経営コラム

デキる人だけ知っている「スキル習得時間の80%」は「最初の20%」で決まる

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大学2年生のころ、金属を扱う幼なじみの芸術家と
よく、一緒に時間を過ごしていました。

彼から学んだことは、数え切れないほどたくさんあるのですが、
その中のひとつが、「珈琲(コーヒー)のおいしさ」。

お酒を飲まない彼と落ち合うのは、
いつも街の喫茶店でした。

入口のドアを押すと「ちりん ちりん」と
ベルの小気味の良い音。

無口なマスターはいつも淡々と、
美味しい珈琲を淹れてくれます。

当時の僕たちは、持て余すほど「時間」があるのを良いことに、珈琲1杯で、
5時間以上におよぶ討論なんてものを、しょっちゅう繰り広げていました。

そんなこともあって、僕は大学生の頃から珈琲が大好きです。

今でもよく、街の喫茶店に出かけては
お店ごとにコダワリの違う、珈琲を楽しんでいます。

最近まで、僕は「飲む専門」だったのですが、
ひょんなことから、自分でも淹れてみることにしました。

始めてはみたものの、これがとても難しく、
自分の思った通りに淹れられるようになるまで、
えらく時間がかかってしまいました。

「反省点」というものは、
いつでも「振り返ったときにだけ」見えるもの。

スキルを身につけるまでの期間を振り返ってみると、
「もっと効率の良い方法があったよなぁ」と気付きます。

今回は、自分が新しいスキルの獲得に挑戦し、
習得するに至った道のりを振り返り、その反省から
「スキル習得の近道」について考えてみます。

「スキル習得時間の80%」は「最初の20%」で決まる

何がきっかけだったのか、今はもう、覚えていません。

たまたま寄った雑貨屋さんで、
僕は珈琲を淹れるための器具に手を伸ばしていました。

どれがいいか特に調べたわけでもなく、
購入したのは、何となく「カッコイイやつ」。

(後に、これが最も難しいタイプの器具だと
知ることになります。。笑)

珈琲豆も買って来て、ウキウキしながら、
始めてのドリップに挑戦。

でも、これが、長い道のりの始まりでした。

うまくいかない理由が、わからない

初めて自分で淹れた珈琲をひとくち、口に含んで、
僕は絶句してしまいました。

まずい。とっても、まずい。

僕が今まで飲んで来た、喫茶店の美味しい珈琲たちには
遠く及ばず、圧倒的にマズイのです。

しかし、僕は諦めの悪い性格。
気を取り直して、もう一度挑戦します。

そして、珈琲をひとくち。

まずい。やっぱり、まずい。

どうやら、何か方法を間違っているようなのです。
でも、どこが原因なのか僕にはさっぱりわからない。

この時点での一番の悩みは、

「何でうまくいかないのか、わからない」

ということでした。

遠回りの道は、知らぬ間に始まる

珈琲の味を決める要素は、実にたくさんあります。

◯ 豆の種類
◯ 焙煎の程度
◯ 粉の挽き方
◯ 粉の量
◯ 粉の鮮度
◯ お湯の温度
◯ 抽出時間
◯ 抽出方法
◯ 器具の形 etc…

初心者の僕には、それらのうち、
いったいどこが間違っているのかわかりません。

わからないので、“当たり”をつけて調べていきます。

当時の僕は「淹れ方が悪い」と予想し、
何回も繰り返し「淹れ方」を練習していきました。

今思えば、これが遠回りの原因。

いろいろと調べていってわかったのは、
「淹れ方より前のステップ」が問題だったということ。

つまり僕は「問題じゃないところ」を
改善することによって、「問題を解決」しようとしていたのです。

これでは、結果が良くなるはずもありません。

何か新しいスキルを身につけるとき、
「とにかく量をこなせ」と言われることが多いと思います。

でも、反復練習を繰り返しているはずなのに、
ちっとも技術が身につかないことがある。

先程の、僕の例がまさにそれ。
ここに「反復練習」の罠があります。

「量が質を生む」ために必要な3つの条件

「量が質を生む」とは、良く言われることです。
僕も、これには全面的に共感します。

ただ、そこにはいくつかの条件があるように思うのです。

 【反復練習で成果を上げるための3つの条件】

1.評価基準が明確である
2.“正しい方向”に向かっている
3.理想的な状態がわかっている

この3つを満たす状態で「量」をこなすと、
スキルが身についていきます。

つまり、この状態になるべく早くたどり着くことが、
スキル習得時間を短縮するための鍵。

それではいったい、どうすれば良いのでしょうか?

スキル習得の「4つの段階」

スキルアップには次の4つの段階があります。

1.知らないということを、知らない
2.知らないということを、知っている
3.知っているということを、知っている
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
4.知っているということを、知らない

1~3の段階が「知識の習得」、
そして4~ が「実践できる状態」にあたります。

この中で、特に難しいのが1→2、2→3のステップ。

まず、1→2のステップでは、
自分が把握していない問題を「知る」ことが必要となります。

それは「無いものを認識する」ようなもの。
「知らないことを、知る」というのは、とても難しいことです。

ここに気づくと初めて「学ばなくてはならない」ことを知ります。

次に、2→3のステップでは
「じゃあ何が正解?」ということが問題となります。

正解がわからなければ、どちらに進めばよいのかが
わからなくなってしまいます。

この2つのステップを乗り越えれば、
後は「学んで」→「反復練習」を繰り返すことで
スキルを習得することができます。(3→4、4~のステップ)

つまり、特に重要なのがステップの1→3。
スキルの習得は「学び始め」で決まると言っても過言ではないのです。

スキル習得時間の80%は「最初の20%」で決まる

スキルアップの段階をスムーズに進めるためには、
なるべく早い段階で「全体像」を把握する必要があります。

「全体」を把握してから、「部分」を習得する。
これが、一番の近道です。

そのためには、何をすればよいのでしょうか?

今回、自分でいろいろと調べ、
試行錯誤した経験を振り返り、思うこと。

それは…

「専門家に聞くのが、一番早い」

ということです。

自分で時間をかけて、情報を集めるよりも、
すでにそれを体系立て、まとめている専門家に
話を聞く方が断然早い。

スキルアップの4段階で言えば、
ステップ3までは専門家に学び、全体像を知る。

そして、理想と現実とのギャップを認識した上で、
それを補うための「実践」に時間を投下する。

それが、最も効率良く、
短時間でスキルを習得する方法のように思います。

また、実践していく上で知っておくべきなのは、
「知っている」ことと「できること」の間には大きな溝があること。

ステップ3→4の溝を埋めるためには、
何回も何回も、反復練習を繰り返すことが必要です。

その「量」をこなすときに

1.自分が正しいことをしているのかわからない状態
2,自分が正しい方向に向かっているのが確かな状態

この2つのうち、どちらの状態で取り組むか。
それによって、こなせる「量」が大きく変わります。

“安心して”量をこなすためにも、
最初に「全体像」を掴み、正しい方向性を知ることが重要なのです。

スキル習得が必要になるタイミングは身近に溢れている

まったく新しいスキルを習得しなければならないタイミングは
身近にたくさんあります。

例えば…

◯ プレイヤーから、マネージャーになる
◯ 仕事Aをやっていたが、仕事Bをやることになる
◯ 会社の従業員から、起業して経営者になる

どのパターンでも、変化の後に取り組む内容は、
それまでと全く違うものになります。

何か新しいことに取り組むときは、スキルアップの4段階と、
スキル習得の“近道”を実践してみてください。

勇気を出して、専門家や詳しい人に教えを請い、
最初に「全体像」を掴む。

そして、「実践」に時間を投下することによって
スキル習得までの時間を大きく節約できることと思います。

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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目次

  1. はじめに
  2. 数千社の経営を見てきた専門家が考える「経営が上手くいかない最大の原因」
  3. 優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと
  4. あなたの会社の生産性が上がらない2つの理由
  5. システムを導入すべき理由と7つのチェックポイント
  6. おわりに

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