『サイバーエージェントのグループ会社社長インタビュー連載企画』
【第4弾】今回は、新卒で社長となり、組織の中でトップが最年少という環境で会社を率いてきた、サイバーエージェントのグループ会社、株式会社CyberOwl 田中社長に、「新卒社長が組織を率いていく心構え」についてお聞きしてきました!
株式会社CyberOwl
代表取締役社長 田中啓太<経歴>
1989年 7月生まれ。大阪府出身。関西大学法学部卒業
2011年 入社前から週5で内定者アルバイトを経験
2012年 4月 株式会社サイバーエージェントに入社
グループ総会にて最優秀新人賞を2度受賞
2012年10月 インターネット広告事業本部 マネージャーに昇格
2012年11月 株式会社CyberSS 代表取締役社長就任(当時23歳、新卒社長となる。)
2018年 5月 株式会社CyberOwl 代表取締役社長就任株式会社CyberOwl Webサイト
https://www.cyberowl.co.jp
CyberOwlはどんな会社か
———Cyber Owlとはどんな会社なのでしょうか?
「”調べる“を豊かに」をミッションに、
「比較情報.com」や「マネ会」、「MOVIE SCOOP!」、「日刊アプリ」、「日刊ゲーム」
など、ライフスタイルや、金融、エンタメなどのメディアを制作し、運営しています。
インターネットメディアの増加により、誰もが気になったことをネットで検索して調べるのが当たり前となった現在、
CyberOwlは、「検索をして何かを見つける」という作業を、もっと効率的にする事を意識してコンテンツ作りをしています。
当社が目指すのは、検索をした時に意図した答えが正確に返ってくる事で、ユーザーはすぐに次の行動に移すことができ、その検索からアクションまでのスムーズな流れが、「調べる」を豊かにしていくと考えています。
ユーザーが「何か、情報を得たい」と思って調べた時に、
CyberOwlのメディアが出てきて、
そのメディアを見たら、ユーザーが問題を解決でき、
オリジナルの有益な情報を得ることができる。
そして、ユーザーがメディアを信頼してまた使ってくれる。
そんなメディアにしていきたいです。
「“調べる”を豊かに」を実現するためにCyberOwlでは真実のコンテンツが発信されるメディア創りに尽力していきます。
23歳、新卒社長の苦悩とは?
———田中社長は何歳から社長をやられているのですか?
23歳からです。社長になった当初は、組織の中で自分が最年少という環境でした。
———自分が最年少という環境で、難しかったことはなんですか?
「社長としての役割を果たそう!」と強く意気込めば意気込むほど、
ビジネス経験豊富なメンバー達とうまくやりとりをするのが難しくなったことです。
当時は、社長になりたてで、まだまだ未熟でした。
社長なんだから、社員の方々に信頼してもらうためにも、
「自分が決断をして、力強く社員のみんなを引っぱっていくんだ」と気負い、
社外のパートナーから提案を受けても、社内のメンバーに相談するというより、
どんどん自分で決めにいって、その結果たくさん失敗しました。
でも当時の私は、本当は、どこまで社内のメンバーたちに聞いていいか分からなかった。
頼り方が分からなかったんです。
最終の決定権は自分にあるけれど、経験値はまわりの人たちの方があって・・・
そんな状況の中、
「社長である自分が頑張らなければ」「社長である自分が決めなければ」という思いが強すぎて、一人でもがいて、走っていました。
頼るべきところはしっかり頼る
———どのようにして、自分より経験豊富なメンバーの方々を巻き込んでいったのでしょうか?
社長は、一人でなんでもできるわけではありません。
役割の一つにすぎないのです。
ですから、頼るべきところは頼った方がいい。
助け合い、補いあうチームの方が強いですからね。
ただ、社長としての最終決定はやはり自分が行っていくので、
会社の中で最年少であったとしても、
「この会社のことを一番考えているのは自分だ」という姿勢は他の誰よりも強く持っていました。
また、それ以外にも「相手を人として尊敬する」ことも大切にしています。
そうすることで、
「この人は、会社のことを誰よりも本気で考えているな」
「年下だけど、この人が目指しているところに共感できる」
「経験が足りないところは、力になってあげたい」と思ってくれる人が増えていったと思います。
———「この会社のことを一番考えているのは自分だ」という姿を見せるには、どうすればよいでしょう?
自分たちのやっている事業やマーケット、競合などについては、
会社の誰よりも、社長である自分が一番詳しくいれるようにしています。
すると、事業の方針を決める時などに、
「〇〇の方が□□という理由でいいと思います」と、
明確な根拠をもって話すことができ、言葉に説得力が出てきます。
また、
「こんな会社にしたい」「こうやりたい」という強い想いを言葉にして発信することも大切です。
若いうちは、下手でもいいし、間違ったこともたくさん言ってもいいから、発信し続けることが大切です。どんなに熱い想いを持っていたとしても、言葉にしないと伝わりません。
「間違ったことを言うのが怖い」と言う人もいると思いますが、
きっと、自分が発信し続けていると、
本気で考えてくれている方々は、フィードバックをくれます。
そのフィードバックから学び、成長していけばいいのです。
社長は役割の1つにすぎない。その人を”人として尊敬する”
———「人として尊敬する」とは、どういうことでしょう?
「社長」も、役割の一つにすぎません。
「役員」や「マネージャー」というのも、
みんな、ただの役割なんですよね。
その人が先頭に立って会社を一番引っ張れるから社長をやっているというだけで、
会社から一歩外に出れば、年上の方々は人生の先輩です。
役割とはそういうものです。
ですから、人生の先輩としての尊敬を絶対に忘れてはいけません。
もちろん、話をするときは必ず、敬語で話しています。
付き合いが長い方とは、敬語のままですと逆に壁があるように感じてしまうこともあるので、
普通に話していたりもします。笑
信頼関係の基本は、人と人がお互いに尊敬し合うことだと思っています。
立場や年齢がどうであれ、相手を尊敬する気持ちを忘れてはいけません。
———どうしたら、「お互いに尊敬し合える」関係になれるのでしょう?
年上であれ年下であれ、
「仕事上だけでない、人としての信頼関係」を築くことです。
そのためにも、まずは、
仕事以外の場所で関わる時間を作ること。
1対1で話す時間を大切にしています。
例えば、
二人で飲みに行ったりして、
将来やりたいことや、どんなところを目指しているのかを、話したりしました。
そうやって、繰り返し話していく中で、本音で話せる関係を築いていっています。
逆の立場から考えてみると、上司が年下で迷う事や、悩むこともあると思いますし、
互いに相談しやすい、互いに本音で言いやすい関係を作ることを大事にしています。
そうして、本当に信頼関係が築けると、
だんだん年齢も立場も関係なく、「大切な仲間」になってきます。
社長は、メンバーのみんなの「道しるべ」になること
———社長の役割とは何でしょう?
社員のみんなの“道しるべ”になることが1つの重要な役割ではないでしょうか。
社長はある程度、全体の道筋が見えている状態で経営をしていると思いますが、
それをしっかりと伝えなければ、
メンバーのみんなが会社の未来への道を想像するのは難しいです。
そうなると、メンバーのみんなは、きっと不安で、気持ちよく働くことができないと思います。
ですから、
会社のビジョンや、目指している方向性、会社の楽しさなどを、みんなにわかってもらうように、伝えることです。
そして、みんなが働いていて、ワクワクするような会社を創ることです。
私は、メンバーのみんなが会社の源泉だと思っています。
CyberOwlは、まだ、80人、90人の会社で、まだそこまで規模は大きくないのですが、
この会社を選んで、入ってきてくれたみんなが、
さらにワクワクして、10年後、20年後に「すごくなったな」と言い合えるような会社を創っていきたいです。
そのためには、社長が「未来を見据えて、みんながワクワクする“道しるべ”となる」こと。
そんな社長が、そんな会社が、世の中に増えれば、もっともっと働くのが楽しくなる人が増えていくはずです。
———田中社長、貴重なお話ありがとうございました!
本記事の作成者:黒田訓英
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