経営コラム

「お客さん目線のメッセージって何だ?」を、7ステップで考える

em48

 “伝える”言葉と、“伝わる”言葉。
この2つは似ているように見えて、全く違うものです。

“伝える”ために考えられたメッセージは、
「一方的な目線」の言葉。

“伝わる”メッセージは、
「お客さん目線」の言葉。

同じことを「伝えて」いても、
お客さんに「伝わる」内容は、
全く違うものになるのです。

例えば、あなたがインテリアショップのオーナーで、
ギフトセットをつくっているとします。

ポップには、どんなメッセージを書きますか?

・商品が、どんなに素晴らしいかを表現する?
・何でそれらをセットにしたのかを説明する?
・どんな風に使えば良いのかを伝える?

ついこの間、僕が出会ったギフトセットのポップには、
このどれにも当てはまらないメッセージが書かれていました。

いったい、どんなことが書いてあったと思いますか?

 

■ 商品のことでも、用途のことでもなく… ■

駅に直結した百貨店は、
休日ということもあって大賑わいです。

僕は目に入ったインテリアショップの中を、
ブラブラと歩いていました。

食器や、アクセサリー、ルームウェアなどの小物を中心に、
ちょっとした家具なんかもおいてあるブランドショップです。

店内を歩いていると、ある商品のポップが
僕の目に飛び込んで来ました。

それは、ギフト用のパッケージ商品。

シリアルなんかを食べるのに良さそうな
ちょっと深めの木のボウルと、木のスプーンが2つずつ。

それにオリジナルのマグカップ2つがセットになっています。

もし、あなたがこのギフトセットをつくったとしたら、
どんなメッセージをポップに書きますか?

このギフトには、こんなメッセージが書いてありました。

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「早起きな人達へのギフトセット」

“今日は何しよう”なんて話しながら
朝食はスープとトーストで軽めに。

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このメッセージを見て、僕は「すごい!」と思ったんです。

ギフト探しをしているお客さんの
「頭の中がどうなっているか?」を考えていないと、
なかなか、このようなメッセージは出てきません。

どういうことかというと…。

 

■ 商品を買うとき、お客さんは何を考えている? ■

ギフトセットを買っていくお客さんは、
商品を選ぶときに、何を考えているのでしょうか?

頭の中は、そのギフトを「贈る人」のことで
いっぱいのはずです。

「あの人は、これを贈ったら喜んでくれるかな?」
「これをプレゼントしたら、使ってくれるかな?」
「気に入ってくれるかな?迷惑にならないかな?」

ギフトセットは「贈る相手の喜ぶ顔」を見るために購入するもの。

だから、商品を買う人にとって最も大事なのは
「プレゼントした相手の喜ぶ姿が想像できること」なのです。

だから、先ほどのメッセージは、とてもうまい。

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「早起きな人達へのギフトセット」

“今日は何しよう”なんて話しながら
朝食はスープとトーストで軽めに。

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このメッセージを見ると、仲の良い夫婦やカップルが、
自分の贈った食器を使いながら、
楽しげに話している姿が頭に浮かびませんか?

こういった「お客さま目線」の
“伝わる”メッセージが人の心を動かすのです。

でも、「お客さま目線」って、
大事なことだとはわかっていても、実践が難しいんですよね。

一度、提供者になってしまうと、
どうしても「お客さんの頭の中」が想像しづらくなってしまいます。

そんなときは、今回ご紹介する
「7ステップ」を試してみてください。

きっと「お客さま目線」で考えるための助けになってくれます。

 

■ お客さん目線を手に入れるための7ステップ ■

とても簡単な方法ですが、この7つのステップに沿って
考えていくと、お客さんの頭の中が想像しやすくなります。

その7つとは…

【1】  お客さんの“絵”を描く
【2】  背景をつける
【3】  動かす
【4】 「悩み」と「喜び」を考える
【5】  商品の価値を考える
【6】  重なる部分は?
【7】  最後のチェック

それぞれを、詳しく見ていきましょう。

 

【1】お客さんの“絵”を描く

まず最初は「お客さんは誰か?」を考えていきます。
それも「イメージ」として想像することが、とっても大事。

言葉として「30代で」「サラリーマンで」「男性で」…
という考え方をしても、実は顧客の姿は明確になっていない場合が多いのです。

同じ「30代」「サラリーマン」「男性」でも、

・真面目一筋のカッチリとした方なのか?
・毎夜、街に遊びに繰り出す方なのか?

それぞれによって、アプローチの方法は、全く違います。

ですから、オススメなのが
紙に「お客さんの絵を描く」という方法。

お客さんの特徴は、服装や顔立ちに強く現れます。

・どんな髪型なのか?
・どんな時計つけている?
・どんな服装?スーツなら揃い?セパレート?
・どんなシャツ?
・どんな靴? などなど…

お客さんの姿を描いて、
身の回りの“似ている人”たちの行動を考えると、
ぐっとイメージがしやすくなります。

このとき、「絵のうまさ」は関係ありません。

自分でイメージができれば良いので、
極端なことを言えば「棒人間」のような絵でも大丈夫です。

棒人間の体から、線をひっぱって
「ピンストライプのスーツ」などと書いていくだけでも
だいぶイメージがしやすくなるので試してみてください!

 

【2】背景をつける

お客さんの姿を描いたら、
次はその「絵」に背景をつけていきます。

・どんな場面で商品と出会うのか?
・どんな場所で購入を検討するのか?
・どんなときに買ったものを使うのか?

そういった「場面」を明確にしていきます。

これも、先ほどと同じで「絵のうまさ」は関係ありません。
自分がイメージできればOKです。

【3】動かす

次は、その絵を頭の中で動かしてみます。

イメージしているお客さんが、

・どうやって商品と出会い
・どんなことを考えながら商品を選び
・購入したものを、どうやって使うのか?

そこまでの一連の流れを想像していきます。

 

【4】「悩み」と「喜び」を考える

そこまでイメージができたら、
お客さんが商品を検討して、購入して、使うまでに、
何を考えるのか?を書き出していきます。

特に大事なのが「悩み」と「喜び」です。

どんなことに悩んで、商品を求めたのか?
商品をつかうことによって、どんな喜びを感じるのか?

この2つを考えてみましょう。
先ほどのギフトの例で言えば、こんな感じです。

・悩み → どうやったら、あの人は喜ぶだろう?
・喜び → プレゼントを受け取った人の笑顔

(わかりやすくするために、1つずつだけを書いています。
実際は、思いつく限りを書き出していってください。)

 

【5】商品の価値を考える

次は、自分たちの商品の価値について考えていきます。

・どんな特徴があるか?
・商品のウリは何か?
・どんな価値を提供できるか?

自分たちの商品について、
思いつくことを、とにかくたくさん書き出していきます。

先ほどのギフトの例で言えば、例えばこんな感じ。

・朝食で使うのにぴったり
・木のぬくもり、温かい感じ、スローな感じ
・大きめのマグカップで、たっぷりの飲み物を楽しむ
などなど…

 

【6】重なる部分は?

商品の価値を考えたら、【4】と【5】の重なる部分を探して、
その部分を表現するメッセージを考えていきます。

例えば、ギフトの例で言えば、
「朝食の場面」で「使う人が喜ぶ姿」をイメージしてもらう。

そして、そのイメージを、もっと明確にしていきます。

・じゃあ、どんな朝食だったら喜んでもらえるかな?
→木の器だから、スローにゆったりとした朝食!

・ゆっくり朝食を採るってことは、早く起きてるのかな?
→早起きな人たちへの贈り物にぴったり!

そうやって考えていくと、先ほどのような
メッセージにたどり着きます。

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「早起きな人達へのギフトセット」

“今日は何しよう”なんて話しながら
朝食はスープとトーストで軽めに。

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もし、商品が夕食にピッタリな
「真っ白なお皿とフォーク・ナイフのセット」だったら、
全然違った表現になりますよね。

 

【7】最後のチェック

ここまでを考えて、メッセージをつくったら、
最後にもう1つだけ、確認するべきことがあります。

それは「声に出して読んでみる」ということ。

メッセージを考えていく段階では「文字」で考えるため、
どうしても「書き言葉」になりがちです。

でも、それを読むお客さんは、頭の中で「声に出して」読むので、
「話し言葉」の方が響く場合が多いのです。

ですから、できあがったメッセージは声に出して読んでみて、
もし違和感があれば、表現を改めて工夫していきましょう。

***

お客さんに“伝わる”メッセージとは、
「自分が伝えたいこと」ではなく、
「相手が知りたいこと」を伝えるもの。

自分が「お客さん」のときは、当たり前のことなのに、
「提供者」になった途端に見失ってしまうことは多いものです。

今回お伝えした7つのステップが、
「お客さん目線」を考えるための助けになれば
とっても嬉しいです。

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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