優秀な経営者とは、どのような素質があるのでしょうか。経営者は世間から見れば会社の顔になる人であり、社員から見れば会社のトップにいる人のことです。経営者が誰からも尊敬されず、会社の成長も右肩下がりでは、優秀な経験者とは言えません。そこで今回は、著名経営者を事例として取り上げ、優秀な経営者の条件について分析し、解説していきます。
経営者にとっての責任
優秀な経営者の事を考える前に、会社としての最低条件について考えます。それは、企業活動の中で利益を上げて税金を納め、社員に給与を支払うということです。会社という組織を作った以上、これだけは最低条件として実行しなければならない経営者としての責任です。
経営者にとって、どちらが欠けてもいけません。例えば、会社は膨大な利益を上げているけれども、社員への給与は少なく賞与を出すこともない。これでは、優れた経営者とは言えません。
逆に、社員からの人気はあり、給与も賞与もしっかりと出しているけれども、会社が赤字を続けている。これもまた、良い経営者とは呼べないでしょう。どちらも揃ってこそ、社会的責任が果たせており、優秀な経営者としての最低条件といえます。
良い経営者になるために
良い経営者になるためにしなければならない事を解説します。これから紹介する経営者の行動は、最終的に利益を生み出し、社員を幸せにするという結果に結びつくはずです。
利益の構造を理解している
経営者は商売がうまくなければなりません。100円で仕入れたものを200円で売ることができれば、100円の利益になります。もし、仕入額が150円になったなら、あなたがどうするでしょうか?250円で販売をして利益を変わらずに生み出すでしょうか?それとも200円のまま利益額を下げることになるでしょうか?
経営者が陥りやすい価格設定に、原価主義というものがあります。原価が決まらないと自分で値付けができないのです。本来、商品の価格というものは購入する人が価値として認識しているものさしになっています。購入者が200円が妥当だというのであれば、仕入額が変動したことをトリガーにして販売額を操作してはいけません。逆に、仕入額が100円だったとしても価値があるものであれば、500円で販売しても良いのです。
利益の構造を理解している人は、最低ラインとなる利益率を知った上で、購入者の価値に目を向けています。つまり、価値から商品の値段を見出す能力を持っている経営者が優秀な経営者といえます。
社員を大切にする
社員を大切にすることも経営者としては必要な条件になります。ここで誤解しないで欲しいのは、社員に優しくすることが大切にしているという事では無いということです。社員1人1人には生活があります。家族がいる社員は、給料が家計を支えているのです。ただ社員に優しいだけではなく、しっかりとした報酬を出すことが必要なのです。特に中小企業の経営者は、賞与について意識を高めておかなければなりません。
賞与とは、会社の利益が上がった時に報酬として出すものです。会社の利益が出ていない状態で無理に賞与を出し、経営を悪化させる経営者は優秀な経営者とはいえません。逆に、社員が頑張って利益を捻出したにも関わらず、賞与は据え置きでは社員のモチベーションが上がりません。利益に連動した賞与制度にし、社員たちの努力が動機づけされるような仕組みを考えることが必要です。
背中を見せること
優秀な経営者とは、現場の意見を聞いて経営に反映することだとよく耳にします。これはこれで大切なことです。現場で起こっている事象を知らぬ存ぜぬでは、正しい経営はできないでしょう。しかし一方で、経営者は対外的にも時間を多く使います。その中で、現場の意見を常に聞き続けることはできないものです。
経営者に重要なのは、背中を見せるということです。経営者が遅刻しているようでは、社員が着いてくるはずもありません。お客様にただペコペコしているだけでは、社員から頼りにされることもないでしょう。
優秀な経営者というのは、自分の行動が社員を引っ張っていくことを知っています。仕事に取り組む姿勢や、お客様との関係性など、社員が真似をして間違いないことを背中で示すことが大切です。自分の仕事に社員1名を密着させてみるといいでしょう。社員に対し、恥ずかしくない行動をしていますか。胸を張って経営者として語ることができますか。
偉大な二人の優秀経営者に学ぶ2つのこと
ここからは、実際に優秀な経営者となるための事例をご紹介していきます。これまでにお伝えした条件と照らし合わせ、また自分の行動を見つめ直すきっかけにしてみてください。
経営の神様:松下幸之助
パナソニック(旧松下電器産業)の創業者、松下幸之助といえば多くの方がご存知かと思います。松下幸之助の本はいくつも出版されており、名言も多数残っていますので、今さらと思うかもしれませんが、優秀な経営者の条件として外すことができません。
松下幸之助が57歳の頃、松下電器産業はフィリップス社との提携の中で、技術援助料7%の要求をされました。この交渉はかなり難航をしたのですが、松下幸之助は一緒に仕事をすることで、先方にもメリットがあることを訴えたのです。結果、フィリップ社に対して技術援助料4.5%を支払う代わりに、経営指導料3%を受け取ることで合意に至りました。
経営者は、自社が持っている価値をしっかりと把握した上で、それを対価に変えなければならないことを示す良い例です。
やりましょう:孫正義
とにかく行動力がある経営者といえば、孫正義が思いつくのではないでしょうか。アメリカ大統領のトランプ氏とも良い関係を築いている日本を代表する経営者です。
ソフトバンクが携帯会社として今の地位を築くことができたのは、iPhoneの独占販売権を手に入れたからです。孫正義が粘り強くスティーブ・ジョブズとの交渉を続けたことによる成果です。
中小企業の経営者にも知っておいてもらいたいのは、その交渉のやり方です。孫正義は、自分が考えた音楽携帯のアイデアをジョブズに説明し、そこでジョブズからiPhoneの計画を聞いたのです。
当時は、誰も考えもしないようなことでしたが、臆することなく、堂々とプレゼンをしたのです。その裏には、多大な努力があり、勇気があり、そして行動力があることを忘れてはいけません。
おわりに
優秀な経営者にも様々な形があります。自分のポリシーを貫きつつも、周りの意見をしっかりと聞き入れる経営者が必要とされているのです。社員の成長は、経営者の成長です。是非とも率先垂範の精神で会社を成長させていってください。
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