IT活用と言えば、重要な事だとはわかっているけど社内に適切な人材がいないし一から勉強するのにも手間が掛かるという事で、中小企業においては敬遠されがちなテーマであります。
しかし、中小企業白書2016によれば帳簿の記帳の際に企業の76.5%はパソコンを使用していて、69.4%は会計ソフトを使っているという調査データがあります。これも立派なIT活用の一つであり、慣れれば会計ソフトはミスを訂正しやすいし自動で計算をしてくれるので楽で紙の記帳には戻れないという人も多いのではないでしょうか。
本記事ではそのような中小企業のIT活用について陥りがちな悩みと活動のセオリーについて説明します。
IT活用には専門知識が必要?IT投資に関する不安を詳しく分析
<中小企業白書2016より抜粋>
上の表はIT投資を行っていない企業がなぜIT投資を行っていないのか理由別の割合をまとめた表です。3位の「コストが負担できない」という回答を除けば、IT導入の為の人材がいない、導入効果が分からないなどIT技術に関する知見がない事が理由だと考えられます。
このような回答を見るとIT導入と言えば何か専門的知識が必要な大がかりなものだと捉えている企業が多いと考えられますが、冒頭の会計ソフトの例で説明したとおり実はそれほど難しい事ではありません。
1からオリジナルのシステム開発を依頼すると数百万円、数千万円のコストは平気で掛かりますし依頼者側も知識が必要となりますが、会計ソフトのようにパッケージ化されたソフトで提供している会社がサーバーなどの設備を全て用意しているクラウド型のサービスを月々数千円から数万円で利用できる様になっているのでコストは掛かりません。
また、直観的に操作しやすいようにシステムが設計されていますし、マニュアルやサポートなども充実しているので、IT活用ができるか否かは専門知識というよりも手間暇をかける根気の問題が大きいと言えます。
つまり、わざわざ手間をかけてIT活用を行う必要があるのかというのが中小企業の経営者にとって重要な事だと考えられます。
IT投資をしている企業は成長している
<中小企業白書2016より抜粋>
では、わざわざIT投資を行って成果がでるのか、他のデータから検証します。上の表は同じく中小企業白書から抜粋したIT投資を開始した企業とIT投資をしなかった企業との売上高経常利益率を比較したデータです。
2010年度からIT投資をおこなったグループは営業利益率が2.6%から3.8%に上昇しているのに対して、IT投資を行わなかったグループは3.0%と上昇幅が少なくなっています。
なお、2007年のデータを見ると、2010年以降にIT投資を行ったグループよりも、IT投資を行わなかったグループの方が経常利益率は高いので、IT投資を行った企業の方が利益率の高い企業がサンプリングされていたということもありません。
この他にも、売上ともIT投資のありなしは相関関係を持っていると言われており、IT投資は会社の経常利益を増やす事に何らかの作用をしていると推測できます。
主に中小企業が取り組んでいるIT投資の対象
<中小企業白書2016より抜粋>
では、IT投資に積極的な中小企業が取り組んでいるIT活用のテーマとは何なのでしょうか。上の表は業務領域別に見たITの導入状況の割合についてまとめた表です。
財務・会計、人事・給与業務という2大バックオフィスが既に8割程度がIT化しています。この次に販売、調達・仕入と続き社内の情報共有が58.3%となっています。
バックオフィス業務は紙ベース、人力で作業を行うと計算ミスが発生したり、ミスを訂正する場合にも大量の見直しなどが伴いますし書類の記入が面倒なのでITする事によって大きな恩恵を受けられる業務であると言えます。
逆にIT化するのが困難な領域としてはカスタマーサポートがあげられ、接客的な要素も伴うのでAIを利用したチャットボットなどは開発されているもののまだ人間が対応した方が高品質のサービスを提供できると言えます。
これからIT化する企業が意識すべき3つのこと
これからIT活用を行う企業はどのような点に気を付けて投資を行えば良いでしょうか。
財務・経理、人事・給与のシステム化は必須事項
まず、業務の領域を絞って投資を行うという事です。先ほど説明したとおり、財務・会計、人事・給与のバックオフィス業務はIT化する事によって高い確率でコスト削減が見込めます。入力の手間も紙からキーボードでの入力に代わるだけなのでほとんど変わりませんし、計算や出力の手間は確実に削減可能です。
ここから更にどの程度IT化するかは企業の方針にもよりますが、経営者としてシステム化によって仕事を減らしたい、経営を効率化させたいという事ならば営業管理・顧客管理・商品の在庫管理などもシステム化して社員にもIT教育を施して、経営者がどこにいても会社の状態をチェックできるような体質を作った方が良いでしょう。
システム同士の連携を行う際にはIT人材が必要となる
ちなみにIT投資を行うにあたってIT人材は必要なのでしょうか。例えば、使っているシステム同士を連携させたい、機能を少しカスタマイズしたいという場合は社内に人材がいるにこしたことはありませんが、必須というわけではありません。大抵の操作方法はマニュアルを見ればわかりますし、分からなければサービス会社に連絡すれば教えてくれます。
つまり、IT人材を用意してITシステムを導入するのではなく、ITシステムを導入して素人が使える限界まで使い倒したらIT人材を用意するというスタンスでシステムとは向き合った方が良いでしょう。
費用や運営用の手間を考えるとクラウド型のソフトの方が良い
この他の理由として情報セキュリティの対策やシステムのマイナーチェンジなどにIT人材が必要だと思う人がいるかもしれません。
これについては大企業が自分のためにカスタマイズしたシステムを保有している場合は必要になりますが、パッケージソフトやクラウド型のソフトの場合はきちんとバージョンアップしていればサービス提供会社が情報セキュリティ対策やシステムのマイナーチェンジを行ってくれます。
よほど大規模なシステムでもない限り、中小企業においては人を雇うよりパッケージ・クラウド型のソフトを購入した方が、コストパフォーマンスが良いと言えます。
おわりに
以上のようにこれから事業のIT化を考えている企業の為に必要な情報について中小企業白書を中心にお伝えしてきましたが、最後に情報を整理します。まず、IT投資と中小企業白書の調査によれば企業の売上高とIT投資の間には相関関係があり、IT投資によって経常利益率があがるという事が示されています。
では、IT化を進めるために注意しなければならないのは何なのでしょうか。本文中で説明したのは以下の事です。
・財務・経理、人事・給与のシステム化は必須事項
・できれば経営者が経営状態を素早く把握し、迅速な経営判断を下す為にも、顧客・営業・各自のスケジュールなども共有できるシステムの方が望ましい
・費用や運営用の手間を考えるとクラウド型のソフトの方が良い
・システム同士の連携を行う際にはIT人材が必要となる
以上の注意点を全て満たした上でIT導入が可能なのがALL-INです。ALL-INを導入すれば必須である、財務・経理、人事・給与のシステムだけではなく、顧客・営業・スケジュールなどのシステムまで全て一度に導入する事が可能です。
しかもクラウド型なのでサーバーの管理やマイナーチェンジが自社で行う必要が無く、月々数万円で利用可能です。更に、すべてのシステムがワンパッケージとなっており、システム同士が連携しているのでIT人材を雇ってカスタマイズする必要もありません。
とりあえずIT活用が遅れていたので一気にIT化を進めたいけど、ITに関する知識には疎いという経営者の方はワンパッケージで全てを導入できてコストも安いALL-INを検討してみてはいかがでしょうか。
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