(2023/02/12情報更新)
「予想外の大ヒット」はお客さまの声にあり!
2月。
毎年この受験シーズンは各地で大雪が降ります。
東京も例に漏れず、大雪警報が発表されました。
いつもなら10分で帰れる駅から家までの道のり。
国道に車はなく、歩道を歩く人もなく、
私は向かい風で吹き付ける雪に抗いながら、
雪に埋もれた道なき道を歩み続けました。
そんな中、ふと思いついたのは“エスキモー”のこと。
ずっと雪と氷の中で暮らしている彼らにとっては、
このくらいの雪はどうってことないのだろうなぁ…と。
「彼らのように犬ゾリに乗って楽に進みたい」
なんて思いながら、普段の倍以上の時間をかけて、
全身真っ白になりながら、ようやく家に到着。
ところで、エスキモーといえば、
こんな話を聞いたことがありますか?
“エスキモーに冷蔵庫を売る”
「え、必要ないでしょ?!」
そう思いますよね?
でも実は、冷蔵庫はエスキモーたちにとって、
なくてはならないものなのです。
いったい何故?
どうして売れたの?
今回は、この不思議な話からスタートして、
「売り方しだいで、どんな商品も売れる!」
ということについて考えていきたいと思います。
冷蔵庫 = 温蔵庫?
寒い場所に暮らすエスキモーに、
なぜ冷蔵庫が必要なのでしょうか。
それは、「あまりの寒さに食べ物が凍ってしまうから」です。
実は、極寒の地に住むエスキモーたちにとっては、
冷蔵庫の中の方が、外気温よりも温かいのです!
だから、屋外の貯蔵庫で凍ってしまう食べ物を、
屋内で凍らせずに保存できる貯蔵庫として、冷蔵庫が売れたのです。
彼らにとって冷蔵庫とは、いわば「温蔵庫」。
冷蔵庫の本来の役割である「冷やす」ことではなく、
「凍らせない」ことができるから、ヒットしたのです。
面白い話ですね。
この話から分かるのは、
「売り方を変えるだけで、どんな商品も売ることができる」
ということです。
実はこの話のように、
「本来の用途とは異なる使い方」で大ヒットした商品は多いです。
いくつかその例を見てみましょう!
逆転の発想で大ヒット!
** その1 海苔から紙へ **
「シュレッダーばさみ」をご存知でしょうか?
その名の通り、シュレッダーの役割を果たすはさみですが、
普通のものと違い刃がたくさん付いていて、
一切りで紙を細かく刻んでくれます。
領収書や銀行の残高明細など、ちょっとした紙はこれで十分。
実はこのシュレッダーばさみ、
できた当初は「刻み海苔」を作るためのものでした。
なぜ紙用になったのか?
それは、
「うちはシュレッダーとして使ってるよ!」
というお客さまの一声があったからです。
海苔用として売っていた当初は、3万本程度の売り上げだったのが、
安くて早くて簡単なシュレッダーとして大ヒット!
なんとその後5年間で、100万本も売り上げたそうです。
ちょうど売り上げが停滞気味だった時に聞いた、お客様の声。
まさに、鶴の一声だったようです。
** その2 建築現場から女の子へ **
「マスキングテープ」という名前を聞くと、
もしかすると男性と女性でイメージするものが異なるかもしれません。
女性が聞くと、カラフルでデザイン性のある
可愛いテープを思い浮かべるのではないでしょうか。
ノートの表紙を可愛くしたり、小物に貼ってカラフルにしたりと
何にでも使える素材として女性に大人気のマスキングテープ。
でも、元々このテープを作っている会社は、ハエ取り紙や、
建設現場などで使う無地のマスキングテープを作っていました。
ところがある日、この会社の工場に女性3人が訪ねてきます。
マスキングテープの大ファンだという彼女たちは、
ぜひ工場を見学したい!とやってきたのです。
工場を見学した後、
彼女たちから「オリジナルのテープがほしい!」という声があがりました。
しかし、元々テープは工業用のため、
“オリジナルテープを一つだけを作る”ということができません。
一度はオリジナルの製作は難しいと断念しかけました。
しかし「不可能に思えることにも“ノー”と言わない」
が信条の、この会社。
なんと、実際に制作することを決めてしまったのです!
それから約1年半の歳月をかけて、
この会社は彼女たち3人と共に、新たなテープを生み出しました。
それこそが今女性に大人気の、
あの可愛いマスキングテープなのです。
今や世界的に有名となったカラフルなマスキングテープも、
彼女たちの熱い要望がなければ、存在していなかったでしょう。
** その3 食器からプラモへ **
型落ちした「食器乾燥器」。
これが、意外な層にヒットしました。
主婦ではありません。
では一体誰に?
その答えは、
某・大型ネットショッピングサイトにありました。
「食器乾燥器なんて名称が付いていますが、何かの間違いのようです。」
「模型用の乾燥ブースとしてのシェアNo.1じゃないでしょうか」
こういったレビューからも分かるように、
「プラモデルが好きな人たち」
彼らが、この乾燥機の主な買い手です。
「大容量、タイマー付き、安価」という点が、
彼らがこの食器乾燥機を重宝する理由のようです。
最初に目をつけた方の着眼点が素晴らしいですが、
さすがに食器乾燥器を作った会社も、
プラモデルを乾かすために使われるとは思っていなかったでしょう。
お客さまの声を聞いて「売り方」を考える
以上は、いずれも商品本来の用途とは別のところに
意外な需要があったという例です。
商品を購入した後、
どのように使用するかはお客さまの自由。
思いも寄らない使われ方をしている商品は多いはずです。
だからこそ、お客さまの声を聞くことが重要なのです。
特に、まだ市場が小さかったり、あまり売れていない商品は、
一度お客さまにフィードバックをもらうと良いと思います。
“良かった・悪かった”だけではなくて、
「どうやって使っているか、どんな風に良いか」
と詳しく聞いていくと、そこに新たな市場があるかもしれません。
シュレッダーばさみなどはまさにその例です。
違った用途向けにパッケージや商品名を変えて売り出したとたん、
瞬く間にヒット商品となりました。
「商品はまったく変わっていないにも関わらず」です。
お客さまの声を聞くだけでヒットするかもしれないとなれば、
やらない手はないでしょう。
「その他」の感想を見逃さない
お客さまに「良い・悪い」以外の感想をもらうのは、
簡単なことではありません。
ですから、例えば
・お客さまに商品を実際に使用しているところを見せてもらう
・「こんな使い方しています!」を募集中!とメルマガやWebに掲載する
・Webの質問サービスで、どのように使用しているかを問いかけてみる
・SNSやポータルサイトで問いかけてみる
などなど、何か行動できることはあると思います。
そうして多方面から集まった「使い方」の中には、
新たなアイディアの原石があるはずです。
感想の受け取り手は、「良い・悪い」の感想だけでなくて、
そう言った「その他」に分類されそうな意見にこそ、
注目してみるべきなのかもしれません。
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