経営コラム

会議の効率を2倍にする、今日から実践できる11の工夫

em46  「何のために“会議”ってするんだろう?」

僕がそのとき、最初に考えたのは「この問い」でした。

今回は、僕が“あること”をきっかけに「会議の在り方」について考え、
実践してきた方法を、具体的にお伝えします。

■【0】会議を再定義する ■

きっかけは、定例会議の進行を全面的に任されたことでした。

「次回から、会議の進め方は君に任せる。」

そう言われた僕は最初、とても戸惑いました。

「会議のやり方なんて、全然詳しくないぞ…?」

どうしようか…と悩んだのもつかの間、僕はすぐに思い直し、
この課題とゼロベースで向き合ってみることを決意しました。

まず最初に僕が考えたのは、次の問いでした。

「そもそも会議って、何のためにするんだろう?」

その問いに関する僕の答えは、
「仕事を“進める”ため」というもの。

そこからは、芋づる式に問いを考えていきました。

 Q. 仕事を“進める”ためには何が必要?
→A. 具体的な“行動”を決めること

Q. “行動”はどうやったら決まる?
→A. たくさんの“アイデア出し”と“議論”が必要だ!

ここまで自問自答したところで、
僕が目指す会議の方向性が決まりました。

それは

「会議とは“行動”を決定する場である。」

というもの。

それに従って、僕は以下の2つを決めました。

  1. 全ての会議は“行動”を決めるために行う
2. “情報共有”のための会議は開催しない

“情報共有の場”をなくして大丈夫…?

そんな声が聞こえて来そうですが、
「会議の最中に情報共有の時間をとらないこと」も、
実は大きなポイントなのです。

詳しい理由は、後ほど詳しくお伝えしますね。

また、“そういう場”は、
どんなに禁止しても次々と立ち上がってくるもの。

「根絶する」くらいの気持ちで取り組んでいて、
ちょうど良いのではないかと思います。

では「“行動”を決める会議」を実現するためには、
何が必要なのでしょうか?

僕はまず、「事前の準備」を設計しました。

■【1】事前の準備 ■

会議の場は「練習」ではなく「本番」です。

全員が限界まで頭をひねり、多くのアイデアを出し、
最も有効な行動を決定する場が「会議」なのです。

そういった場をつくるためには、
「事前の準備」が欠かせません。

僕が主催する会議では、
必ず事前に、以下の項目を決めます。

[事前に準備する項目]
A. 会議テーマの設定
B. 会議ゴールの設定
C. 事前資料の共有
D. 事前に考えて来ることの共有
E. タイムラインの設計

【A. 会議テーマの設定】

会議は必ず「1会議1テーマ」で行います。
テーマが複数ある場合は、その数だけ会議を設定しましょう。

このときには、テーマを「大きくしすぎない」ことが大切です。

不思議なもので人間は、テーマが大きすぎたり、漠然としていたりすると
アイデアが浮かびづらくなってしまいます。

例えば「売上を上げる方法」というテーマだと、
アイデアが出て来ません。

もっと絞り込んで

売上を上げる方法
→◯◯という商品の売上を上げる方法
→◯◯という商品の露出先を増やす方法
→ …

というように、テーマは小さく設定しましょう。

【B. 会議ゴールの設定】

ゴールも明確に設定します。

「何を決める会議なのか?」を
きちんと定め、事前に参加者に共有しましょう。

そして、1つの会議をなるべく短く終えることを考えます。

1時間を越える長時間の会議は設定せず、
話す内容が無くなれば、予定時間まで余裕があっても
会議を終了します。

※3時間の会議などをする場合は、
1時間の会議×3などに分割してみてください。効率が全然違います。

【C. 事前資料の共有】

「会議に必要な資料」や「見ておいて欲しい情報」は
事前に共有します。

とにかく、会議中に「情報共有」の時間を
つくらないようにしましょう。

【D. 事前に考えて来ることの共有】

会議の場は「本番」です。

その場で出たアイデアが、参加者の頭を刺激し、
「1人では出せない結果」を生むことに、会議の意味があります。

ですから「その場に至ってから考え出す」のでは、
せっかくの会議の時間がもったいないのです。

あらかじめ「各自で考えられる限界」までは考えておいて、
それを吐き出すところから始めましょう。

【E. タイムラインの設計】

もうひとつ重要なのが「タイムライン」をつくることです。

会議全体の時間をどのように使うのか?を
あらかじめ設計しておきましょう。

例えば、以下のように設計します。
これは、私たちが朝に行っている会議のタイムラインです。

7:30~7:35(5分)  課題点の共有
7:35~7:40(5分)  テーマの確認・背景の共有
7:40~8:10(30分)ブレスト・意見出し
8:10~8:25(15分)会議をまとめ始める
8:25~8:30(5分)  決まったことの確認

このような準備をした上で、
会議の当日に挑みます。

■【2】会議の本番 ■

実際の会議では、次のことを実践します。

[会議本番で実行すること]

A. 会議ルールを徹底する
B. ホワイトボードを使う
C. 会議の注意点

ひとつずつ、見ていきましょう。

【A. 会議ルールを徹底する 】

僕が行う会議では、次のようなルールを設定しています。

・情報共有に時間は割かない。
→予め見てきてください。

・話すことがなくなった時点で会議を終了。
→必ずしも定時まで開催しません。

・スタンディング(立ち)で実施。
→議事録係のみ、着席可能です。
(“立ち”でやるとアイデアが出やすくなんです!試してみてください。)

・議事録係以外はPCの持ち込み禁止。
→“頭をひねる”ことに集中するため、気が散る原因になるものを無くします。

・発言をしないなら、来ないでください。
→会議は任意参加です。
ただし、この場で「意思決定」をします。
決まったことには従うこと。嫌なら出席して意見を出してください。

・基本的に「否定」は禁止。
→否定をするのであれば、必ず代案を出してください。

・あいまいな表現を禁止。
→「たくさん」「いっぱい」「なるはや」など、曖昧な表現を禁止します。
きちんと数値、もしくはデータを提示してください。
(その場では厳密に示さなくてもOK。その場合は会議後に提示。

・「行動」まで落とし込む。
→「誰が」「何を」「いつまでにやるか」まで落としこんで終了とします。

【B. ホワイトボードを使う】

会議はホワイトボードに書きながら進めていきます。

今回は書き方については詳しくお伝えしませんが、
ポイントは次の3つです。

1.全員の発言を漏らさず書く
→ボードは発言を「受け止める」役割を果たします

2.1会議を1ボードにまとめる
→まとまりきらない場合は、会議時間が長すぎる可能性が高いです

3.ファシリテーターが書く
→書き手を別につくると、会議を進めづらくなります。

【C. 会議の注意点】

会議を進める上では、次の点に注意してください。

1  アイデアの「数を出す」時間と「絞り込む」時間を区別する

→「数を出す」時間は否定禁止。
とにかく「量」を出すことを心がけます。

そのあとで、アイデアを「絞り込む」時間を取って、
良し悪しを選別していきます。

この「今、何を考える(発言する)時間?」を、
ファシリテーターがきちんと示すことが、とても重要です。

2.ファシリテーターが時間を測る

→会議の主催者がファシリテーター(会議の進行役)を努めましょう。

→タイマーを手に持ち、時間を図りながら進めてください。
時間内に最大の成果が出せるかどうかは
ファシリテーターの進行にかかっています。

3.必ず“行動”を決める

→これが、とても重要です。
最後は必ず「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を決めます。

時間内に決定しきれない場合は、
必ず「その場」で“次回の会議日程”と“考えてくること”を決定します。

会議が終わったら、
もうひとつだけ、忘れずにやっておくことがあります。

■【3】事後の共有 ■

会議の終了後は、参加者の全員に
メールで議事録を共有します。

このときに会議で使ったホワイトボードの
写真を撮り、一緒に添付しましょう。

このサイクルをつくることで、
「あれ?何をやればいいんだっけ?」ということがなくなります。

***

ここまでで、1つの会議が終了します。

後は、決められた“行動”を実行し、
その結果に応じて、また会議を開催していきます。

どんな仕事でも、その中身は
「議論→決定→行動→振返り→議論…」のサイクルで進んでいくもの。

会議の効率が変われば、仕事の速度が大きく変わります。
今回ご紹介した内容を、ぜひ一度、実践してみてください。

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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目次

  1. はじめに
  2. 数千社の経営を見てきた専門家が考える「経営が上手くいかない最大の原因」
  3. 優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと
  4. あなたの会社の生産性が上がらない2つの理由
  5. システムを導入すべき理由と7つのチェックポイント
  6. おわりに

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