経営コラム

今さら聞けないフィンテック(FinTech) 入門!7つの事例から基礎を学ぼう

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フィンテックとは?

フィンテック(FinTech)とは、ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた米国発の造語で、スマートフォンや人工知能(AI)などITを使った新たな金融サービスの総称です。

一口にフィンテックと言っても、PayPalなどの決済サービスから、家計管理ツール、スマホで支払いができるカード決済サービス、さらには投資への助言や資産運用を人工知能(AI)が行うサービスなど、様々なフィンテックが続々と登場しています。

フィンテックへの投資額も2014年以降急増しており、アメリカの経済メディアInc.comはフィンテックを「2015年で最も有望な産業」と評価しました。

fintech2 (出典: アクセンチュア “The Future of Fintech and Banking: Digitally disrupted or reimagined?” )

これまで規制の多かった日本の金融業は新規参入が難しい業種でしたが、2015年5月の金融商品取引法の改正で規制緩和が進んだことや、安倍首相の起業家支援政策の影響もあり、ITベンチャーが金融業に参入しやすくなりました。

現在では100社以上の開発ベンチャーがフィンテックに携わっているといわれており、今最も注目されている産業といっても過言ではないでしょう。

代表的なフィンテックのカテゴリ7選

フィンテックの分野は多伎に渡ります。そこで、日本経済新聞の「安く便利に、サービス続々 フィンテック超整理」(2016年1月24日)を参考に、サービスを7つのカテゴリ分類してご紹介しましょう。この機会にフィンテックの基本知識をぜひ抑えてください!

1 家計管理 -お金の流れをスマホで一元管理

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銀行口座やカード情報を登録しておけば、自動的にお金を使ったデータを収集し、家計を一元管理してくれるサービスです。

現在、消費者に最も浸透しているフィンテックと言って良いでしょう。レシートを写真に撮るだけで内容を自動的に反映してくたり、昨年の情報を分析して季節ごとの衣服の買い替えの予算を立てられたり、どんどん便利に進化を続けています。

家計一元管理ツール「MoneyForward」が代表的なツールとして知られています。MoneyForwardでは銀行・証券・カードだけでなく年金、FX・貴金属・、スタバカードまで全国2600の金融機関に対応しています。お財布の中身を自動で一元管理できるツールです。

>>Money Forward

2 投資支援 -AIが投資プランのアドバイス

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これまで銀行や証券会社の専門職員が行ってきた資産運用のアドバイスを、「ロボアドバイザー」と呼ばれるAI(人工知能)が代わりに行うサービスです。個人投資家が中心のユーザーとなります。

人工知能が6000銘柄以上の金融商品の値動きをチェックし、市場動向やユーザーの投資志向に合わせたポートフォリオをアドバイスしてくれます。

人工知能で行うことによって、チェックできる銘柄数が格段に増えます。これまでは主に富裕層が利用していた資産運用のサービスが、誰にでも利用可能になったのです。

AIを使った投資支援を行うサービスとしては「お金のデザイン」が代表的です。お金のデザインが運営しているサービス「THEO」では、9つの質問に答えるだけであなたに最適なポートフォリオを提案してくれます。

資産運用が初めて、という人でも、少ないリスクで資産運用できるプランを見積もってくれます。

>>>お金のデザイン

参考:NHK クローズアップ現代「ITが変える“お金の未来” ~フィンテック革命の衝撃~

3 カード決済 -スマホや指紋認証でお買い物もラクに

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小型のカード読み取り機をスマホに取り付けることで、スマホでカード決済ができるというサービスです。

日本では、フィンテックの先駆けといえる「お財布ケータイ」が以前から存在していましたが、そのスマホバージョンと言えます。

これからは、飲食店や交通機関、コンビニエンスストア、自動販売機などに読み取り機が設置される予定です。近場への買い物なら、スマホだけ持って出かけられそうです。日本でのサービス開始が楽しみですね。

Apple社のスマホを使った決済サービス「アップルペイ」や、米グーグルが三菱UFJフィナンシャル・グループと組んで開発中の「アンドロイドペイ」が来年からサービスが開始される予定です。

参考:日本経済新聞「アップル「iPhone」のフェリカ対応、来年から 日本でのスマホ決済」2016年9月7日

また、更に進んで事例を取り上げれば、長崎県佐世保市のテーマパーク ハウステンボスでは、2015年10月から、何も持たずに指一本で支払い可能な「指紋認証技術」を活用した決済サービスが始まりました。

受付で電話番号と指紋をタブレットに登録し、お金をチャージするだけで、手ぶらで園内を楽しむことができます。生体認証技術を用いた決済手段サービスを開発する株式会社Liquidによる技術で、より低コストで導入できるカード決済サービスとして、注目を集めています。

4 ショッピングサイト-あなた仕様のサイトにカード決済を簡単導入

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スマホで手軽にネットショッピングサイトを開設し、しかもクレジットカード決済まで導入できる、そんなサービスが中小企業や個人事業主を中心に広がっています。

例えばネットショップ立ち上げサイトの「BASE」では、ネットショップのデザインから集客までBASEが無料で助けてくれるので、プログラミングやサイト構築のスキルがなくても簡単にショップを開けます。

また、クレジットカード決済、コンビニ決済・Pay-easy、銀行振込、後払い決済の4つの決済方法に対応した「BASEかんたん決済」というサービスを提供しており、BASE内の管理画面でお金の流れをかんたんに管理・確認することができます。

個別の決済会社との契約や銀行口座の用意、入金確認など煩雑な手続きなしでクレジット決済を導入できるサービスは、個人事業主には魅力的です。

>>>BASE

5 業務支援 -会社のお金を自動管理して、融資も受けやすくなる

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中小企業向けの会計関係のサービスが中心のカテゴリです。

クラウド上に銀行口座を登録し、自動的に会計管理を行うことができるようになりました。

「フリー版あり!中小企業におすすめクラウド型の会計・経理ソフト5選」でご紹介したfreeeなどのクラウド型会計ソフトが、中小企業で普及している代表的なツールです。

freeeでは、銀行口座を登録するだけで帳簿も請求書の作成も自動で行えます。

経理の手間を省くだけでなく、人為的ミスを防ぎ、お金の流れをより正確に記録することで、より融資を受けやすい「説得力のある」資料を作成することができます。

>>>freee

6 保険-テクノロジーの力で、保険料まであなた仕様

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フィンテックは保険業界にも広がりつつあります。この分野に限っては、保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせたInsurtech(インシュアテック)とも呼ばれています。

例えば、自動車の急ブレーキや急発進した回数の情報を車に装着した電子端末で読み取ることで、「この人は事故を起こしやすい」といった分析ができ、より柔軟な自動車保険料を設定することができます。

日本ではアクサ損害保険が、自動車のビッグデータを収集・解析するツールを開発しているベンチャー企業のスマートドライブ社と提携し、安全運転で保険料を割引くテレマティクス保険の開発を行っています。

今後は生命保険やサイバーテロに備えるサイバー保険など、別の分野でもインシュアテックの導入が期待されます。

7 融資 -借りたい人と貸したい人をつなぎ、銀行なしの融資を実現

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融資を受けたい起業家や中小企業経営者の間でも、フィンテックは広まっています。

これまでは銀行員が財務諸表などを分析して融資の可否や額などを決めていました。これからは、取引情報をAIが分析し、自動的に融資を決断するなどの取り組みが始まろうとしています。(2016年1月24日付日本経済新聞「安く便利に、サービス続々 フィンテック超整理」)

また、資金を借りたい人と貸したい人をインターネットで仲介するソーシャルレンディングサイトを利用することで、銀行を通さなくても融資を受けられるようになりました。リスクもありますが、投資家は高い利回りが期待でき、起業家にとっても、煩雑な手続きだけして結局融資を受けられなかった、という事態を防ぐことができるサービスです。

日本ではmaneoがソーシャルレンディングサービスを行っています。

>>>maneo

まとめ

以上、フィンテックの概要と、代表的な7つのカテゴリをご紹介しました。ベンチャー主導で、従来の金融が提供してこなかった多種多様なサービスが続々と発表されていることがご理解頂けたかと思います。

今後、フィンテックを軸に、金融の世界がさらに変化することが予測されます。時代に乗り遅れないよう、経営者の皆さんはフィンテックの情報に今後も注意する必要がありそうです。

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