経営者インタビュー

【後編】カヤック柳澤大輔「従業員が240名に増えても”マネジメントなきマネジメント”を目指す」

kayac2

同じ価値観の共有が企業文化の土台

今回も前回に引き続き、カヤック式マネジメント法について紹介していく。

「仕事は面白いもの」を追及し続ける面白法人カヤックでは、サイコロ給やぜんいん人事部制度など、独特な企業文化が形成されている。その文化の根底に流れるのは「面白く働く」という価値観だ。今回は同じ価値観を共有したうえで行われる「カヤック式マネジメント」の真髄に迫っていく。


DSC_0379_0726091334 人物紹介:柳澤大輔
面白法人カヤックCEO。1998年、学生時代の友人と共に同社を創業、2014年に東証マザーズ上場を果たす。鎌倉に本社を構え、鎌倉からオリジナリティのあるコンテンツをWebサイト、スマートフォンアプリ、ソーシャルゲーム市場に発信する。ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給)や、ワークスタイル(旅する支社)を発信し、「面白法人」というキャッチコピーの名のもと新しい会社のスタイルに挑戦中。

目次

【前編】
1)面白い人を採用する方法
2)独特な企業文化を作り上げるには
【後編】
3)上場がもたらす企業の変化
4)240人をマネジメントするには

3)上場がもたらす企業の変化

―2014年に上場をされましたよね。上場されたことに対してとても驚きました。上場から1年半ほど経った現在、上場の前と後とで大きな変化はありましたか?

柳澤氏(以下、柳澤)―カヤックでは、上場するまえから社外の人々を巻き込んで、さまざまな取り組みを行ってきました。上場してからその範囲をさらに広げ、株主のみなさまと一緒に面白法人をつくる「面白株主制度」という取り組みを行っています。株主のみなさんもカヤックと関わることで、すこしでも人生を面白がっていただければと思いこの制度を作りましたが、今までに様々な施策を発表してきました。

まず、第一弾は、「株主会議」。株主同士でカヤックに関するブレストを行う「ブレスト」機能、株主の皆様からご意見をいただく「アンケート機能」が搭載されており、面白株主のみなさまだけが閲覧・参加できるコミュニティサイトです。ここでいただいたアイデアをもとに、「佐藤採用」や「卒業文集採用」も生まれました。

第二弾は、「ぜんいん人事部化計画」。カヤックでは全社員が人事部に所属し、採用活動を行っています。
それと同じように、株主のみなさまにもカヤックに必要な人材を検討いただき、ご紹介いただくことは可能なのではないかと考え、この施策を実現させました。ちなみに、株主の紹介で入社された場合、感謝の証として鳩サブレを39(サンキュー)個、差し上げています。

第三弾は、株主版「ぜんいん社長合宿」カヤックでは全社員が業務から離れ、社長になったつもりでカヤックの制度や、今後のビジョンについてブレインストーミングをする(アイデアを出し合う)合宿を行っています。これを応用し、カヤック社員と株主がともにブレストを行い、カヤックの未来について考える機会をつくりたいと思い、今年の株主総会でこの施策を発表しました。

一般的に株主総会といえば、株主が株主総会に参加して「物を申す」というイメージがありますが、カヤックでは面白株主のみなさまに「どうやったら一緒に世の中を面白くできるのか」を建設的に考えていただけるような総会になるようにを心がけています。
kayac5

4)240人をマネジメントするには

―現在約240人もの社員を抱えた企業へと成長されましたが、その大人数をマネジメントするには、どんな工夫をされていますか?

柳澤― カヤックでは「マネジメントなきマネジメント」を目指しています。各自が自分の仕事をしていながら、統率が取れている状態を理想としていて、一人ひとりがやりたいことをして、イキイキと生活していければいいなと思っています。それを実現するために仕組みは、職種を1つに絞ることでシンプルにしていくことです。仕組みをシンプルに保ちつつ、人数を増やしていくかということに力をいれています。

-「肩書きは人を動かすのに必要だと思っている人はカヤックに合わない」とブログでかかれていました。

柳澤― 権威や立場によって社員同士が会話しにくくなる環境を作りたくないと考えているので、なるべくフラットな関係構築を意識しています。というのも、貴重な意見が、力関係によって抑圧されることを避けるためです。自然と慕われている人が組織を動かしていくのであれば問題ありませんが、偉い立場だから人がついていくという状況にはならないように意識しています。
kayac3
―肩書きは、「一人前」と「半人前」の2つだけなのですか?

柳澤- 一応、社内ではもう少し細かく8段階で評価をしていますが、その評価軸は非常にシンプルになっています。さらに、その評価は社内でオープンにしています。現在の評価制度や組織のありかたは、日々バージョンアップしていますが、根本的な部分は創業当時から変わっていません。

―最後に、この制度を試してみるといい、というものを教えてください

柳澤― シンプルですが、ブレインストーミングが一番いいと思います(笑)働いている人たちの笑顔がふえる良い方法だと思います。

「ALL-IN」概要資料

生産性をあげる極意 無料小冊子プレゼント!

目次

  1. ALL-IN開発コンセプト
  2. ALL-INの機能紹介
  3. 料金比較
  4. 導入ポイント

Facebookページにぜひ「いいね」をお願いします!

「いいね!」を押すと「経営をアップグレードしよう!」の最新コンテンツが受け取れます

すべての業務がひとつにつながる、クラウド経営システム「ALL-IN」について詳しく知りたい方はこちら!

クラウド経営システム「ALL-IN」の
資料をダウンロードする(無料)