省力化, 経営コラム

なぜドイツは労働時間が短いのに、生産性は高いのか?経営者は抑えておきたい4つのポイント

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EUを率いる経済大国であるドイツ。しかし、ドイツが世界でも有数の「労働時間が少ない国」であることをみなさんはご存知でしたか?CNN Moneyによると、ドイツ人の週平均労働時間は35時間(日本は42.8時間)。平均24日の有給休暇も取得できるのに、失業率は5.5%に留まっているから驚きです。

主要先進34か国で構成されるOECD(経済協力開発機構)の中で、ドイツの労働生産性は34か国12位。21位の日本と大きく差をつけています。

それでは、ドイツではどのように高い生産性を維持しているのでしょうか?今回は、ドイツの生産性を高めている4つの労働文化をご紹介します。

勤務時間は仕事以外禁止

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ドイツの労働文化では、働いている時間に仕事以外のことをするのを良しとしていません。FacebookなどSNSを見ることから同僚とのおしゃべり、上司がデスクの前を通りかかった時だけニセのスプレッドシートを開いて「仕事をしているフリをする」といったことまで、仕事以外のことをすることを許さない労働文化があるのです。

BBCのドキュメンタリー「Make Me A German(私をドイツ人にして)」では、若いドイツ人女性がイギリス留学していた時に驚いたことを、こう語っています。

「イギリス留学中、オフィスで働いていた時、みんなプライベートなことについておしゃべりしていました。「今夜の予定は?」とか。そしてみんないつもコーヒーを飲んでいました・・・。」

彼女はカジュアルな労働文化を持つイギリス人の同僚たちに驚いたようです。しかし、これは日本でもよく見かける光景ですね。ドイツの職場では、Facebookはもちろん、プライベートなメールですら許されていないそうです。

手段より目的!だから率直なコミュニケーション

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ドイツでは目的達成に向けて高い集中力を保ち、直接的なコミュニケーションを大切にする文化があります。アメリカ人や日本人が、仕事中の世間話や職場の明るい雰囲気を大切にするのに対し、ドイツ人は遠回しに表現することを嫌います。

ドイツ人は、勤務の評価についてでも上司に直接話に行きますし、ミーティングでの「アイスブレイク」も行いません。また、お願いする時も回りくどい言い方をせずに、直接ズバッと言い切る文化があるのです。

例えば、日本人が「お忙しい中恐縮ですが、もし可能でしたら、商品を本日3時までに届けて頂けると幸いです。」と言うところをドイツ人なら「あの商品が3時までに必要です。」と言うだけで済ませてしまいます。

仕事中のドイツ人は集中力が高くて勤勉なことで知られていますが、この要素も短時間で高い生産性を上げることに繋がっています。

オン・オフのメリハリが効いている

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ドイツ人は「Work hard, Play hard(遊びも仕事も全力)」の文化を持っています。勤務時間中は生産性高く仕事することに集中しているため、勤務時間が終わると純粋にオフの時間を楽しむことができます。

仕事にしっかり集中する文化と少し堅いビジネスの文化を持ち合わせているため、ドイツ人は仕事が終わった後に上司から一緒に飲みに行くことを強要されることもありません。仕事とプライベートのメリハリが効いているのです。

ドイツ政府は仕事に関するメールを午後6時以降送ることを禁止する政策を検討しています。スマートフォンの普及によっていつでも従業員に連絡できるようになった雇用主から、ドイツの労働者たちを守るためです。

また、多くのドイツ人が「Verein」というソーシャルクラブに参加しています。ここでは共通の興味関心を持った人たちが定期的に集まり、趣味を楽しんでいます。

例えばスポーツクラブや合唱クラブ、音楽クラブ、ハイキングクラブからウサギやハトを飼育する動物クラブまで、ありとあらゆる趣味に関するソーシャルクラブが結成されているのです。

どんなに小さなドイツの村にもVereinはあり、ドイツ人の余暇を充実させています。テレビの前に座ってボーッとするよりも、ドイツ人はVereinに参加することでコミュニティを活性化させ、人々との交流を楽しんでいるようです。

有給休暇の長さもドイツの特徴です。ドイツの法律では20日以上の有給休暇取得が義務付けられていますが、ドイツ人は平均して24日の有給休暇を取得しています。こうして、海辺のコテージを借りて家族とゆっくりしたり、行ったことのない国に旅行に行ったり、バカンスを思い思いに楽しんでいるのです。

 企業が子育てを支援

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ドイツでは子供一人につき最長3年の「親時間」が認められています(日本は最長1年6ヶ月)。「親時間」は日本でいう「育休」ですが、男性でも取得しやすいようにこの名称に変更されました。

最長3年、というと、先進国の中でも特に長い育休期間です。この長い育休によって、企業が女性を雇おうとしなかったり、ドイツの女性管理職の割合は先進国の中でも低いといったデメリットはあるのですが、ドイツ政府はこの状況を改善しようと政策を打ち出し続けています。

親時間中の給与は会社から支払われませんが、会社が雇用契約を「休眠」させる形で、ドイツ人は子育てに専念することができます。また、週30時間までのパートタイムが許されているため共働きの夫婦はどちらがどれだけの親時間を取得するかを決めやすくなっているのです。

また、親時間の取得によって所得が減る人に対し、政府は子どもが生まれる前の平均賃金の67%を最長14ヶ月間支給しています。

このように育休が充実しているドイツ。社内の女性(もちろん男性も!)がイキイキと働けるため、生産性が高いのかもしれませんね。

おわりに

以上、ドイツの生産性が高い4つの理由をご紹介しました。日本とは異なる文化を持つドイツですが、意外と会社でも取り入れられそうなことが多かったのではないでしょうか?

例えば、オフィスではLINEの通知をオフにして仕事に集中したり、なるべく週末に持ち越さないように勤務時間中に業務を完遂させることを徹底したり、仕事の後はパソコンを見ずに家族との時間を大切にしたり、学べることはたくさんありそうです。

あなたの会社でも、ぜひドイツに習ったメリハリの効かせた企業文化を取り入れてみてはいかがですか?

参考:Why Germans Work Fewer Hours But Produce More: A Study In Culture

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