仕入先を大事にしないと、企業活動において目に見えない弊害となる可能性があります。仕入先管理は仕事の発注や納期・品質管理だけでなく、日ごろのお付き合いも含めての管理です。その内容を詳しく解説します。
仕入先の重要性は肝に銘じるべき!
仕入先とはどのような存在でしょうか?「ウチが仕事を与えてあげているからいうことを聞いてくれる存在」と考えていたり、「こっちが顧客だから仕入先が下の立場」と考えている経営者がいらっしゃるようですが、その場合には思い違いを正す必要があるでしょう。
仕入先は、発注している金額以上に大きな存在となっている場合が多いのです。まずは仕入先の重要性から見て行きましょう。
仕入先がなければ成り立たない企業は多い
仕入先がなければ、商品を売ることはできません。商品の一部を仕入れている場合や、商品そのものを仕入れている場合など、さまざまなケースがあるかと思いますが、いずれの場合にも仕入先があるから商品を売ることができるのです。
また、自社工場を基本として、内製以外の商品を仕入先に発注している場合には、仕入先の存在があるからこそ、自社工場で作るべき商品を選択することができるのです。そのため、仕入先の存在のお陰で成り立っている企業や、仕入先のお陰で高付加価値商品を内製できるケースが多いのです。
仕入先は情報通である場合が多い
また、仕入先は情報通であるケースが大半です。たとえば、下請け、孫請けと辿っていくと、なぜかエンドユーザーの情報が集まっています。
仕入先は色々な企業と取引している業者が発注を掛けているため、発注という意味では下流に位置していても、情報という意味では上流となっている場合があるのです。そのため、仕入先とのお付き合いは、情報収集面でも大切なのです。
仕入先との付き合いでよくあるNG例
仕入先とのお付き合いは、売上の面でも、情報の面でもとても重要です。特に多くの情報が集まっている仕入先をぞんざいに扱うと、知らない間に悪いうわさが業界全体に広がっていることにもなりかねません。
そんな大切な仕入先にも関わらず、発注者側の心理的優位性から、NG行動をしてしまう企業もあるのです。典型的なNG行動の例を紹介します。
顧客には頭を下げて仕入先に偉そう
最も典型的なNG行動例としては、顧客にはペコペコ頭を下げるのに、仕入先には大柄なパターンです。顧客には礼儀正しく丁寧に接していながら、一方で仕入先に横柄な態度を取っている企業は、仕入先から嫌われる要因の1つです。
そのような企業には、仕入先も良い情報を与えることはないでしょう。仕入先は発注者の競合と付き合っている場合もありますので、競合に有利に働きかけられることもあります。また、そのような態度が知れ渡り、顧客の耳に入ることもありますので、横柄な態度は禁物です。
割の合わない仕事だけ押し付ける
態度に問題がなくても、仕事内容に問題がある場合もあります。たとえば、毎回短納期の仕事ばかり発注したり、付加価値の低い仕事ばかり押し付けていると、仕入先に嫌われてしまうでしょう。
仕入先も仕事の選択権を持っているので、嫌な仕事ばかり押し付けられるのであれば、引き受けない方がマシだと判断される可能性もあります。嫌な仕事ばかり押し付けないように注意が必要です。
仕入先に余計な情報をリークする
仕入先とのやり取りの中で、言わなくても良い情報や、言ってはいけない情報をリークしてしまうのもNG行動です。よく「ここだけの話しですが」と言いながら他社の噂話しをしたり、自社の売上や人事の話しをする人がいますが、「ここだけの話し」があちこちで行われて周知されてしまっているケースもよくあるパターンです。
人の口には戸は立てられないことを前提に、仕入先とお付き合いしましょう。
仕入先との付き合い方と管理法
では、仕入先と上手に付き合い、適切な仕入先管理を行うにはどのようなことを心掛ければ良いのでしょうか?業界や仕入先の業務内容ごとにさまざまなケースがありますが、大きく分けると3つのことに注意すると良いでしょう。それは「仕入先を顧客と同等に扱う」「オイシイ仕事もしっかりと回す」「システムで発注状況を管理する」の3つです。それぞれ具体的に解説します。
仕入先は顧客と同等に扱う
仕入先は顧客と同等に扱いましょう。仕入先は発注の面では下流かも知れませんが、情報の面では上流と心得ましょう。また、仕入先のお陰で直接的にも間接的にも事業が成り立っている感謝の気持ちも含めて接する必要があるでしょう。
そういう態度で接していると、時には無理難題も喜んで聞いてもらえるでしょうし、業界での良い評判の立役者となってくれるかと思います。仕入先を味方に付けることが、回りまわって自社の利益と成り得ると肝に銘じる必要があります。
オイシイ仕事もしっかり回す
仕入先が最も喜ぶことは、オイシイ仕事を回してもらえることです。オイシイ仕事をくれる企業には、他の企業よりも納期を優先したり、無理難題に応じてくれるのが心情です。無理難題をいわれた後に、「この前無理を聞いてもらったから」とオイシイ仕事を回してもらえると「配慮がある企業だ」という印象を持ってもらいやすいので、良好な関係が長続きする傾向があります。
利害関係がある以上は、時には無理を言わなければならないかと思いますので、その分オイシイ仕事も回してあげる心がけが重要です。
システムで発注状況を管理する
とはいえ、オイシイ仕事と無理難題のボーダーラインは、主観的な側面を持っています。自分ではオイシイ仕事と思って回してあげた仕事が、仕入先にとっては無理難題の可能性もあります。客観性を持って発注するためには、今までの発注状況を、仕入先とのコミニケーションで分析する必要があるでしょう。
そのためには、システムで管理することがオススメです。発注履歴を見やすく管理できる上で、他の業務管理とも連動できるようなシステムがあれば、日常業務に支障なく、仕入先管理を行うことができます。さまざまなシステムが連動できるものを選んで、仕入先管理もしっかりと行いましょう。
まとめ
仕入先は、企業活動にとってとても重要な役割を果たしているケースが多く、目に見えるところだけでなく、目に見えないところで貢献してくれていることもあります。そんな仕入先をぞんざいに扱うと、後からしっぺ返しを食うこともありますので、日ごろから大切にすることが重要です。
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