経営者インタビュー

モチベーションアップのプロ 小林英二氏が語る「部下のやる気の引き出し方」

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やる気が生産性を引き出す

上司の仕事とは何か?それはチームの生産性を上げることである。そしてチームの生産性を上げるには部下の生産性を上げる必要がある。

日本電産の永森重信社長は「経営=仕組み+匠×意識」と述べており、この公式において最も影響力が強いのは意識(=やる気)だ。 やる気のない人とある人の生産性には10倍の差があるという。

つまり、部下の生産性を上げるカギは、部下のやる気を引き出すことである。それではどのように部下のやる気を引き出せばよいのだろうか? 今回は「社員のやる気を引き出す」事で経営改革を行いたい企業を手助けする、ベンチャーマネジメント代表の小林英二氏に部下のやる気の引き出し方を伺った。

目次

  1. 「やる気を引き出せる」ことが良い上司の条件
  2. 部下の「自律感」を育む
  3. 部下との「信頼関係」を築く
  4. 「行間」を読める関係が理想

motivation_0828070920 人物紹介:小林英二氏
ベンチャーマネジメント代表として、中小企業を始め、マイナビや富士通など600社以上にコンサルティングを行う。社員が楽しく働くことが、会社の生産性向上のカギとし、企業のモチベーションアップを手伝う。また、講演活動に加え、「人の心を動かすリーダーの超チューニング力 (出版社 C&R研究所)」など執筆活動も行う。

1.「やる気を引き出せる」ことが良い上司の条件

―なぜ「やる気を引き出せる」ことが上司にとって重視されるようになったのでしょうか

小林英二氏(以下、小林)― 現在と昔の企業を取り巻く環境が違うからです。私が就職した時代の日本は高度経済成長期の最中にありました。日本国内のマーケットは成長を続け、今ほど国際競争が激しくなく、ライバルは日本企業というのが普通でした。 しかし、現在は国際競争が激しく、年々日本のマーケットは縮小しており、企業間競争が非常に激しいです。

そういう状況において、企業は生産性を上げる必要があり、そのためには社員一人当たりの生産性を高めなくてはいけません。しかし、従来通りのやり方では部下の生産性はあげられないのが現実です。

―高度成長期と現在では、生産性の上げ方が違うということですね。

小林― 一昔前は部下にコツコツ働いてもらえれば生産性は上がりました。つまりサボらせないことです。なので「もっとがんばれ!」とか「気合を入れて働け!」という根性論で生産性が上がっていました。しかし、現代の人たちに同じ手法が通じるかというとそうではありません。

今、社員のモチベーションをうまく引き出している企業の共通点は「楽しく働く」ことにあります。働くのが楽しいから、時間も忘れて夢中に働き、生産性が上がるのです。グーグルに代表されるように、社員が楽しく働けるような企業を私は「21世紀型モーレツ企業」と呼んでいます。

2.部下の「自律感」を育む

―それでは、部下のやる気を引き出すために上司ができることは何でしょうか?

小林― 2点ありますが、1つ目は部下の「自律感」を育むことです。自律感とは「自分がやりたいからこの仕事をしている」という感覚を指します。最初は楽しかった仕事でも、誰かにやらされていると感じた瞬間につまらないものに変わってしまいます。なので、自分の仕事は自分で決めているという感覚を部下が持てるようにするべきです。

―どのようにすれば部下の自律感を育めるのでしょうか。

小林― 部下に選択権を与えてあげることです。人は選択できる自由があることに幸せを感じます。なのでその欲求を上手に満たしてあげましょう。もっとも、部下に裁量権を与えるといっても「自由にやってもいいよ」ということではありません。それでは放任主義になってしまいますから、部下がとるべき有効な選択肢を考えて選択権を与えていきます。

―有効な選択肢はどのように考えればいいでしょうか?

小林― 部下と一緒に考えていきましょう。基本的に選択肢は部下に考えさせるべきなので上司はそれをサポートすることが望ましいです。例えば選択肢を複数提示してあげたり、部下に質問をすることで有効な選択肢を考える手伝いをしてあげると良いですね。そして選択肢が出そろった段階で、どれを選び取るかの選択権を与えていきます。

motivation2 部下のやる気を引き出したい方におすすめ!小林英二氏著「マジマネ5 部下の「やる気」を育てる!

3.部下との「信頼関係」を築く

―確かに自分で選んでいるという実感があるとやる気が出ますね。それでは部下のやる気を引き出すのに重要なもう一つの点はなんですか?

小林― 「信頼関係を作ること」です。人には損得勘定抜きで、好きな人の役に立ちたいという欲求があり、それがモチベーションの源泉となります。例えば自分にとって大事な人がいる時、そのひとのためなら喜んで自己犠牲を払えます。なので、「あなたのことが好きだから、役に立ちたい!」と慕われるような関係を作るべきです。モチベーションは上司と部下の信頼関係という土壌があって初めて育ちます。

―信頼関係を築くのに、上司はどういった行動を心がけるべきですか?

小林― 「部下に対して貢献すること」「尊敬に値する行動を取ること」「チームへの誇りを醸成すること」の3つです。 部下の面倒を見たり、困っているのを助けるのは上司からすると面倒くさいことではあります。しかし、部下の視点で考えると面倒くさいことを引き受けてくれる上司に対して感謝を覚えるものです。面倒くさいことが起これば部下に恩義を売るチャンスというくらいの気持ちで取り組むと良いでしょう。部下に対して貢献していれば、自分が困ったときに部下は助けてくれるものです。

また、上司は尊敬できるような行動を取るべきでもあります。上司が思う以上に、部下は上司のことをよく見ています。口先だけの上司や、向上心のない上司を見ると部下はどう思うでしょうか?部下は上司が尊敬できる人間でなければ、その人のために頑張ろうとは思えません。

そしてチームへの誇りを醸成できれば、部下はいかにチームに貢献できるかを考えるようになります。そのためには、部下がやりがいを感じるようなミッションを作ることが重要になります。

―やりがいのあるミッションがあれば、貢献したくなる気持ちは出てきます。それでは部下が共感できるようなミッションはどういったものですか?

小林― ストレステストに耐えうるミッションです。つまりある程度の負荷下でも守れるミッションであることです。極端な例にはなりますが、例えば顧客満足というミッションを建設会社が掲げているとします。その会社が建てた建物に不備がみつかぅたとすると、顧客満足が満たせていません。なので、建て替え費用で会社が倒産する可能性があるとしても、顧客満足を満たすために、建物を建て替えられるでしょうか?

ほとんどの人は「無理だ。」と答えますが、こういった状況に陥った時に初めて、理念の強さが試されます。口先だけのミッションでは、モチベーションが上がりません。なのでストレスに耐えうるミッションを作る必要があります。

4.「行間」を読める関係に

―最後に、小林さんの考える「部下との良い付き合い方」について教えて下さい!

小林― 本音を語り合うことです。ミッションも人間関係もそうですが、表面的だと脆く崩れやすくなります。コミュニケーションを取れる上司と部下は、互いに「行間」を読むことができます。 人間はすべてを言葉にすることはできません。言葉にできない部分を行間を読んで補う必要があります。

そして互いに行間を読めるようになるには、上司・部下の価値観や人生などの芯となる部分を把握する必要があります。なので、一緒にご飯を食べたり、お酒を飲む場で、コミュニケーションを図り、本音を語れるようにするべきだと考えます。 どのような組織においても、人で構成されてる以上、「信頼関係」がベースにあります。なので上司と部下が互いに信頼できる関係を作っていきましょう。

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