本記事では、最近耳にすることが多い「シェアリングエコノミー」について解説します。シリコンバレーを起点として海外で大きな広がりを見せ、ここ最近日本でもその名前を目にすることが増えてきました。
そんな「シェアリングエコノミー」ですが具体的にどういった内容のビジネスなのでしょうか?今回はその概要と、実際の国内事例とともに「シェアリングエコノミー」の基本的なイメージを掴んでいきましょう。
シェアリングエコノミーって?
シェアリングエコノミーとは、誰かが所有するモノやサービスをインターネット上のプラットフォームを通じて、個人間で共有する新しい経済の形です。
シェアリングエコノミーの登場により、「購入」や「消費」を中心とした経済活動が「共有」へとシフトする動きを見せています。
PWC(プライスウォーターハウスクーパース)が2014年に実施した調査によると、2013年では全世界で約150億ドルの史上規模を持ち、2025年には20倍以上の約3350億ドルまで成長すると見込まれているそうです。
(出典:http://www.yano.co.jp/press/pdf/1560.pdf)
株式会社矢野経済研究所によると、国内の市場規模は2015年で285億円、2020年度には600億円にまで到達すると予測しているそうです。急激に広がりを見せるシェアリングエコノミーですが、背景にはSNSとスマートフォンの浸透・普及があります。
スマートフォンの普及により人々はいつでもどこでもインターネットにつながるようになり、SNSがコミュニケーションの敷居を下げた結果、個人間でのモノ・サービスの共有を容易にしました。
「消費」から「共有」へのシフトは社会のエコロジー化(サステナブル社会)の実現につながる可能性もあるため注目を集めています。そんなシェアリングエコノミーですが、国内ではどのような事業が展開されているのか見ていきましょう。
1.CMでおなじみのフリマアプリ-メルカリ
>>>https://www.mercari.com/jp/
渡辺直美さんが出演するCMでお馴染みのフリマアプリです。2013年7月のリリース以来、ダウンロード数は1500万を突破し、2014年にはアメリカにも進出するなど、目を見張る急成長を遂げています。2016年9月現時点では非上場企業ながら時価総額は1000億円を超えると言われおり、ベンチャー界隈でも最も注目を集めているユニコーン企業です。
オンラインのフリーマーケットとして機能しており、服や本、家電など様々なものが毎日数十万点以上、出店されています。自分が要らなくなった服や本など、本来捨てられる流れにあったものを、フリーマーケットという形を通じて「共有」しているサービスと言えます。
若い世代を中心に利用者が多い同サービスを見ていると、共有するという価値観が若い世代を中心に浸透している印象を受けます。
2.ボトルシェアでお気に入りも見つかる!-HIDEOUT CLUB
HIDEOUT CLUBで共有されるのが、なんとウィスキーなんです。普段ではなかなか手を出せない高額なウィスキーのボトルを、会員同士でシェアすることでリーズナブルに楽しめるという面白いサービスです。
一口にウィスキーと言っても数万点以上もボトルが存在し、冒険し辛い部分があります。ですが、気軽にボトルをシェア出来るなら様々なボトルを試すことができ、お気に入りの銘柄を見つけるきっかけにもなりそうですね。
3.無人島までシェアできる-スペースマーケット
スペースマーケットで共有できるのが、その名の通り「場所」です。空いているスペースを持つ提供者と利用者をつないでくれるスペースマーケットでは、約6000ものスペースが登録されています。
貸し出されているスペースは様々なものがあり、古民家やお寺などの日本的なものや、中には横須賀の無人島の猿島など普段あまり滞在する機会のない場所を利用することが可能です。また、田舎から都会まで民泊・宿泊可能な場所も掲載しているので、旅行でも利用できるのがポイントです。
4.駐車場で眠る車を掘り起こす-Anyca
Anycaは個人間でのカーシェアリングを提供しているサービスです。年間平均稼働率が約5%の自家用車は、その多くの時間を駐車場で過ごしています。Anycaは自家用車を持つオーナーと車を使いたい人をつなげるプラットフォームです。
登録されている車種は多岐にわたり、中にはBMWやAudiといった高級車も登録されています。「他人の高級車を壊してしまったらどうするんだろう」と考える方も多いと思いますが、ドライバーは東京海上日動の1日自動車保険に加入する仕組みになっているからこそ、高級車の貸し出しも行われているのかもしれません。
5.多種多様なスキルを学ぶ場所-ストリートアカデミー
>>>https://www.street-academy.com/
ストリートアカデミーで共有対象とされているのが個人のスキルです。誰かが持つ得意スキルを講座という形で学ぶことができ、公開講座数は8300件以上、累計受講者数は66,000人を突破しました。
スキルを得るためには、専門学校に通い資格を取るというイメージが強いですが、ストリートアカデミーはスキルを身近な人から気軽に学べるプラットフォームとして利用出来ます。
「写真の撮り方」や「英語」などのオーソドックスなものに加え「バク転の講座」「テコンドーの体験」など幅広いジャンルが揃っています。自分の興味あるスキルを気軽に学べるのが嬉しいポイントです。
終わりに
いかがでしたか?今後ますます広がりを見せるシェアリングエコノミーですが、それに伴い消費者の意識も「所有する」から「共有する」へと変化していくことは間違いありません。
「必要な時に、必要なモノ・サービスを使う」そんなエコロジーな考え方がより身近になる時が近いのかもしれません。皆さんのビジネスのヒントになれば嬉しいです。
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