はじめに
自社が取り扱う商品・サービスについて、売上を伸ばすためにさまざまな活動に取り組んでいることと思います。しかし、その過程で培われた経験、ノウハウは共有できているでしょうか。まだできていない方もいるかも知れませんし、共有することの難しさを感じ、「自分がもう1人いれば・・・」と思っている方もいらっしゃることでしょう。
今回の記事では、ナレッジマネジメントによって、どうやって知識が伝達され、みんなで知識を共有することができるのか、またなぜ知識を共有する必要があるのかについて2回に分けて分かりやすく解説していきます。今回はその第2回目です。
1記事目では、主にナレッジマネジメントがどのようなもので、松下電器のホームベーカリーの事例を取り扱うことで実際に企業がどのように知識創造をしていったのかを分かりやすく紹介しました。詳しくはこちらのリンクか下のリンクから見ることができます。
ナレッジマネジメント4つの切り口:②表出化
・表出化(暗黙知から形式知を創造する)
表出化というのは、暗黙知を明確な形式知に表すプロセスです。実体験によって得た知識を、今度は社内に伝えるためにマニュアルや文書などで言語化することによって形式化できるプロセスのことを言います。
田中氏は、パン職人頭から体得したパン作りの「暗黙知」(秘訣)を松下電器のチームメンバーなどに理解できるように「形式知」化(言語化)したことによって、ホームベーカリーのプロジェクト開発チームと知識を共有し、開発に役立てることができたのです。
今回の事例では、パン作りをホームベーカリーに応用するという明確な動機がある上で共同化と表出化が行われていますが、そのような明確な動機がない場合も同様に行うことができます。もし田中氏が暗黙知を形式知化するという作業を行わなければ、製品作りに生かされず、ホームベーカリープロジェクトは失敗に終わったかもしれません。つまり、自社の社員が持つ暗黙知が形式知化されていないために知識がうまく伝達されず、みすみすチャンスを逃している可能性があります。このことを踏まえて考えると、すべての社員が知識を伝達するチャンスを持っているのに、生かしていなかったと考えると急にもったいない気持ちになりますよね。そのためにも暗黙知を形式知化する、すなわち表出化する必要があるわけです。
まとめると、このプロセスを通して言葉で知識を共有できるようになります。
ナレッジマネジメント4つの切り口:③連結化
・連結化(形式知から形式知を創造する)
連結化というのは、形式知化された新しい知識と組織のほかに存在する形式知を結合させ新たな形式知を生み出すプロセスです。社内に伝えるために形式化した知識を、社内での既存の形式化された知識と組み合わせて新しい形式知をマニュアルや製品企画などに取り入れることができるプロセスのことを言います。
今回の事例では、田中氏が体得した暗黙知を形式知化してチームメンバー内ないし社内で共有し、そのあとの既存の社内マニュアルや計画書にまとめたり、製品に組み込んだりすることで社内の新しい知識として定着、開発に至りました。
表出化させた形式知は、拾い集めない限り断片となって社内に散在しています。つまり、せっかく暗黙知から形式知へと移転させたのにもかかわらず、既存の知識と組み合わせることなく放置しておいてしまうと、またもや新しい知識を開発するチャンスを逃すことになってしまいます。そのため、新たな形式知と既存の形式知を結合させる、すなわち連結化する必要があるわけです。
まとめると、このプロセスを通して新たなアイデアを開発しやすくなります。
ナレッジマネジメント4つの切り口:④内面化
・内面化(形式知から暗黙知を創造する)
内面化というのは、形式知を暗黙知へ身体化させるプロセスです。共同化、表出化、連結化を通じて出来上がった形式知を内面化することにより自分自身の暗黙知を膨らませ、再構築することのできるプロセスです。今回の事例では、ホームベーカリーを製造するという経験を通して、田中氏とそのチームメンバーたちは自身の暗黙知を豊かにすることができたと言えます。
まとめると、このプロセスを通して新たな知識が必要になることが分かります。
このプロセスがあることで、自己に内面化された暗黙知により、さらに次の暗黙知を求めて行動することから共同化→表出化→連結化→内面化→共同化へと知識創造のスパイラルが起き、ますます知識が創造される流れにつなげていくことができます。
今回の事例では、ホームベーカリーでパンをおいしく焼くことに成功するために田中氏は大阪国際ホテルのパン職人頭に弟子入りしました。この行動が大変だからと言って行われていなかったら、ホームベーカリーは成功することはなかったかも知れないですし、このホームベーカリー製造の経験を通じて新たな暗黙知を体得することはできません。つまり、新たな暗黙知を体得するためには多大なコミットメントが必要となってくるというわけです。
このようにして暗黙知と形式知の間のやり取りが活発になっていくことで、新たなアイデアが開発されていくのです。
<参考:ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス 1992年3月号「ナレッジ・クリエイティング・カンパニー」野中郁次郎>
おわりに
今回紹介したナレッジマネジメントのうち、表出化と連結化においては、社内での情報管理がカギとなってきます。そこで、情報管理をするための組織インフラが整っていれば、知識創造においても漏れがなく、より円滑に進められるのです。
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