経営コラム

3つの失敗から学ぶシステム投資効果の最大化

awdi

最大の失敗は使わない物への投資

pexels-photo-38972新しいシステムを導入したものの、処理速度が遅かった、使い方がいまいちわからない、制約が多くて使いにくいなど、システム導入以前に考えていた期待値を下回ることはよくあります。せっかく導入したシステムを有効活用できず、あまり使われず放置されてしまうということもあります。

システム導入というのは、ある種会社にとって、大きな投資です。このようにシステムを最大限に有効活用できていなければ、投資したものから何の回収もできていないということです。挙げ句の果てに、手放すこともなく、ライセンス費用や保守費用だけ、毎年しっかり払い続けているケースも見受けられます。こんなに勿体ないことはありません。これこそシステム投資の最大の失敗です。

もちろん、最初から使わないものに投資をしたわけではありません。導入した後、何らかの理由で使われなくなってしまったのですが、そのような事態は何としても避けなくてはなりません。

ここでは、最大の失敗に至る理由について考えるとともに、システム投資効果を最大化するためのポイントをご紹介します。これからシステム投資をお考えの皆様、是非ご参考にして頂ければと存じます。

1.失敗:システムを利用した業務体制に適応できない

pexels-photo-298723導入したシステムが使われない理由のひとつに「今までのやり方の方が良かった」という理由があります。新しく導入したシステムを使って業務を行うより、システム導入する前の業務処理方式の方が効率的であったということです。

これは致命的な失敗と言えます。例として、営業支援システムを挙げます。システム導入前は、家族の情報や顧客の特性、顧客の来歴など、営業担当者が顧客アプローチに必要だと判断したものを、自分のノートにメモして管理していたとします。そこへ営業支援システムを導入したところ、この営業支援システムには顧客の基本属性(氏名や性別、住所など)は入れられるものの、上述したような顧客の特性や来歴などの情報が入れられなかったらどうでしょう。営業担当者は、この新しく導入したシステムを「営業に使えないシステム」と判断し、また元のノートでの管理に戻っていくことでしょう。

では、なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。それは、現状の業務分析が足りなかったこととシステム導入の目的が曖昧だったことが最大の原因と考えられます。

現状と課題を客観的に捉え、課題解決のためにシステムに期待することを明確にし、システム導入から想定される効果を定量的に算定します。その上で、自分たちにとって、もっともフィットしたものを選定することが、システム投資を失敗しないための王道です。

現状分析を行うリソースが無い場合も、自分たちの業種や業務の特性を理解しているベンダーによるものであれば、このような事態は避けられたはずです。くれぐれもベンダーの一方的な勧誘や流行に押し流さて安易に投資することのないよう注意しましょう。

2.失敗:現場を無視したシステム導入

the-strategy-win-champion-the-championship多くの方は業務のやり方が変わることに対して、「新しいやり方を覚えるのが面倒」、「不慣れで間違ったらどうしよう」など、抵抗感が生まれるものです。また、必ずしもそのシステムを使う現場社員が「導入したい、変えたい」と思ってシステムの導入を決定しているわけではなく、管理部門などが主導で導入を推進していることは珍しくありません。そのような中、ただ新しいシステムを現場に与えるだけでは、おそらく新しいシステムを使わない従来の業務処理方式で業務が行われ、結果、システムが使われなくなることでしょう。

このような事態を避けるためには、システムを使う人それぞれが「ありがたい、助かる」と思える効果(今までよりミスが起きにくくなる、5分かかっていた仕事が2分で終わるようになる、新人でも一人で業務ができるようになる等)を明確にし、システムを使う人それぞれに、しっかり理解してもらうことが不可欠です。

つまり、システム利用により享受できるメリットが、上述した抵抗感を上回るということを納得してもらう必要があるのです。

そして、さらにシステムの利用を確実にするためには、既存の業務処理方式を廃止することが有効です。新しいシステムを使わないと業務が進まなくなるよう、社内ルールの見直しもあわせて行いましょう。例えば、「紙の伝票による回付でも、ワークフローでもどちらでも良い。」ではなく、「ワークフロー以外受け付けません。」にしないと、いつまでたっても新しい業務処理方式を覚えようとせず、新しいシステムは使われません。システム投資効果は、システムを使ってもらい、はじめて獲得できます。

3.失敗:システムのカスタマイズが難解

pexels-photo-296878必ずしもシステム部門があるわけでもなく、かつ、皆のITリテラシが高いわけではない状況においては、新しいシステムを使いこなせないということが発生します。

システムを使っているうちに、チューニングを行いたい、プリセットされていた項目以外の分析をしたいという要望は自然と発生してきます。

しかし、システム部門もなく、ITリテラシが高い人がいるのかいないのかもわからない状況では、「システムに手を加えたいけど、できない。」ということに陥ります。そして、自分が使いたいようにシステムが使えなくなると、そのシステムを頼りにしなくなり、最終的に全く使われなくなります。

システムの導入は一時ですが、利用は何年、何十年に渡ることもあります。自分たちの体制、スキルでそのシステムを面倒みることができるのか、会社の成長に合わせ、システムを自分たちの手で成長させていくことができるのか、についてもシステム選定の重要なポイントになります。

是非、システム選定の際、そのシステムの面倒をみる方が実際に操作し、自社に合わせた微妙な調整やカスタマイズはどれ程容易にできるのか確認し、自力で面倒見ることができなかった場合のベンダー側のサポート体制の有無や内容を、事前によく調べることをお勧めします。

システムは「手段」であって「目的」ではない

car-race-ferrari-racing-car-pirelli-50704どんなに優れたシステムでも、システムは「手段」であって、それを導入することが「目的」ではありません。

お客さんに喜んでもらえること、安定した経営を行うこと、売上を伸ばすこと、効率的な業務を行うこと、ミスを起こさないこと、優秀な人材を採用できること、従業員が安心して働けること、そのような目的を達成する手段のひとつとしてシステムはあります。

目的達成に資するシステムを選び出すためのステップを以下にまとめます。

①何を達成したいのか。

②①に対して現状はどうなっているのか。

③①に近付くための課題はなにか。なぜ今、そうなっていないのか。

④課題解決のために何をするか。

⑤そのためにシステムは必要か。

⑥(システムが必要な場合)システムに担わせるべき機能は何か。

⑦どのシステムがよいか。

ITベンダーの提案を受けると、突然⑦から検討し始める企業をお見かけします。システム導入を目的化してしまった場合も⑦だけしか考えません。その場合、自社にとって適切なシステムかどうかの判断を「価格」や「納期」、「知名度」に依存せざるを得ません。価格だけで判断しても自社にとってフィットしたシステムに巡り会えることもありますが、そういう場合でない方が多いです。

投資効果を最大化するために、システム導入前に一旦立ち止まり、「自分たちはどこに向かいたいのか、何をしたいのか。」ということをあらためて考え、その上で、自分たちを力強くサポートしてくれるシステムはどれか、ということをしっかり見極めることを心からお勧めします。

弊社が開発・提供するALL-INは、中小企業に特化した、財務状況、営業支援、売上管理、勤怠管理など、経営に必要なシステムをクラウド上に一つにまとめたERPシステムです。中小企業に特化しているため、無駄な機能を排除し、価格を抑え、IT部門がなくても簡単にカスタマイズが可能となっており、導入後も万全なサポート体制を整えています。

 

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