接する機会が増えています。そして、グローバルな活動に特に壁が無くなっており、この傾向は国や地域という枠組みを超えて広がっています。
こういった環境では、一つの価値観、一つの方法で物事を進めることは困難であり、様々に絡み合う複数の要素の関係を調整して、初めて物事を進めることが可能となります。
例えば、日本企業が外国人を採用するケースで、より多くの要素を持つ人達が同じように、高いモチベーションを持って働ける環境作りが必要である、これはまさに複雑性を表す状況と言えます。
人事面だけではなく、ビジネスにおいても同じ状況であり、業界内だけの戦いではなく、業界を超えた戦いも考えなければならないのが現在です。
アパレル業界の企業が食品を扱ったり、小売業界の企業が運送業にも進出したりと業種の壁はもう無くなっていると言えます。また、RIZAPのようにダイエット、英語、ゴルフと自身をアップデートするための様々なサポート教育サービスを行うという軸で事業展開することも、複雑性を体現したビジネス展開であると言えます。
Ambiguity(曖昧性)
Ambiguityとは曖昧性です。現在は、技術の革新スピードが速く、今までできなかったこと、思いつかなかったことができるようになる時代であるため、過去に前例のないビジネスを展開する局面が非常に多くなっています。過去に前例がないということは、戦略、進め方全てにおいて道筋がなく、靄がかかっている中を進んでいかなければならないということです。
つまり、曖昧な環境を前提とした中で、試行錯誤しながらやるべきことを見つけ、作って進んでいく時代なのです。
新規事業の立ち上げ時には、法的な規制や運営上の課題など誰も検討したことがないため、曖昧な中でゼロから作り上げなければなりませんが、これはまさに曖昧性を指す事例であると言えます。
VUCA時代に必要なリーダーシップとは
VUCA時代は非常に不確実性が高い時代です。では、この時代で生き残っていくために、リーダーはどのように動くべきでしょうか。ポイントは3つあります。
予測不能であることを認める
従来のリーダーは、環境を理解し、過去の経験から正解を導き出すことが求められており、そのため、過去の経験に基づく自信を全面に出すことが求められていました。
しかし、VUCAの時代では、そもそも将来は過去の延長線上にはありません。そのため、将来を予測することは困難であり、過去と同じようにこれを目指しても成功に繋がることはありません。
この時代で成功を手にするため、リーダーは過去の延長で考えることを捨てる、つまり予測できるという自信や傲慢さを捨てて、ゼロベースで物事を考える能力が求められるのです。
柔軟な組織
従来の組織は上意下達の組織であり、上からの指示・命令を正確に遂行する組織でした。
しかし、VUCAの時代においては、変化のスピードが速くこれでは環境の中で生き残るこができません。組織内の自発的なコミュニケーションの中で、組織の構成員が自ら外部環境の変化に柔軟に対応していく、そんな組織が求められており、リーダーはこういう組織を作り上げていく必要があります。
権限委譲
これは3.2.にも関係しますが、組織として環境の変化に対応していくことが求められるため、よりスピード感ある意思決定が行えるような組織を構築していく必要があります。
つまり、各階層の判断で、より多くの局面に対応していくことができるよう、リーダーは組織内の権限移譲を進めることが求められます。
自分が組織を引っ張っていくという従来のリーダー像ではなく、より柔軟に変化する組織を作る能力が、リーダーに求められる資質なのです。
まとめ
VUCAの時代においては、リーダーにはより柔軟に変化に対応する能力、変化に強い組織を作る能力が求められ、まず前提として、環境と組織の現状を理解することが必要になります。
最新の事業の状況を正確にタイムリーに把握すること、つまりビジネスという航海における羅針盤を整備することが重要になります。
この点、ALL-INはタイムリーにビジネスの全ての要素をサポートするシステムであり、適宜に環境・組織の状況を確認することができます。タイムリーな情報把握を通じて、環境変化、組織の状況の理解も進めることができ、より良い次の一手を選択することができます。
ALL-INは、VUCAの時代における発展を目指す経営者を強力にサポートすることができるオススメのツールです。
「ALL-IN」概要資料
生産性をあげる極意 無料小冊子プレゼント!
Facebookページにぜひ「いいね」をお願いします!
「いいね!」を押すと「経営をアップグレードしよう!」の最新コンテンツが受け取れます