安倍政権が掲げている新三本の矢の中でも中小企業の経営者にとって非常に重要な要素が「生産性革命」です。ここ3年間は、生産性革命をうまく捉えた経営をすることで将来が変わるといっても過言ではありません。
生産性革命の本質を知り、経営者として何をしなければならないのかをまとめます。
生産性革命とは
安倍政権がいよいよ生産性革命に本腰を入れるようになりました。生産性革命とは安倍政権の新三本の矢の1つ、GDP600兆円越えを果たすための施策となっています。生産性革命を推進することによって、経営に好循環を生むことが目的です。
法人税の減税
現在の法人税は、実効税率29%程度となっています。経営者の方であれば理解していると思いますが、企業は事業活動によって生み出した利益の中から法人税を支払うことで、納税の義務を果たしています。
生産性革命では、社員の給料を3%以上賃上げし、人材投資をすることで25%まで軽減する方向となっています。さらに、先進技術を投入することでその負担割合は20%程度まで引き下げられることになります。
法人税を減税することによって、次の投資を考える幅が広がるようになり、企業としての成長が促されるようになります。一方で、これらの施策に乗ることなく、依然として消極的な企業活動を続ける企業には増税も視野に入れています。
固定資産税の減税
新しい機械の導入をした企業には、固定資産税の減税が検討されています。今も条件を満たした中小企業が160万円以上の機械を導入した場合、3年間は税額が半額となっています。生産性革命では更に市町村によって固定資産税を免除にする動きとなりそうです。
つまり、経営者は機械を導入したことによる生産性向上に注力することが出来るようになるのです。機械を導入しようと検討している中小企業にとって大きなメリットになりますし、機械を製造・販売している企業にも恩恵があります。経済の流れが良くなることを目的としているのです。
事業承継税制
特に地方では、企業の後継者問題が深刻となっています。地場産業を長年続けてきた企業が、後継者がいないために事業を止めざるを得なくなっているのです。ここには、都会に出て社会人になったことで今更会社を継ぐことができない理由もありますが、もう1つ相続税の問題もあるのです。
生産性革命では、経営を引き継いだ時に譲り受けた株式にかかる相続税をゼロにする動きがあります。これは親族に限ったものでは無く、従業員に引継いだ場合も同じです。これによって、事業が継続しやすくなり、地方から経済を活性化することができるようになります。
中小企業の経営者が取り組む姿勢
では、生産性革命によって中小企業の経営者がどのような取り組みをしていけばいいのでしょうか。今後の経営を大きく左右するターニングポイントを無駄にしないよう、企業が改革を起こす時期が来ているといえます。
優秀な人材の確保をする
少子化問題は企業にとっても深刻な問題の1つとなっています。採用活動に難航している企業も多く、仕事は増えているのに人が増えていかず、残っている社員に負担がかかるようになっています。優秀な人材を確保するためには、まず既存社員の待遇を見直してみてください。
決して高いとは言えない給与で、必死に働いている社員を見ていれば「何とかして報いたい」と常に思っているのではないでしょうか。
しかし、人件費をアップすることは会社のコストが大きく膨らみます。報いたい気持ちと企業継続の狭間に起きる悩みは、どの経営者も持っているものです。今回の生産性改革では、賃上げが法人税の減税条件となっています。
今納めている税金を計算すれば、賃上げをしても回収できるのではないでしょうか。そればかりか、賃上げをすれば社員のモチベーションがアップするメリットがあります。
人材の確保をするためには、まず自社内の待遇を見直すべきです。給与基準が変更すれば、新しい人材も見つけやすくなりますし、既存社員による教育の質も向上することが考えられます。まさに、企業の活動全体が向上する生産性の革命を起こすことになるのです。
積極的な投資を検討する
投資に消極的な経営者は、中期計画をしっかりと立てられていないことが挙げられます。機械を新しくしたり、最新の設備を導入することによる恩恵を考えたこともない経営者だっています。
企業が利益を上げるためには、投資が必要不可欠です。社会全体のキャッシュフローがよくなることによって、経済は成長していくのです。これまで投資に消極的だった経営者は、是非とも投資の検討をし、綿密な生産性向上の計画を立ててみてください。
安倍首相も話の中で挙げていますが、IoTやAIの技術の発展に乗り遅れないよう、世間の動きにアンテナを張り巡らせるようにしてください。展示会に出向き、新しい情報を仕入れるのもいいでしょう。ジャンルの違うセミナーに参加してみるのも効果的です。
とにかく新しい技術に持っている抵抗感を無くし、どうにか取り込むことができないかという目線を持って活動を続けていただきたいです。
内部留保を出すための政策
生産性革命には、企業が持っている内部留保を使ってもらうための目的もあります。景気が良くなってきたとはいえ、まだまだ油断することができない企業が多い中、内部留保は大切な会社の蓄えでもあります。
いざという時のために、お金を貯めている企業がたくさんいます。お金は使われなければ、価値を生み出すことができません。リスクが無いとは言えませんが、生産性革命が動き出す今だからこそ、新しいことへのチャレンジを検討してみてください。
ただ会社がやせ細っていくのを我慢するのは、経営者とはいえません。今こそ、大々的な改革を起こす時なのです。
生産性革命のまとめ
生産性革命の内容と、今だからこそできる経営者の行動指針についてまとめました。生産性革命の施策が本格的に動き出したとしても、中小企業の経営者は二の足を踏むかもしれません。だからこそ、今の段階から積極的に活動をし、恩恵を最大限に得ることができるように計画を立てていきましょう。
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