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『サイバーエージェント流!経営のポイント』 【第16弾】AMoAd大久保社長が考える バックログリファインメント会議で「”理想“と”現実“のギャップを認識する方法」とは?

『サイバーエージェントのグループ会社社長インタビュー連載企画』
【第16弾】
今回は、サイバーエージェントのグループ会社、株式会社AMoAd 大久保社長に、「バックログリファインメント会議で、”理想“と”現実“のギャップを認識する方法」と「メンバー1人ひとりの優先順位を聞き、やる気を引き出す方法」についてお聞きしてきました!

株式会社AMoAD
代表取締役社長 大久保 晶平

<経歴>
2012年 株式会社サイバーエージェントに新卒入社。
入社後、インターネット広告事業本部へ配属。

戦略アドネットワーク局局長を経て、
2015年10月 株式会社AMoAd 代表取締役社長に就任。
国内最大規模のアドネットワークとしてアドテクノロジー業界を牽引している。

<企業情報>
株式会社 AMoAd
http://www.amoad.com/

AMoAdはどんな会社か

———AMoAdとはどんな会社なのでしょうか?

AMoAd」は、スマートフォンのサイト、アプリのアドプラットフォーム(広告配信サービス)を提供しているアドテクノロジー企業です。

メディアと広告主のマッチングの最適化等により、獲得効率を高めるなど、
双方にとって最適化されたアドネットワーク広告をつくっています。

メンバー1人ひとりの優先順位を聞き、やる気を引き出す

———メンバー1人ひとりのやる気を引き出すには、どうすればよいのでしょうか?

メンバー1人ひとりの“人生における優先順位”を聞いて、1人ひとりの大切にしている価値観を理解することです。

働くモチベーションは、人によって違います
人によって、人生における優先順位が違いますから、当たり前のことです。

もちろん、誰もが、成果を上げたいし、評価をされたいし、給料も上げたいし、家族とゆっくり休む時間もとりたい。
しかし、その中でも、人それぞれ大切にしたいことの優先順位があるはずです。
「成果、評価、給料、家庭など、求めたいものがたくさんある中で、何を一番重要視するのか?」
「何を一番の軸にして働くのか?」を聞き、
優先順位が高いものは何なのかを明確にします。

優先順位を把握することができれば、
その人にとって優先順位の高い事項を満たすことで、やる気を引き出すことができます。


———
どのようにして、相手の優先順位を知るのでしょうか?

1on1面談を実施しています。
(1on1面談についての関連記事はこちら。
『ブックテーブル篠田社長が考える1on1ミーティングで「メンバーの本気を引き出す方法」とは?』)

相手の優先順位を把握するためのポイントは、
できる限り自分が話す時間を短くして、相手に話してもらう時間を長くすること。

アドバイスをするのではなく、質問をし続けることです。

アドバイスをしてしまうと、表面的なやりとりで終わってしまうことが多く、その人の本音を引き出せません。
すると、その人が人生で大切にしている優先順位も正しい順番で出てきません。

社長や上司が、部下にアドバイスをしてしまうと、「社長や上司がそう言っているから、それもそうだな。」と、優先順位の順番を入れ替えて伝えてくることもありますから、特に注意が必要です。

コードを書けない経営者が、開発者とのコミュニケーションで気をつけるポイント

———大久保社長は、ビジネス職でキャリアを積まれた後、アドテクノロジーの会社の社長になられて難しい点はありますか?

社長になった当初は、ずっとビジネス職として仕事をしてきて、コードもかけない私が、アドテクノロジーのものづくりに携わるということで、分からないことも多く、
実際にものづくりをしてくれる方々と、うまくコミュニケーションを取ることが難しかったです。

私自身がものをつくるわけではないので、ものづくりを担当してくれるエンジニアの方々とのコミュニケーションは非常に重要です。 

———エンジニアの方々とコミュニケーションを取る上で大切にしていることは何ですか?

2つあります。

1つ目は、
無駄なプライドを捨てて、「分からないものは分からない」と聞くこと。

2つ目は、
定期的にコミュニケーションを取る機会を設けて、コミュニケーションの量を増やすことです。

そうして、素直なコミュニケーションを頻繁に取り続けることで、
信頼関係が構築され、お互いの意見の相違も受け入れあいながら前に進んでいくことができます。

「バックログリファインメント会議」で、理想と現実のギャップを認識

———開発の方々と、どのようにして定期的にコミュニケーションを取っているのでしょうか?

 「バックログリファインメント会議」を実施しています。

これは、週に1回、エンジニア・開発者と実施する、今後の方向性を決める会議です。

この会議では、
私が「理想」を開発者たちにぶつけ、
開発者に「現実」を語ってもらい、
そのギャップを認識した上で、今後のアクションをどうするか具体的に決めていきます

例えば、
私は、どのような機能があったら、世の中に対してインパクトが与えられるかを考えることはできますが(理想)、
開発にどれくらいかかるのかは、私だけでは算出できませんので、エンジニアの方々に、「理想の状態を実現するのにどれくらいの工数がかかるのか」を聞いています(現実)。

このように、それぞれの役割の違いを認識した上で、それぞれの長所を活かした方がいい。

アドテクノロジー会社だからと言って、全員が開発できる必要はないし、それぞれが自分の役割を最大限に発揮して、組織として最高のパフォーマンスを発揮できる状態をつくることです。

例えば、
私は、自分で直接開発はできませんので、開発者に理想をぶつけて現実を教えてもらいます。
完成度とスケジュールを含めた、開発ロードマップを引くことが私の役割です。

ですから、
「理想の商品状態になるまで、3カ月かかる」と分かった時に、
「3カ月かけて、100%満足するものをつくる」のか、
理想に対して、多少機能は足りなくても、「1カ月でつくれる完成度のところまでつくってみて、1回試してみる」のかを決断し、未来を示しています。

売れるミニマムラインを越えたら、できるだけ早くアウトプット

———「80%のクオリティで2カ月かけて出す」のか、あるいは、「60%のクオリティでもいいから1カ月で出す」のか、という議論がありますが、
大久保社長は、どの段階で、開発したものをアウトプットするべきだと思いますか?

 「売れるミニマムラインを越えたら、できるだけ早くアウトプットしたほうが良い」と思います。

もちろん、売れない完成度でアウトプットしても全く意味はありません。
しかし、できるだけ早くアウトプットをして、ユーザーからの反応(フィードバック)をもらい、改善していくというサイクルを回すことが重要だと思います。

これから作ろうとしているプロダクトが100%成功するマーケットであれば、
100%の完成度を目指して作り、100%に到達した時点でアウトプットすれば良いと思いますが、
そもそも、100%成功するマーケットなど存在しません。

成功するかどうか分からない世界で戦うので、
「時間をかけてつくったが、意味がなかった」では、リスクが大きすぎます。

未知のマーケットであるほど、売れるミニマムラインを越えたら、できるだけ早くアウトプットすること
です。
AMoAdも、アドテクという、新しい未知の領域で勝負をしていますので、そういった開発におけるリスクヘッジは意識しています。

———大久保社長、貴重なお話ありがとうございました!

本記事の作成者:黒田訓英

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