経営コラム

採用・営業・自己変革で使える、ある1つの教え

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“ 人は、場面と状況によって

人格や性格を使い分けられるほど器用な存在ではない ”

─ アルフレッド・アドラー

***

アドラー心理学は「現代心理学の源流」と言われています。

少し前に『嫌われる勇気』という書籍を通して大流行したのが、
まだ記憶に新しいですね。

僕もそのときにアドラー心理学と出会い、
今では自分自身の価値観の根底に、アドラーの教えを置いています。

アドラーの教えから学んだことは本当にたくさんあるのですが、
その中でも特に印象に残っているのが、冒頭にご紹介した言葉。

この教えはシンプルでいて、とってもパワフル!
様々な場面で応用できるので、重宝します。

今回は、この教えを基に、どんな業種・業態でも活用できる、
様々な場面への応用を次の5つの切り口から見ていきましょう。

【“人格は使い分けられない”を“逆に”利用するための5つの切り口】
1.  人は場面と状況によって、人格や性格を使い分けられない。
2.  “人”に対処するのは、とても難しい。
3.  採用で、相手の特徴を見抜く。
4.  営業で、購入のクセを見抜く。
5.  自己変革に、自分以外を使う。

【1】 人は場面と状況によって、人格や性格を使い分けられない。

アドラーは、
「人は人格や性格をコロコロと使い分けられるほど器用な存在ではない」
と言っています。

世の中に広く知られている言葉を考えてみても
この教えを裏付けるものは、たくさんあります。

例えば、
「追い詰められたときに、その人の本性が出る。」
という言葉も、その1つ。

人は、どんなに表面を装ってみても、
意識が及ばない部分に、本性がにじみ出てしまうのです。

だからこそ、私たちは「小さなこと」にまで、
しっかりと気を配らなければなりません。

例えば、昔から言われている言葉に、こんなものがあります。

「嘘付きは泥棒の始まり。お天道さまはいつも見ている。」

誰も見ていないときに、嘘をつくことを自分に許すと、
その他の場面でも、自分に嘘をつくことを許してしまいます。

そうしてだんだんと、嘘をつく癖がついてしまうのです。

こういった教えは、皆さんも
どこかで一度は聞いたことがあると思います。

今回、皆さんにお伝えしたいことは、
この教えの「もう一歩、奥」の部分。

実は、この教えを「逆に利用する」ことで、
人についての“いろいろなこと”が見抜けるようになるのです。

【2】“人”に対処するのは、とても難しい。

経営は「人の、人による、人のための活動」です。

どんな業種・業態であれ、
そこには必ず「人」が関わってきます。

しかし、そういった「人」の性格や特徴を見抜くのは、
とても難しいことです。

心理学の様々な研究や、経営者の様々な体験談が、
人を見抜き、特徴を把握することの難しさを示しています。

だからこそ、そういった”人”に対処するときには、
そういった難しさを補うための「ツール」が必要です。

アドラーの残した教えは、使い方を応用することで、
人に対処するための心強い「ツール」となります。

今回、具体的な活用場面として考えていくのは
「採用」「営業」「自己変革」の3つ。

それぞれの場面での「ツール」の使い方を、
ぜひ参考にしてみてください^^

【3】採用で、相手の特徴を見抜く。

採用におけるミスマッチは、どんな経営者も避けたいものです。

しかし、面接や試験の短い時間だけで、
その人の特徴や能力を見抜くのは、とても難しいもの。

熟練した採用担当者であっても、
人の能力を正確に判断するのは至難の業です。

だからこそオススメなのが
その人の「持ち物」に注目すること。

「人は場面と状況によって、人格を使い分けられない」
というアドラーの教えを逆手にとれば、

「長い時間、付き合っているモノに、その人の特徴が色濃く出る」
ということが言えます。

人は人格を使い分けることができないので、
「対人」「対会社」「対物」の付き合い方も、
使い分けることができません。

だからこそ、「対物」の付き合い方に注目すれば
「対人」「対会社」の付き合い方も推測することができるのです。

多くの経営者が、採用を考える上で最低限、気になるのが、
やはり次の2つだと思います。

1.仕事に真面目に取り組んでくれるか?
2.会社に長く残ってくれるか?

この2つの特性を見極めるためにオススメなのが
「文房具」「財布」「携帯」に注目することです。

この3つは社内・プライベートを問わず、接する時間が長いため、
人の特徴が現れやすくなっています。

例えば僕は、こんな感じで相手を観察します。

◯ 1つのモノを長く、キレイに使っている
・人と丁寧に接することができる
(要領よく関係をつくることができる)
・会社には長く残ってくれそう
・その分、保守的な傾向がある

◯ 1つのモノを長く使っているが、ボロボロである
・人に対して、長く・良好な関係を築くことができる
(属人的に手間暇をかけて、深い関係をつくる)
・会社には長く残ってくれそう
・コレと決めたものに一直線になりやすい
・柔軟な考え方・対応は苦手

◯ ほぼ全てが新しく、キレイな状態
・好奇心が強く、関係性の第一歩をつくるのが得意
・飽きやすく、長く深い関係性をつくるのは苦手
・会社に対する忠誠度は低めなので、その点は注意が必要

◯ ほぼ全てが新しく、ボロボロである
・好奇心が強く、関係性の第一歩をつくるのが得意
・仕事やモチベーションにムラがあるタイプ
・致命的なミスを起こす傾向がある
・会社には残るタイプ

他にも「物の扱い方」や「置き方」などでも、
その人の特徴を推測することができます。

もちろん、これだけで全てを語ることはできませんが、
「持ち物と特徴の関係性」をずっと観察していくと、
いろいろと見えてくるものがあると思います。

【4】営業で、購入のクセを見抜く。

営業の場面では、「相手は、どういうタイプなのか」を
見抜けると、成約へ導きやすくなります。

この場合でも、
「人は場面と状況によって、人格を使い分けられない」
という教えを応用することができます。

つまり「人が商品を購入するときの流れ」も、
商品の特徴が似ていれば、基本的には変わらないのです。

だから、商品の販売を進めるときに、
「相手の購買体験」を引き出すと、大きなヒントになります。

例えば「一生に数回しか買わない高級なもの(車・宝石など)」の
販売を考えるときには、「海外旅行のこと」を聞き出すのが効果的です。

相手が

「お店を選ぶところまでは慎重に進めるけど、
お店を決めた後は担当者の勧めるままに決める」

という購買体験を持っていたとすれば、
車や宝石を買う場合にも、同じプロセスを辿る可能性が高いのです。

こういった傾向がわかったら、
それを踏まえた戦略で営業を進めていくと
成約の確立を高めることができます。

この方法を活用する際には、
次の2つのステップで考えてみてください。

1.販売する商品の特徴を考える
2.他の商品で言えば、何に似ているのか?を考える

例えば「会員制のビジネス」であれば、
「他の会員制ビジネスの入会体験」が有効な情報になります。

「自社の商品の購買の流れは、何に似ているだろう?」を、
考えてみてください。

【5】自己変革に、自分以外を使う。

「自分を変えたい」という欲求は、
どんな人にも、少なからず存在すると思います。

でも、自分を変えるって、やっぱり難しいですよね。

自分の思考や習慣、癖を変える方法に悩んでいる方も
多いのではないかと思います。

そんなときにも、
「人は場面と状況によって、人格を使い分けられない」
というアドラーの教えが役に立ちます。

例えば「3日坊主を治したい」と思ったとします。

多くの人は、新しいことに取り組み、
「3日以上、続けること」に挑戦します。

でも、それだと身につく可能性は低いです。

ここで必要なのは、
「人は場面と状況によって、人格を使い分けられない」
という教えを思い出すこと。

つまり「どんな状況・場面」であっても、
「続ける」ということができるようになれば、
3日坊主の癖を治すことができるのです。

例えば「毎日、靴下は左足から履く」ということを、
2週間ほど続けてみてください。

これができるようになったら、
次は、もう少し違うものに挑戦します。

例えば「毎日、電車に乗るときは、左足から乗る」など。

そして、これができたら次は・・・という風に、
ものすごく簡単なことで良いので、
「やる」と決めたことを毎日、続けていくのです。

こういったことを続けていくと、
自然と「続ける力」が身についていきます。

ある場面で、何かができるようになれば、
他の場面でも、同じことができるようになるのです。

今回、ご紹介した例でなくても、例えば「人との関係性の作り方」は、
「物との関係性の作り方」を意識することで変えることができます。

◯ 物を置くときに、丁寧に置く。
◯ 毎週、メンテナンスを欠かさないようにする。

こういった丁寧な接し方が「対物」で、できるようになると、
自然と「対人」でも同じような接し方ができるようになっていきます。

***

「人は場面と状況によって、人格を使い分けられない」

このことを意識しながら毎日を過ごしていくと、
本当にたくさんの気づきと発見があります。

今回は「採用」「営業」「自己変革」という3つの場面を
ご紹介しましたが、他の場面でも活用の方法が考えられます。

ぜひ、様々な場面試してみてくださいね^^

そして、他の場面での応用の方法が見つかったら、
ぜひ、僕まで教えてください!

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。 Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。(http://www.entrepreneur-ac.jp/mail/entre-magazine/)を「こちら」に挿入!

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