一元化

「共有知識化」を積極導入した事例

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共有知識化への取り組みが企業の生産性向上に繋がることを述べてきました。経営者の皆さんが、共有知識化への取り組みがどのような成果を会社にもたらすのかイメージがつくよう、共有知識化に成功した2つの事例を紹介します。

温泉旅館「加賀屋」―サービス産業での生産性向上

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ハイ・サービス日本300選受賞企業である、石川県にある温泉旅館「加賀屋」が、高い顧客満足度を維持しつつ、マニュアル化・標準化により業務効率化に成功し生産性が上がった事例です。

効率化が困難な「サービス産業」

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顧客への対応に最も重きを置くべき、サービス産業は効率化が最も困難な業界です。なぜなら、顧客満足向上のための様々な時間や労力は、生産性の観点からはすぐに省略すべき「無駄」と言えてしまうからです。

特にサービス業に携わってる企業の経営者にとって、この「サービスと生産性のトレードオフ化」は、例を挙げるまでもなく想像しやすいと思いますが、一つごく単純な例を紹介します。

ホテルで食事するにしても、テーブルごとにウェイターがつく場合、ブッフェスタイルの場合があります。前者の場合、一人一人の客を丁寧にもてなすことができ、接客に関する顧客満足は高くなる一方、人件費も多くかかり効率も悪いです。後者の場合は、接客に関する顧客満足は全く期待できませんが、大量生産、食事を運ぶ労力の省略化が実現し、生産性は格段に高いです。

このようなサービス産業でのジレンマは加賀屋にも当てはまります。

加賀屋の強みである、「おもてなし」は、宿泊客と直接接する客室係にかかっています。しかし客室係も人である以上、経験や知識、性格によってそれぞれのサービスの品質が異なることが加賀屋にとっての課題でもありました。リピート客を獲得するためには、毎回高品質のサービスを提供する必要があります。

顧客満足を支える「マニュアル化」

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最高のおもてなしのためには、顧客一人一人を良く知り、それに応じて各部署に連絡し、対応をしなければなりません。この対応の調整には、厨房や受付、遊戯室などあらゆる部署が関わってきます。しかし顧客の情報を一番よく知っている客室係が、顧客対応と同時並行で、この調整業務を行うには多大な労力と時間がとられます。

そこで加賀屋は情報の伝達、指揮系統をマニュアル化しました。

具体的には、客室係が宿泊客の情報を得たら、全てフロントに連絡するよう統一し、フロントから、各部署の客室センターにその情報を伝達するというシステムです。

これに加え、時期や時間帯によって必要人員が大幅に変わる加賀屋では、他部署の人員が必要に応じて他の部署の仕事をこなせるよう、「人to人」の教育だけに頼らないよう、各作業をマニュアル化しています。

しかしいくらマニュアルが存在したとしても、複雑な作業は簡単には覚えられません。そこで加賀屋は顧客満足に関わってこない作業をできるだけ排除しました。これにより、「人」の経験・知識・技能に依存しすぎない顧客対応が成り立っています。作業効率を上げたことにより、顧客満足向上により重点を置けています。

(参考:日経ビジネスオンライン「「対応は個別に臨機応変、指揮命令系統は一元化」が加賀屋の強み」2010/08/16)

福利厚生業務受託大手「ベネフィット・ワン」

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ベネフィット・ワンは、企業の従業員向けに福利厚生サービスなどを提供するベネフィットステーションを運営する会社で、現在727万人の会員がいる上場企業です。こちらの企業の生産性向上を目的とした「マニュアル整備プロジェクト」の事例を紹介します。

ベネフィット・ワンの事業は、膨大な企業、顧客、そしてサービス運営会社が関わってくる故に、業務は複雑を極めていました。社員ごとに業務効率は異なり、新しく入った社員が業務を覚えるのには時間がかかってしまうという問題がありました。

そこで、3か月かけて社員がどのようなプロセスで業務を行っているか、全て洗い出し、社員ごとに微妙に違った手順を踏んでいた場合はそれらを標準化し、全てマニュアル化しました。

またマニュアル化したことで、今後業務効率などを測定しやすくなり、改善すべき点もわかりやすくなります。

(参考:日経ビジネスオンライン「福利厚生受託大手ベネフィット・ワン、全部門の350業務を標準手順化」2009/06/15)

おわりに

マニュアル化すればいいというわけではありません。自社のビジネス、業務はどのようにして回っているか、全体像を把握し、どこを改善するべきか、どこは標準化するべきではないかが重要となってきます。

今一度、社員の近くに寄り添い、どのような手順で業務を行っているか見てみましょう。

→次の記事へ 4.「「共有知識化」のために、はじめに取り組むべき3つのこと」

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