グローバル化が進み、世界との壁が限りなくゼロになってきている今、経営者はグローバルな場でコミュニケーションを取れる能力が求められます。では、グローバルなコミュニケーション手段として必要となる力とは一体何でしょうか。それは、「英語」「IT」そして「会計」の力です。
今回は、経営者にとって必須スキルとなる会計の本質を解き明かしていきます。
なぜ会計は大きな影響を持つのか
会計は、企業にとどまらず、営利を目的としない大学、病院さらには政府などの組織体にも深く根付き、大きな影響を与えています。では、なぜ会計は広範囲に大きな影響を及ぼしうるものであるのか。それは、会計が「事業の言語」「影響の双方向性」という2つの性格を有しているからと言えるでしょう。
事業の言語
会計の持つ最も大きな役割が「事業の言語」としての役割である。私たちが日々、生活する中で、「言語」なくしてコミュケーションを取ったり、何かを理解することは非常に難しいと思います。これと一緒で、会計という「事業の言語」が存在しないと企業の実態を理解することが難しくなるのです。
では、なぜ会計は「事業の言語」としてなり得るのか。会計が持つ定義を噛み砕いて要約すると、ある経済主体に関わる大量で複雑な活動や事象を一定のルールに従ってある数値に写し換え、それを整理、統合して何組かの財務諸表を作成し、それを報告する一連の手続きが会計です。
つまり、大量で複雑な経済活動を会計によって抽象的、かつ要約された数値に置き換えることで情報の受け手は意思決定ができるようになるのです。裏を返せば、経営者に会計の知識がないと経済活動の成果を情報として発信できず、企業を信頼してもらうことは難しくなります。
さらに経営者は「事業の言語」である会計の知識がないと、外国に行って、その国の言語がわからない時に味わうような不快感や不安感をビジネスの場で味わうことになってしまうのです。
影響の双方向性
もう1つ会計には大事な本質がある。それが「影響の双方向性」です。上記で述べた「事業の言語」は情報の利用者、つまり受け手の意思決定に大きな影響を与える本質である。しかし、会計が持つ本質は受け手への一方的な影響のみにとどまりません。会計は、「フィードバック効果」という役割を持ち、逆の方向の影響も与えるのです。
会計情報の利用者は多く存在しますが、その中でも投資家は会計情報が意思決定に大きな影響を及ぼします。業績がイマイチで、潰れそうな企業に投資しようという投資家はほとんどいないでしょう。そのため、企業は会計指標を向上させるための努力水準を高めようと自らを動機付けすることにつながるのです。
企業会計における2つのタイプ
企業会計には機能別に2つに分けられます。財務会計と管理会計に分けるのが一般的です。では、それぞれの特徴を説明していきます。
財務会計
財務会計は主に、ステークホルダーと呼ばれる株主、銀行、取引先、政府などの企業外の利害関係者への報告を目的とした会計です。財務情報を利用するステークホルダーは多岐にわたり、下記が主なステークホルダーとなります。
財務会計は通常、複式簿記に従って、企業の経営成績と財政状態をステークホルダーに報告します。
- 株主
- 社債権者
- 銀行
- 証券アナリスト
- 格付け機関
- 取引先
- 競合会社
- 買収会社
- 税務当局
- 労働組合・従業員
- 学生
管理会計
財務会計が主に、企業外に向けた情報発信に対し、管理会計は、企業の経営者や事業部長などの企業内部の関係者に報告することを目的とした会計になります。管理会計は以下の5つの機能から主に構成されています。
- 会計システムのデザイン
- 原価コスト
- 予算
- 業績評価
- 内部統制
おわりに
いかがでしたでしょうか。会計は、経営者にとって必須のスキルとなります。様々な経営指標や財務情報をしっかりと把握した上で、安定的な経営を築いていきましょう。
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