省力化とは「同じ成果を少ない努力で出す」ための活動です。
前回の記事では、省力化していない会社に起こりがちな5つの問題をご紹介しました。
今回は、省力化した結果経営を立て直すことができたり、生産性を大幅に向上させることができた3つの実例をご紹介します。
省力化によって、会社はいくらでも売上を伸ばせるということを、この記事からご理解頂ければと思います。
事例1 「〜建設業〜3D設計図を導入して営業利益2割増の三谷産業株式会社」
ここ数年の労働力過剰のため、建設業は生産性への意識が遅れていると言われています。しかし東京オリンピックに向けた労働力不足が予測されており、建設業の生産性向上は喫緊の課題です。
そんな中、「儲かっている会社」では最新のITを導入し、ライバル企業に差をつけています。
三谷産業株式会社は今年から、主幹事業の一つである空調設備工事で3D設計図を導入しました。配管や機器類の寸法などを細かく盛り込んだ3D設計図により、現場の様子をシミュレーションしながら工程を決めることができるようになります。
3D設計図によって作業のやり直しを最小限に抑えられるようになった上、空調設備の取替スケジュールも立てやすくなりメンテナンスにも役立ちます。維持・管理コストが約1割減らせるため、ビルのオーナーから受注を取りやすくなるというメリットもあるそうです。
このIT活用で三谷産業株式会社は18年3月期に、同事業部門の営業利益を現在より2割増の8億円前後まで増やす計画です。
生産性が低いと言われている建設業ですが、最新のITを活用することによって生産性を伸ばすことができる分野と言えるでしょう。
(参考:『日本経済新聞』2016年4月15日 「三谷産業、3D設計図で空調工事効率化 工期短縮など効果」)
事例2 「〜旅館業〜情報一元管理システムを導入して売上を6年間で6割上げた元湯陣屋旅館」
長時間労働による人材不足が問題となっているホテル・旅館業ですが、クラウド型情報一元管理システムを導入して生産性を上げ、傾いた経営を立て直した旅館があります。
元湯陣屋旅館は、神奈川県鶴巻温泉にある大正7年創業の老舗旅館。しかしリーマンショック後に経営が悪化し、倒産の危機に陥ってしまいました。そんな中、2009年に代表取締役に就任した宮崎富夫氏が、ホンダでの経験を生かして旅館管理システム「陣屋コネクト」を開発・導入。わずか5年で経営を立て直し、売上を6年間で6割上げることに成功しました。
「陣屋コネクト」はお客様の情報や予約情報をはじめ、すべての情報を一元管理できるクラウド型システムです。このシステムの導入によって、より少ない人件費できめ細やかなサービスを実現することができました。
「ITを使うくらいだったら辞める」と、宮崎社長の改革に反発する従業員もいた中でトップダウンでIT改革を進めた宮崎社長の英断が、経営立て直しのポイントと言えます。
事例3 「〜介護業〜AIを導入して作業を自動化したセントケア・ホールディング」
介護・福祉業 ×IT も近年注目を集めています。
介護大手のセントケア・ホールディングでは、AIを導入し、ケアマネージャーの仕事を自動化、慢性的な人材不足問題を改善することに成功しました。
介護現場では、ケアマネージャーが要介護者一人一人に合ったケアプランを作成しなければなりません。ケアマネージャー一人が30〜40名を担当しており、ケアマネージャーによってプランの質にばらつきがあることが問題でした。
同社で導入したAIは、要介護者の体調や症状に合った介護サービス計画を自動で作成できるシステムです。このAIを導入したことでケアマネージャーの負担が減り、質のばらつきもなくなりました。
最新ITを導入し従業員の「作業」の時間を軽減することで、より心のこもった介護が可能になったのではないでしょうか。
(参考: 『日本経済新聞』2016年10月7日 「セントケア、介護にAI 最適プランを自動作成」)
まとめ
以上、省力化することで生産性を上げた3つの事例をご紹介しました。
どの事例も生産性が低いと言われている業種ですが、ご紹介したように儲かっている会社では最新ITを導入し、ライバル企業に差をつけています。
あなたの会社でも、省力化に関して見直せることがないか、今一度確認してみましょう。
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