インターネットの登場により商品やサービスの情報が簡単に手に入るようになった今、機能や内容を多少変えたくらいでは、顧客が獲得できなくなりつつあります。さらに顧客やマーケットのニーズの移り変わりも激しくなっており、自社の商品やサービスに愛着を持ってくれるリピーター作り、ファン作りの重要性は日々高まっています。
では、初めて商品やサービスを使っていただいた「一見さん」からどのように「リピーター」、「ファン」になっていただくのか?
今回はいくつかの業界での成功事例を参考にしながらリピーター、ファンの獲得方法をお伝えします!
激戦!飲食業界のリピータ集客!(飲食業界編)
開業3年で約7割が廃業し、10年後も営業している店は1割程度と言われる飲食業界。参入障壁の低いビジネスであり、誰でも比較的簡単に開業することができる分、廃業率は非常に高い業界です。
1年未満で閉店する割合は34.5%で2年以内で閉店する割合は15.2%。合計すると49.7%となり、約半数の飲食店が2年以内に閉店していることになります。
つまり、新店舗が次々とオープンする一方で潰れるお店が多いのが、飲食業界の実態です。
では、そんな飲食業界でファンやリピーターを獲得するためにはどのような取り組みが行われているのでしょうか?
成功した事例を集めた結果、
①次回来店のきっかけを作る、②特別感を演出する、③お客様へ情報を発信する
といった方法が効果的と言われていることがわかりました。
具体的には
①来店のきっかけづくりでは、クーポン配布・イベント告知や期間限定キャンペーンの開催
②の特別感の演出では、お客様へのサプライズ特典・サービスの提供
③お客様への情報発信では、メルマガやDMの送付
など色々な打ち手が考えられますね。
飲食店と言えども、ジャンル、メニュー、サービスは千差万別。
お店にあった打ち手を検討していきたいですね。以降では他業界のより具体的な例を見ていきましょう。
リピーターで予約が埋まる!ホテル事業のおもてなし戦略!(ホテル業界編)
競争が激しいホテル事業。観光立国を目指しホテルが乱立する日本においては、自社を他のホテルと差別化するのは難しいものです。
一度宿泊いただいたお客様にリピーターとなっていただけるためには何をすれば良いのか?
リピーターで殆どの予約が埋まっているホテルの成功事例が参考になるかもしれません。
その秘訣とはズバリ「宿泊メモ」。
この「宿泊メモ」とは、宿泊いただいたお客様からあらゆる情報を入手、管理し、社員全員で共有する仕組みの総称です。昨今はメモではなく、システム上で情報管理している例が圧倒的に多いでしょう。
「宿泊メモ」に記録をつけるのはフロントや客室担当だけではありません。調理場、ポーター、電話受け付け担当も含めた、全ての社員が情報を収集し、共有するのです。
電話で予約した際に言われたオーダーはもちろん、ご来館いただい際に交わした「世間話」や「質問」など全てが貴重なお客様の情報の一部です。
何気ない会話の中に実は様々なヒント、お客様の些細なニーズ、不満が隠されているのです。
例えば食事の好み。魚料理が良いのか、肉料理が良いのか、アレルギーはどうなのか、お子様の好みはどうか、など食事に関する情報もできる限りヒアリングします。
会話を通して得た情報を全従業員が共有し、おもてなしに活かされる。お客様の満足度が上がらないわけがありません。
そんなホテルに泊まれたら、あなたもきっと「ファン」になりますよね?
そして、この「宿泊メモ」の真骨頂は2回目ご利用の際に最大限に発揮されます。予約の時点で、どのお客様からの予約なのか、過去データをすべて検索することができるからです。
ご予約いただいたデータは宿泊当日、全社員に共有され、料理から寝具に到るまですべてのおもてなしへ活かされます。
お客様は再びそのホスピタリティに感動し、また泊まりたいと強く思うことでしょう。一見さんからリピーター、そしてファンへとなっていたけるのです。
リピーターで予約枠が埋まることで安定的な売上を維持することが可能になります。
まず大切なことは「おもてなし」を実現するために、どんな些細なことでも情報管理すること、そして全社員に共有することです。
車が売れない時代!中古車販売店の勝ち組戦略!(自動車販売編)
バブル崩壊した後、全国の中古車販売店が軒並み廃業に至っています。新車自体が売れないこともあり、中古車の数が減っていることも一つの要因です。現在、新車ディーラーも含め、特に中古車販売店にとっては、非常に厳しい時代となりました。こんな中、勝ち組と言われる中古車販売店があります。車が売れない時代の勝因はなんでしょうか。
バブル期には多くの中古車販売店はただ、中古車を仕入れて販売することのみに注力していました。つまり車販売のみに売上を頼っていたのです。
広告や宣伝などに費用をかけ、新しい顧客を呼び込むことさえできればよかった時代です。
しかし、車販売自体が縮小する中、販売台数、売上は縮小していきます。ここで勝ち組と負け組が大きく分かれます。
勝ち組となった中古車販売店は「リピーター」作りに注力したのです。
車販売のみでは、顧客の次の車購入まで早くても2~3年を要し、長い人では5~6年ほどの期間がかかります。つまり、1人の顧客が次に店舗にご来店いただくのは、2~6年ほどかかってしまうのです。
この期間でお店を忘れてしまうかもしれませんし、他のお店で買ってしまうかもしれません。何もしないことで見えない大きなリスクを負っていたのです。勝ち組中古車販売店は、この期間にコンタクトを取ることにしました。
そのコンタクト戦略が主に以下2つ。
「保険」
保険加入に注力したのです。
自動車保険は昨今、インターネット保険など多様な保険がありますが、当時は自動車を購入した際、その販売店にて合わせて自動車保険へ入る方も多かったのです。
そのため販売店から保険満期のお知らせなどをお伝えすることが多く、このお知らせのタイミングで自動車切り替えクーポンや好みの車種の入庫案内などを送付することにしたのです。
顧客とコンタクトが取れ、かつ自社売上の柱にもつながる、この保険戦略を綿密にいつ、だれが、どのようにコンタクトを取るのか、仕組み化していきました。
「車検」
そして保険戦略と合わせて車検に注力しました。車検は新車では3年に1度、中古車は2年に1度必ず発生します。
このタイミングで車検の案内、そして様々なアイディアで顧客の心を掴む戦略です。
事例の一つとして、ユニークなアイディアによる成功事例があります。
車検は通常その車の製造年月日(メーカーが作った日)を基に車検日が設定されます。つまり、車検日とは「車の誕生日」に当たります。
勝ち組中古車販売店はこの「車の誕生日」という事実を生かし、車検を自店で実施して頂いたお客様に「誕生日ケーキ」を無料贈呈するのです。自分の車は「恋人」「子ども」といった感覚の方も多いため、その大事な人(車)への誕生日ケーキは顧客にとってうれしい限りです。
顧客は、こんなお店だったら次の車も大事に扱ってくれるだろうと感動し、次の購入もここに頼もうと「リピーター」になっていくのです。
大事なのは顧客がいつ購入し、いつ車検日なのか、いつ保険が満期なのか、顧客の情報をしっかりと保管し、活用することです。
このように保険や車検をしっかりと把握し、良いタイミングでコンタクトを取ることはリピーター作りには不可欠。リピーターとなっていただくことで、車のキズやヘコミを直したいときの相談、家族や友人が車を購入する際の相談など、新たなお客様獲得や商売のチャンスが広がっていきます。
この中古車販売店は車全般に関する総合的なコンシェルジュとして、適切なタイミング、適切な内容でコンタクトを実施することで強力な「リピーター」、「ファン」の獲得に成功したのです。
BtoC事業は結局、「ファン」作りに尽きる?!
中国では三国志に登場する関羽が「商売の神様」と崇められています。決して敵に寝がえりをすることがなく、信義に厚かった関羽は「信用」、「信頼」の象徴となりました。華僑の人々にとって商売は「信用」です。
信用され、顧客にリピーターとなっていただくことは、安定的な売上、安定運営につながります。さらにリピーターからファンとなっていただくことで、顧客からその家族や知人へサービスや商品を届けるチャンスが広がります。
つまり、リピーターをファン化することは、安定的な売上に限らず、売上を拡大することも可能となるのです。これはBtoC事業において非常に重要な考え方です。
まず大切なことは一人一人の顧客を理解し、情報を整理し、そのうえでしっかりと顧客に向かい合うことではないでしょうか。
リピーターを作るために絶対不可欠な方法!
BtoC事業で最も大切なことはリピーターとなっていただくことです。そのためには顧客となっていただいて頂いた方の情報をしっかりと管理し、把握し、適切なタイミング、適切な内容でコンタクトを取ることは重要です。顧客台帳やエクセル管理では単なるリストでしかありません。
必要なことは、いつ、誰が、どのように、どんな内容でコンタクトをしていくのか、どのような集客メディアが有効なのかなど、しっかりとしたシステムによる顧客管理、集客ツールです。昨今様々な顧客管理システムがありますが、有効なシステムの一つがクラウド経営システム「ALL-IN」です。
「ALL-IN」は顧客管理・人事・給与・会計・販売管理など、経営に必要な全てが含まれていて、その全てが連動する優れものです。特に「ALL-IN」の「顧客管理」は、顧客情報を一元管理するだけではなく、すべての顧客を見込み客からファン、アンバサダー(超優良顧客)まで、ロイヤリティ別に把握・管理できます。
取引情報も登録可能で、コンタクト履歴、購入履歴もすべて入力、管理、閲覧が可能です。つまり、いつ、誰が、どのように、誰から、いくつ購入したのか、すべてを把握することができ、詳細をメモすることができるのです。顧客の些細な情報もすべて蓄積することができるのです。そして「ALL-IN」の特徴の一つが「集客ツール」です。「ALL-IN」の「集客ツール」は新聞、チラシ、雑誌、SNSなど、どのメディアから集客したのか、またそのメディアの費用対効果など、数字に基づいたマーケティングを可能にします。
さらに「ALL-IN」は「メール配信」も可能となり、例えば、顧客の中で誕生日などの配信日の設定も可能です。購入後3か月後、半年後、1年後の配信なども設定できますので、アフターフォローの一環としての活用も考えられます。ベストタイミングで、最適な内容を自動配信することができれば、リピーター化する可能性は高まります。
さらには《ALL-INーコックピット》という機能があります。全社的全ての会社データが可視化され、全データからリアルタイムに生成される指標が、グラフや図表を用いたインジケータで表示されます。すべてのデータがつながっているので営業からバックオフィスまで現状を見える化でき、何が課題なのか、全社的視点で課題が浮き彫りになってきます。
売上、経費、平均リピート回数、労働生産性、利益推移、現金預金推移、キャッシュフローなど、経営者が必要とするデータ全てがリアルタイムで把握できます。「ALL-IN」は人事、経理から中小企業にとってすべてのシステムが入っているシステムでもあり、「これさえあれば何もいらない」ほどのクラウド型ERPで、中小企業経営者の右腕となる経営支援システムとなっています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。BtoC事業を成功させるためには「リピーター」、「ファン」作りが非常に重要なポイントとなります。しかし、顧客を理解し、信頼を得る。これはBtoC事業に限らず、どんな事業においてもすべての商売の基本なのかもしれません。
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