一元化

「共有知識化」のために、はじめに取り組むべきこと3つのこと

kyouyu 4 1 1これまで、共有知識化の重要性とその具体的な事例を紹介してきました。もう一度社内の業務を見返すと、まだまだ「人」に頼り切っている箇所が多くあると気づかれるかもしれません。そんな場合に、共有知識化を目指すときに最も重要となる、マニュアル作成のための3つのプロセスを紹介します。

マニュアル化への動き出し

kyoyu 4 2マニュアル化への動き出し段階では、しっかりとした実行計画の用意、マニュアル化する領域の決定することが重要です。

マニュアル化とは、大変時間と労力のかかる作業です。マニュアル化したことにより、今後得られる恩恵を考えれば気にならないとも言えますが、それでもやはり大変な作業です。時間をかけてじっくりやるのもいいですが、限られた会社のリソースを考慮すれば、マニュアル化を一つのプロジェクトとして計画的に行うべきです。前回記事で紹介した、ベネフィット・ワンの事例でも、3か月の「マニュアル整備プロジェクト」と題し、社内業務のマニュアル化に取り組みました。

繰り返しになりますが、マニュアル化にはコストがつきものです。業務に影響が出るコストとして最も大きいことは、「マニュアル化作成のため、社員が日常業務の手を止めなければいけない」というものです。大企業であれば人員に余裕があるかもしれませんが、一人一人の仕事が会社の動きに大きく影響を及ぼすような企業では、それは致命的です。マニュアル化が終わるまで通常業務ができないという状況を避けるためにも、作業の実施計画を立てましょう。

具体的には、一日のうちマニュアル化に使う作業時間の設定、誰が責任者となって、誰が作業をし、プロジェクトを進めるか。また、どのような規格でマニュアルを作成するかを前もって決めなければ、後々読み手も混乱してしまうでしょう。

マニュアル化のマニュアル作りを動き出しの一歩目としましょう。

業務の分析

kyoyu 4 3次に実際に業務のマニュアル化に取り掛かる段階ですが、それはマニュアル化の中心となる「分析」です。社員がどんな業務をやっていて、それがどの業務と連動していて、どんなアウトプットをしていて、、、、普段社員が何気なく処理している業務も分析してみると意外と複雑だったりします。始めは簡単に、社員への聞き取りから、業務の全体像を洗い出しましょう。

その後、詳細な業務手順を分析していきますが、ここで問題となってくるのが、微妙に社員ごとにやり方が異なってくることです。適当に誰かの業務手順をマニュアル化するのではなく、一番効率的なものを選定しましょう。

そして、マニュアル化において絶対に見逃してはいけないのは、属人的なノウハウです。社員が「何となく」や「コツ」が効率化のためのキーとなってきます。注意深く聞き取り、観察し、他の社員が学べるように分析しましょう。

文書化

kyoyu 4 4そして、アウトプットの段階です。マニュアルを文書化することが、マニュアル化のゴールとなります。

どれだけ詳しく業務を分析できていても、この文書化の方法次第では、無駄なもの、最悪、業務を煩雑化してしまう原因にもなりえます。また、長い期間一つの業務を詳しく分析しているうちに、第三者的目線を失ってしまう可能性があります。そういった状態で文書化し始めると、初めてその業務に触れる人には何のことだからわからないものになります。それではマニュアル化の本質を活かせていません。対策は次回記事で詳しく紹介しますが、大事なことは、個人でやり続けず、複数院でのチェック体制を築き上げることです。

見やすく、シンプルに、しかし網羅的に。を心掛けましょう。

文書化の時、もう一つ重要なことがあります。それは、「改善の余地」を残すことです。改定できないマニュアルはない方が良いと言ってもいいでしょう。より効率的で生産性の高い方法をすぐにマニュアルに反映できるような文書としましょう。

おわりに

今回の記事では、簡単にマニュアル化に際してのプロセスを紹介しました。必ず意識すべき大事な点のみをピックアップしましたが、次回記事では、具体的に何をどうすえればいいのかまで踏み込んでいきたいと思います。特に、文書化に関しては、マニュアル化の最終ステップであり、最も重要なアウトプットの段階です。次回記事ではそこに焦点を当てていきたいと思います。

→次の記事へ 5.「「共有知識化」―マニュアルをどう作っていくべきか」

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