省力化

「共有知識化」に経営者が取り組むべき5つの理由―宝の持ち腐れをするべからず―

kyo 2前回記事では、共有知識化とは何かについて解説しました。

社内の「知」は会社の「宝」です。社内の一部のみでこの宝を独占するのはとてももったいない事であるため、社内全体で共有しましょう。しかし、これまでに紹介した経営手法と同じく、実践しようと思い立っても、簡単にできるものではありません。手間のかかる作業を必要とし、正しく実行しなければ、逆効果となっていまいます。今回の記事では、手間がかかってまでも共有知識化に取り組むべき、5つの理由を紹介します。

1. 急がば回れ ―長期的視点での時間と労力の節約―

kyouyu p2 2時間をかけて、あらゆる視点から細かく場合分けした教育マニュアルを作成することで、新人教育の際、時間やお金のコストを大幅に削減することができます。教え方や教える事が標準化されるため、教わる側だけでなく、教える側にとっても共有知識化は重要です。

新人研修を例に挙げます。会社によっては4月にまとめて新人が入社する場合や不定期に中途入社の方が来るというケースもあると思います。すぐに仕事に取り掛かってほしいという思いから、教育にも力が入ると思いますが、その間、教育を担当する社員、部署は本来の仕事に割く時間が減ってしまいます。何を教えるべきか、新人のバックグラウンドによっては教え方、教える事も異なります。

その都度試行錯誤するのではなく、時間をかけて、新人が持つ疑問への回答集、あらゆる場合に対応した教育マニュアルを作成してみましょう。確かに、マニュアル作成には時間や労力がかかります。しかし長期的に見ると、新人教育や部署に新しく異動してきた社員教育の際の時間、労力が圧倒的に減ります。また教わる側にとっても口頭での説明だけでなく、業務が「見える」形であれば、分かりやすくなるでしょう。

2. 人変われど品変わらず ―業務品質の安定―

kyouyu p2 3業務プロセスを共有知識化し、人が変わっても安定した品質の成果を出すことができます。試行錯誤の結果、個人やチームが生み出したベストプラクティスを、個人の知識に留めず共有できる形にすることで、人が入れ替わっても、高品質、高効率の業務を維持できます。

会社は変わらなくても、社員は入れ替わります。同じ社員が一つの部署に居続けることはありません。体調不良で2,3日会社に来られないこともあるでしょう。そんな時業務が止まってしまう、もしくは質にムラが出てきてしまうような状態はとても危険です。未だに属人的な知識となってしまっている知識やノウハウを共有知識化することで、欠員が出てもほかの人がすぐに代われる状態にしましょう。結果として、持続的な高品質な商品・サービスの提供に繋がります。

3. 二の舞を演じず ―組織的な学習の活発化―

kyouyu p2 4知識と聞くと、ノウハウや手法などが頭に浮かんできますが、「失敗」も重要な知識の一つです。どういう状況でどのような失敗をしたか、という知識も蓄積することで同じ失敗を繰り返すことを防げます。

会社において失敗は多くの意味を持ちます。顧客に価値を提供できなかった、会社の資産を無駄に使ってしまった、必要以上に時間と労力を要してしまった、などです。失敗をするなとは言いません、むしろ失敗は成功よりも価値があります。なぜなら学習できる最高のチャンスだからです。その学習を「個人の学習」に留まらず、「組織の学習」とするために、失敗から得た知識を共有化しましょう。

4. 灯台下暗し ―社内人材の把握―

kyouyu p2 5専門的な知識や特殊な経験を持つ社内の人間の存在を共有し、人材を有効に活用することで、アウトソーシングに掛かるコストの削減、パフォーマンスの飛躍的な向上に繋がります。

最も単純な例を挙げます。アプリを開発する際に、必要となるのは、エンジニアです。前職でエンジニアだった社員のスキルが共有されていなければ、外部に開発を委託することになります。開発スキルを持つ社員の知がいるということが共有されていれば、このような結果は防げます。

近頃3日に1回は「多様性(ダイバーシティ)」という言葉が聞こえてきます。多様性のある企業を作るために必要なことは、社員の国籍の多様化ではありません。個性の多様化です。個性には様々な意味が含まれますが、「専門性」「バックグラウンド」「経験」も個性を形成する上で重要なものです。本来ならば多様な企業であるにも関わらず、その個性を知らないために、多様性のない企業としているのはとてももったいない事です。新しいプロジェクトを始める際には、チーム編成がとても重要となってきます。社員一人一人の個性が社内で共有されていれば、最高のプロジェクトチームが出来上がるでしょう。

5. 三人寄れば文殊の知恵 ―多様な視点での業務改善―

kyouyu p2 6社員がどのようなプロセスで業務を行っているか。それらを見える化することで、非効率なポイントを発見し改善することができます。一人では発見できなかった業務プロセス上の無駄を、他の社員達がその業務を同じように遂行することで改善点を見出せるかもしれません。

ノウハウや業務プロセス、不測の事態への対応法は共有したら終わりではありません。その共有化された知識を多くの社員が見ることで、それに付け加えたり、改善したりすることで、その知識の価値はどんどん高くなっていきます。社員の様々な経験と知恵を蓄積できる場所の形成が共有知識化のメリットの一つです。

おわりに

以上で述べた共有知識化のメリットはそれぞれ独立したものではなく、互いに深く関係しています。社内の人材、知識を積極的に活用し、組織を効率的に動かし、ハイパフォーマンスを維持するために、共有できていない社内の「知」を発見し、共有化しましょう。

→次の記事へ 3.「「共有知識化」を積極導入した事例

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目次

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