ふらっと立ち寄ったお店でのできごと
「うちも、商売なんでね」
先日ふらっと立ち寄ったお店で、店主から言われた言葉です。
そして、僕はもう二度と、このお店には行きません。
いったい、何があったと思いますか?
本日は僕の2つの体験から、CLVについて考えます。
CLVって何だ?「もう行かない」って話は?
ハテナがたくさん頭の中に浮かんでいるかと思います。
ひとつずつ順番にご説明いたします。
また行くお店。もう行かないお店
ふらっと立ち寄ったお蕎麦屋さん。
最近、駅前に出来たお店です。
中に入ると、カウンターと大きな注文ボードが目に飛び込んで来ます。
そばもうどんも丼ものもメニューにあって、
立ち食いそば屋さんみたいなイメージのお店です。
友人と2人だったのですが、僕はもうご飯を食べ終わっていました。
席について、友人が蕎麦を注文します。
すると、店主が僕にこう言います。
店:「お客さん、注文は?」
僕:「僕はいらないです。」
店:(めんどくさそうな顔をして)
「1人1品の注文をお願いしているんですよね。」
なるほど。スペースを使ってしまいますし、
もっともな意見かもしれません。(ちなみに、店内はガラガラです。)
僕:「そしたら、飲み物でもいいですか?」
店:(苦笑した後)
「食べ物でお願いします。」
僕:「じゃあー。。冷奴ください。」
店:(さらに苦笑した後)
「いやいや、そういうメニューじゃなくて、
ちゃんとした食事を頼んでくださいよ」
僕:「すみません。僕はもうご飯食べちゃったんですよ。
なんとかならないですかね?」
店:「いやー、困りますね。こっちも商売なんでね。」
僕と友人は「そうですか。」と言って食べずにお店を出ました。
そして、二度とこのお店には行きません。
店主は「商売なんでね」と言っていましたが、
実は「商売だからこそ」考えなければならないことがあったのです。
CLV(生涯顧客価値)って?
会社の収益のほとんどが、何からつくられるかご存知ですか?
マーケティングの大家であるフィリップ・コトラーはこう言っています。
「収益の90%は既存顧客からもたらされる」
会社の収益のほとんどは「リピーター」によって支えられています。
だから「一度の販売でどれだけ多く支払ってもらうか」ではなく、
「どうやったら末永いお付き合いをしていただけるか」を考えることが
実は、収益を増やす一番の近道なんです。
実際、お客さんの離反率(リピーターじゃなくなる率)を
5%減らせば、利益は25%~85%増えると言われています。
「1人のお客さんがこれまで自社の商品に合計いくら支払ってくれたか」の
指標を「CLV(生涯顧客価値)」と言います。
CLVを「いかに高めるか」が増益の秘訣です。
では、CLVが高いとは具体的にはどういうことか?
僕は先日、あるカフェで改めてCLVを考えるきっかけに出会いました。
小さな「損」が大きな「利益」を生む
サンドイッチがメインのカフェに行ったときのことです。
このお店は全商品がテイクアウトできるのですが、
ランチセットについているフレンチトーストが特に絶品なんです!
その日も、フレンチトーストが食べたくなってお店を訪れました。
(もちろん、サンドイッチもとても美味しいです。)
でも、僕はすでに別のお店で珈琲をテイクアウトしていました。
お腹もそこまで空いていなかったのでランチセットは頼みたくない。
でも、サンドイッチとフレンチトーストは食べたい!
こうやって文章で書いてみると、ただの僕のわがままですね(笑)
店員さんに状況を説明したところ、
やはりフレンチトーストは単品では売っていないとのこと。
[しょうがない。ランチセットを買うか。。]
そう想っていたのですが…
この後の店員さんのひとことに、僕は驚かされます。
「わかりました。そしたら、サービスしますよ。」
思わずきょとんとしてしまいました。
それを尻目にテキパキとレジを打つ店員さん。
お会計はサンドイッチ1つ分の金額でした。
お店は損をしたのでしょうか?
僕はむしろ、逆だと思います。
この一件で、お店は大きな「売上」を上げたのです。
どういうことか?ご説明します。
「長い目で考える」ということ
僕はこのカフェにまた行きます。
次は友人を連れていくかもしれないし、
ディナーの時間に行くかもしれない。
そして、友人にも「おすすめのお店」として紹介します。
お店はサービスをした分、損をしたかもしれません。
でも、それによって「将来の売上」を立てたのです。
最初に紹介したお蕎麦屋さんの場合は、まったくの逆です。
僕は二度とこのお店には行きません。
短期的な売上のために、
「将来の売上」の全てを放棄してしまったのです。
しかも、僕は友人にこの「お蕎麦屋さんの話」もします。
少なくとも、僕の周囲の人間はこのお店には行かないでしょう。
目先の売上ではなく、どうやったら末永くお付き合いしてもらえるかを
考えることが、利益を高める一番の近道なのかもしれません。
どうやったら、リピーターになってもらえるのか?
どうやったら、ファンになってもらえるのか?
ぜひ、この2つの問いを考えてみてください。
※この記事は、2013年3月28日発行のメールマガジン「Entre Magazine」から抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。
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