今日本では、官民双方のサイドから、起業支援や中小企業の成長安定を支える制度が出来てきています。
多くの経営者にとって、悩みのタネである「お金の問題」。この解決を助ける制度、それが、「補助金」と「助成金」です。どちらも返済不要のお金を企業に支給するものですが、何が違うでしょうか。
前回はIT導入補助金というものをご紹介いたしました。今回は多額のお金がが支給される制度にも関わらず、存在があまり知られていない「キャリアアップ助成金」に関してもご紹介します。
「補助金と助成金の違い」「助成金具体例」の二点をくわしく説明していきます。
今回の記事で、補助金・助成金の違いを知り、本来なら貰えるはずなのに存在を知らずに過ごしているという事態を避けましょう。
また、今回の記事では、ビジネスにおける補助金・助成金に焦点を当てています。
補助金と助成金の違い
返済不要の資金提供という点ではどちらも同じですが、どこに違いがあるのか、それぞれ簡単に説明し、違いを明らかにします。
給付の目的
補助金の目的は、その名の通り、「補助」が中心となっています。事業拡大や生産性の向上、企業の維持・成長のために必要な取り組みに対して、金額面で補助するお金が補助金です。その取り組みが社会、経済発展貢献されるとみなされれば、給付の対象となります。
基本的には、何か直接的に費用が発生する活動(ITシステム導入など)に補助が行われ、費用の一部もしくは全額が賄われます。
しかし、給付対象や企業数も制限されており、申請すればどの企業も貰えるというわけではありません。
助成金の目的は、労働環境向上や、社会への貢献などに繋がるが、金銭、時間、労力などのコストがかかる活動を実行した企業に対し、お金を支給する制度を設置することでそれらの活動を促進させるというものです。長くなっていましたが、要は「ある取り組みや活動に対するインセンティブ」です。
補助金と異なり、申請条件さえ満たしていれば、ほぼ確実に給付されます。
給付の主体と内容
補助金給付の主体は、「経済産業省」です。経済やビジネスに関わることが中心となっているため、経産省が補助金を設置しているため、新しい補助金制度が出てこないか、注意深く発表を見守っておきましょう。
企業向けで設備投資系が多く、額も1000万円程度と高額のものから、中小企業に焦点を当て、様々な角度からそのビジネスを補助する制度があります。
助成金給付の主体は、「厚生労働省」です。労働環境の整備や労働者のスキルアップ、給料・待遇改善など、人の福祉に重きを置くものが中心となっています。
「一人あたり」など社員の労働環境や待遇改善系が中心で、給付額も多くて100万程度のものが多いです。
また重要なポイントは、多くの助成金制度では、支給額は実際にかかる費用によっては決まらず、定額であるため、助成金だけでプラスになることも多いです。
7つの助成金
助成金には多くの種類がありますが、ここでは7つの知名度は低いものの、とても役に立つ助成金を紹介します。助成額も紹介しますが、他にも、成果報酬など細かい助成金がプラスアルファで設定されていますが、ここでは省略させていただきます。詳しい内容は記事の最後にリンクを貼らせていただきますので、そちらをご参考にしてください。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、
有非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
キャリアアップ助成金は8つのコースで構成されており、ここでは「正社員転換コース」を紹介します。
その名の通り、非正規雇用社員を正社員に転換、採用した場合、一人あたり57万円が給付されるものです。基本的にはこのとおりですが、いろいろと細かい条件設定がされており、場合によっては額も代わります。
人材開発支援助成金
雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるため、人材育成制度を導入し労働者に適用した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
この助成金には4つのメニューがあり、その中の「キャリア形成支援導入コース」では、キャリア形成のための環境を整える、具体的には、正社員が外部研修に参加するために有給制度を設置する「教育休暇制度」を導入すると給付されます。
また、社員がキャリア面談を受ける制度を導入・すると、会社に47.5万円支給されます。キャリア面談とは、コーチングみたいなもので、国家資格をもつ「キャリアコンサルタント」との面談のことです。社員数によって、必要なキャリアコンサルタントの人数も異なります。
職場定着支援助成金
雇用管理制度の導入等による雇用管理改善を行い、人材の定着・確保を図る場合に助成するものです。
前項と同じように、この「雇用管理制度」には研修制度も含まれており、正社員1名以上が10時間以上の研修に参加すると、10万円支給されるというものです。
他にも、健康づくり制度導入に対して助成金が支給されます。具体的には、正社員一名以上が以下の3つのうちのどれかを受診すれば10万円支給されます。
1,人間ドック
2,腰痛健康診断
3,生活習慣病予防診断
職場意識改善助成金
職場意識の改善のための研修や労働時間の管理の適正化に資する機械などの導入を行った際に要した費用の一部を助成するものです。
5つのコースで成り立っています。
職場環境改善コース
所定労働時間短縮コース
時間外労働上限設定コース
勤務間インターバル導入コース
テレワークコース
ここでは、勤務間インターバル導入コースを紹介します。
これは、事業所ごと半数以上の社員が「退勤から翌日出勤時まで、9時間以上あけている」ことを条件として、22.5万円支給するものです。すでに9時間開いている場合でも支給されます。
人事評価制度等改善助成金
人事評価制度と賃金制度を整備することを通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成するものです。
文字通り、人事評価制度を改善するともらえる助成金です。具体的には、「一年後に平均賃金が2%以上上がる見込みの計画書を作り、計画を実行すると50万円」、そして実際に平均2%以上昇給する「生産性要件を満たす」「離職率が1年後、上がっていない」を満たすと、追加で80万以上が支給されます。
おわりに
以上補助金と助成金の違い、企業を助ける7つの助成金を紹介しました。
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