あなたの会社は「見える化」に取り組んでいますか?
胸を張って「実践している」と言い切れる企業はそんなに多くはないと思います。その原因は、見える化という意味の幅広さ、曖昧さにあります。何が正しいのか、何から始めればいいのか。悩んでいる方は多いと思います。
今回は、経営者がすぐに実務に活かせる、「見える化」の全てを紹介していきたいと思います。
ビジネスにおける「見える化」と言っても、様々な視点があります。「ビジョン」や「戦略」、「業務プロセス」、「プロジェクトの進捗状況」など、重要なものばかり。
今回の記事では、経営者視点での「経営の見える化」をテーマに、そもそも「見える化」とは何か、ということに焦点を当てていきます。
ビジネス・コックピット
見える化とは、「経営指標を整理し、いつでも見えるようにする活動」です。
売上推移や預金残高、顧客数の推移など、様々な指標が経営に大きく関わってきますが、それらの指標を、じっと「読む」のではなく、一目で「見える」ようにすることを「見える化」と言います。見える化の目的は、変化に気づき、すぐに行動できるようにすることです。
あなたの企業を、一巨大な航空機だと想像してください。経営者は、その航空機が飛ぶ方向を操舵するパイロットです。行きたい場所に安全に飛ぶため、パイロットは高度やスピード、天候など様々なデータを把握しなければなりません。かつてのコックピットは、パイロットが肉眼で状況を把握しながら飛ぶ「有視界飛行」が前提でしたが、技術の発達により、今では計器を見て状況をモニタリングする「計器飛行」を可能にするように発展しました。
より安全に目的地に達するためには、経営も同じように会社の状態、外部環境が手に取るように分かる、経営者のための「コックピット」が必要です。
様々な経営指標が「見える」、経営のための「ビジネス・コックピット」はどんな企業の経営者も持つべきです。また、正確で、わかりやすい計器があるかないかは、迅速で的確な経営判断ができるかどうかに大きく影響します。
企業が成長していくにつれ、経営者が知るべき指標は増えていきます。
ソフトバンクの孫さんは、「1000本ノック」といって、1000個以上の経営指標をいつでも見れるようにしてると言います。自分の会社の内部外部状況を把握しているからこそ、あれだけ大きな会社をあのスピードで動かせているのでしょう。
見える化≠見られる化
「自社の財務諸表?いつでも見れますよ。」
こう思った方は少ないないのではないでしょうか。経営者という立場であるならば、どんなデータベースにもアクセスできるはずです。しかし、様々な経営者の方に話を聞いていると、年末の決算報告の時期になって初めて自社の経営状況、資産状況を知る、という方が多いことが分かりました。
部下から経営判断を求められる、クライアントとのミーティング、社内マネジメント、経営者は毎日達成しなければならない重要事項が山積みとなっているでしょう。そんな中、財務諸表にある数字の羅列を分析する時間を確保する事が難しく、ついそれらの数字の分析をあと回しにしてしまうそうです。
会社の最新状態を把握することが、企業を動かすパイロットの大切な仕事です。わざわざ財務部に連絡しなければ分からない、営業部に確認しなければリピート客の割合が分からない、という状況では企業を的確に操縦することは難しいでしょう。
企業の状態を表す、数々の経営指標をただ「見られる」ようにするだけでは、見える化を達成できているとは言えません。会社の状況、危機にすぐに気付けるように、問題の所在を一目で、感覚的に、いつでも手に取るように確認できるようにすることが、「経営の見える化」です。
見える化≠魅せる化
売上高や顧客数の変化がきれいになることはあり得ず、小さな上げ下げが常にあるものです。それらの微妙な変化をなかったことにして、グラフの凸凹を減らし、美しく、シンプルに分かりやすいように「魅せる」ことが見える化ではありません。プレゼン資料のグラフをできる限りシンプルに美しくしたくなる気持ちはわかりますが、見える化の実践において、それは絶対にしてはいけないことです。美しくするためになかったことにされた小さな変化は、会社を大きく成長させる、重要なヒントとなるかもしれません。
例えば、あるカフェの売上が毎月第三木曜日だけ他の日より5%程高い日があるとします。経営者が、誤差とも言えるこの変化に目を向け、要因を考えたら、近くの雑貨屋でセールをやっていて、そこの顧客が流れてきている、ということに気づき、その店舗との提携など新たなマーケティング施策を打てた、ということもあります。
工場などでは、在庫や仕入れ値の変化のグラフを模造紙に手で書き込むことが多いかもしれません。「魅せる化」がいけないことだと分かっていても、人間である以上小さな変化をなかったことにしてしまうことはあるでしょう。そのためにも、冷たく、しかし正確でバイアスをかけない、ITシステムに頼ることをおすすめします。
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