日本には約400万社の企業が存在しています。では、この400万社全ての企業のマネジメントがうまくいっているでしょうか。そうではないでしょう。ほんの一握りの企業だけが利益を出し、成功しているのが現状です。ベンチャー企業の生存率もいまだに低いです。
では、どうすればマネジメントは成功するのか。多くの経営が喉から手が出るほど知りたいことでしょう。実はそのヒントはP.F.ドラッカーが書いた「マネジメント〜基本と原則〜」に隠されています。時代を超えて支持される名著からマネジメント成功の秘訣を掴み取りましょう。
マネジメントの3つの役割
マネジメントが必要とされるのは社会にある全ての組織です。では、この全ての組織において必要とされるマネジメントの役割とは何でしょうか。なぜ、組織はマネジメントを必要とするのでしょうか。ドラッカーは以下の3つがマネジメントの役割であるの述べています。
①自らの組織に特有の使命を果たす。マネジメントは、組織に特有の使命、すなわちそれぞれの目的を果たすために存在する。
②仕事を通じて働く人たちを生かす。現代社会においては、組織こそ、一人一人の人間にとって、生計の糧、社会的な地位、コミュニティーとの絆を手にし、自己実現を図る手段である。当然、働く人を生かすことが重要な意味をもつ。
③自らが社会に与える影響を処理すると共に、社会の問題について貢献する。マネジメントには、自らの組織が社会に与える影響を処理すると共に、社会の問題の解決に貢献する役割がある。
3つの役割を果たす日本の成長企業
上記で述べたマネジメントの3つの役割を果たし、成長をしている企業はどんな企業なのでしょうか。今成長著しいベンチャー企業3社を紹介いたします。
レバレジーズ
レバレジーズ 株式会社は自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業を主に行う成長ベンチャー企業です。ミッションは「顧客の創造を通じて、関係者全員の幸福を追求し、各個人の成長を促す」を掲げています。
さらに意識調査機関Great Place to Workが2018年に発表した「働きがいのある企業ランキング」で19位にランクインしています。
また社会問題をビジネスで解決するというスタンスで企業経営を行っています。つまりドラッカーが示すマネジメントの3つの役割をしっかりと果たしていることがわかります。
その結果、レバレジーズ は未上場ながら設立13年で売上200億を超える成長企業になれたと言えるのではないでしょうか。
パーソルキャリア
パーソルキャリアは「雇用の創造・人々の成長・社会貢献」を経営理念として掲げている人材事業を行う企業です。パーソルキャリアもレバレジーズ と同様、Great Place to Workが2018年に発表した「働きがいのある企業ランキング」で11位にランクインしています。
パーソルキャリアは、今後日本が直面する一番の社会問題は労働人口減少であると考え、その課題解決のサービスを展開する企業です。
リンクアンドモチベーション
「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」というミッションを掲げ、組織開発と人材開発の2つの軸で事業展開している企業がリンクアンドモチベーションです。
リンクアンドモチベーションは就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」が発表した、「働きがいのある企業ランキング2018」にて6位にランクインしています。
日本労働者の企業の対するエンゲージメント、つまり帰属意識が世界的にも低いという課題を解決するため、モチベーションエンジニアリングという概念を用いて日本の組織と個人をモチベーションという観点から変革しようとするユニークな企業です。
リンクアンドモチベーションも2000年の創業以来、順調に右肩上がりに成長し、すでに東証一部上場も果たしています。
企業とは何か
企業は営利団体と捉えてはならない
企業とは何か?企業の定義とは?と問われたとしたら、なんとお答えになるだろうか。多くの人は営利団体であると答えるが、ドラッカーはこの答えを的外れであると言い切っています。なぜなら利益は企業活動において確かに必要不可欠なものであるが、ただの手段であって、目的ではないからです。しかし、経営判断の妥当性を判断するのに利益はなくてはならないものであるため、関心は払う必要があります。
企業の目的は顧客の創造
企業とは何かという答えを決めるのは実は経営者である読者の方々にはできません。つまり、企業とは何かを決めるのは顧客だからです。
なぜなら企業は社会の機関であり、企業の目的は社会にあります。つまり、企業の目的の定義は顧客を創造することであるからです。この顧客を創造するために企業が持つべき機能はたった2つとドラッカーは言います。それが、マーケティングとイノベーションです。つまり、マーケティングとイノベーションだけが企業に成果をもたらすのです。
マーケティング
あなたの企業でマーケティングを行っているでしょうか。おそらく全ての企業でイエスという答えが返ってくると思います。しかしドラッカーはほとんどの企業がマーケティングというコトバに振り回され、真のマーケティングを行えていないと言います。真のマーケティングとは、ただ作った製品を広めることでも販売することでもありません。
真のマーケティングとは顧客からスタートし、「われわれは何を売りたいか」ではなくて、「顧客は何を買いたいか」を問うことが重要なのです。マーケティングが目指すのは、顧客を徹底的に理解し、製品とサービスを顧客の欲求、不安に合わせることで、おのずと売れるようにしていくことなのです。
イノベーション
企業は常に変化する経済にあります。なぜ、経済は変化していくのか。それは、企業こそが成長と変化のための機関であるからです。つまり、企業は新しい満足を生み出し続けなければならない。経済的な財、サービスを提供するではなく、より良い経済的な財、サービスを提供し続けなければならないのです。
イノベーションと聞くと技術革新というイメージが先行しがちですが実は、企業活動のあらゆる活動、部門に関係があるのです。
イノベーションとは内を新しくするという意味もあるんです。つまり、新しい満足、価値を生み出すための組織作りも立派なイノベーションになるのです。次回はこのイノベーションを生み出す組織に必要な生産性についてご紹介します。
おわりに
ドラッカーはマネジメントにおいて基本とすべきもの、原則とすべきものがあり、この基本と原則に反するものは、例外なく、時を経ず破綻するという事実を導きました。まだこの記事はマネジメントの基本と原則の入り口にすぎませんが、読者の方が、今一度マネジメントの役割、企業のあり方を見つめ直し、成果につながればと願っています。
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