経営コラム

「会話してるとイライラする…」対人関係のすれ違いを減らす方法

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皆さんは、「ジプシー」という民族をご存じですか?

彼らは世界中に存在している「流浪の民」。

定住して職を持っている人も多くなってきましたが、
昔から「盗み」や「物乞い」で生計を立てている人が多く、
今でも世界中の観光都市でその姿を見かけます。

私はこのジプシーに興味があり、大学時代に研究していたのですが、
彼らの考え方は本当に突拍子もなくて、びっくりすることばかり。

特に彼らが当たり前のように「盗み」をする「理由」が驚きで、
これが分かった時、私は「なるほど」と納得したことがあります。

それは「彼らとは常識がまったく違う」ということ。

このことをきっかけに、私は改めて「常識」というものを考え直し、
そしてあることに気付きました。

今日は、私がジプシー研究から得た学びから、
私たちの日常生活で起きがちな、
「対人関係のすれ違い」を減らす方法について考えていきます!

★もくじ★

1. なぜジプシーは「盗む」のか?
2. 人と話している時「相手にイライラする」理由
3. 対人関係のすれ違いを減らす方法

1. なぜジプシーは「盗む」のか?

さて、なぜジプシーたちは、
さも当たり前のように物を「盗む」のでしょうか?

その答えは、「彼らは盗んでいない」から。

矛盾しているようですが、
そこにはこんな理由があります。

昔から自然と共に生きてきたジプシーたちは、
木の実を取り、小川の水を飲み、
その日に必要な分だけ狩りをして生きてきました。

そのすべては「神から与えられたもの」であり、
「自分たちは神からの恵みを頂いて生きている」
という考えが、ジプシーたちには根付いています。

そしてそれは現代を生きるジプシーたちも同じで、
目の前にあるものは「神からの恵み」だから、
「頂いているだけで、盗んでいない」ということになるのです。

こういった彼らの考え方や行動は、
私たちの社会にあっては「非常識」と言えます。
でも、彼らにとってはそれが「常識」なのです。

このことは非常に大きな気付きとなりました。

2. 人と話している時「相手にイライラする」理由

私たちは、
「自分の常識はすべての人の常識」だと思いがちです。

しかし、よく考えてみれば、
「自分とまったく同じ常識」を持つ人に出会うことは、
ほぼ不可能だと言えます。

なぜなら私たちは皆、
「自分の常識」を形作るまでの過程が異なるからです。

たとえば、日本人の「常識」と、各国の「常識」と、
ジプシー民族の「常識」は全く異なります。

それは、これまで積み上げてきた歴史や、その時々の環境や、
人々の思想や経験なんかが、すべて違うからです。
喋る言葉も、食べ物も、気候も違います。

「常識」とは、こうした様々な要因に影響を受けながら
徐々に形作られていくものですから、
それぞれ「常識」が異なるのは当たり前のこと。

ジプシーの「常識」が私たちにとっては常識でないのと同じで、
おそらく私たちの常識の中にも、
彼らにとっては「非常識」なこともあるのでしょう。

実は、これと同じことが、
私たちの日常生活の中でも往々にして起こっています。

「何でそんなことするの?」とか、
「どうして何度言っても分かってくれないんだ」とか、
身に覚えがありませんか?

本当は人それぞれ「常識」はバラバラなのに、
「自分の常識は相手にとっても当然、常識だろう」と思ってしまうから、
すれ違いが起き、イライラして言い争いが起きるのです。

どうしたら、
こういった「不毛なすれ違い」を避けられるのでしょうか?

3. 対人関係のすれ違いを減らす方法

「常識の違い」からくる「不毛なすれ違い」を減らすには、
2つのポイントに気をつけることが大切です。

1)相手とは「常識が違う」ことを受け入れる
2)相手の常識に沿って話をする

詳しく見ていきます。

1)相手とは「常識が違う」ことを受け入れる

私たちひとりひとりにも、
それぞれ「歴史」があります。

育ってきた環境も、出会ってきた人も、
読んできた本も、聞いてきた音楽も、
みんな違いますよね。

影響を受けたものがちがうのですから、
当然、ひとりひとり「常識」も違います。

たとえば、
昭和に生まれ育ち、会社の苦しい時を乗り越えてきた上司と、
生まれも育ちも平成で、会社が安定してから入った新入社員とでは、
経験が違います。

生まれ育った時代も環境も違うので、
もちろん常識も価値観も違います。

上司が経験してきたことを新入社員ができないのは、
その経験をしたことがないからです。

でも、その逆に、
新入社員ができて上司ができないこともあるはず。
IT関連なんかは、若者は強いですよね。

つまりは、
「自分の常識や尺度で相手を見てはいけない」ということなのです。

自分の常識は、必ずしも相手の常識ではありません。

まずは、「私たちは皆、違うものだ」
ということを理解し、受け入れることが重要です。

2)相手の常識に沿って話をする

自分と相手の「常識」は違うのですから、
自分の言葉が相手に伝わらないとしても、それは当然のこと。

パソコンが得意な人が、パソコンが苦手な人に対して、
専門用語で操作方法を説明しても、おそらくほぼ通じないはずです。

料理をほとんどしたことのない人が、
「それはささがき、こっちは面取りしておいて」と言われて、
どれほど理解できるでしょうか?

自分には「常識」でも、
相手にとっては、それは「常識」ではないのです。

だから先に、
「普段、どれくらいパソコンに触る?」とか、
「面取りってやったことある?」と言った質問をして、
相手の“背景”を知ることが大切です。

「何でこんなこともできないんだ!」ではなくて、
「なぜそれを理解できないんだろう?」と考える。

そして、相手の経験や理解度にあわせて、
なるべく簡単で分かりやすい言葉で説明すれば、
苦手な人でも理解できるようになります。

前述の上司と新入社員の例も同じこと。

たとえば、「そんな仕事はできて当たり前」なのは、
上司は既にそれを経験したからですし、

「こんな簡単なエクセル関数くらい分かって当然」なのは、
新入社員の方がパソコンに慣れ親しんできたから。

これまでの環境や経験が違うため、
お互いに「常識が違う」だけなのです。

「何でこれが分からないんだ!?」と感情的になるのではなく、
「どうして伝わらないんだろう?」と、相手のことをよく考え、
“相手の常識に沿って”伝えていくことが大切です。

自分の言葉を理解してもらえないとイライラしがちですが、
「そもそもお互いの常識が違う」のだと考えれば、
なぜ伝わらないのかが見えてきます。

「常識が違う」ことは、
決して「伝わらない」ということではありません。

ですから、「相手が理解しやすい言葉」で話すことで、
すれ違いを減らすことができるのです。

***

ジプシーに限らず、世界中の国々、たくさんの民族を見ると、
「え!何でそんなことするの?!」と
びっくりするようなこともたくさんあります。

日本の「納豆」も、他国の人からは、
よく「意味がわからない」と言われていますよね。

本当は、自分の身近なところでも同じことが起きているのに、
同じ空間にいて、同じような服を着て、同じ言語を喋っているので、
「自分と相手は違う」ことに、気づきにくいのだと思います。

お互いに「常識の違い」を意識しあうことが大切ですね。

ジプシーたちは、私たちと全然違っていて本当に面白いです。

「宵越しの銭は持たない」を地で行き、
その日に稼いだ分はその日に使い切るのが当たり前とか。

お金でも食べ物でも、「持っている人」が「持っていない人」に
何でも分け与えることが当たり前で、
多く分け与える人こそカッコイイとか。

ジプシーたちの「掟」は意外と厳しいとか。
実は「フラメンコ」はジプシー発祥だとか。

ジプシーについて色々と知った後に、
フランスに行く機会があり、
その時、街なかでジプシーを見かけました。

おそらく、以前であれば「イヤだな」「怖いな」と思ったはず。
でも、歴史から生活様式から色々と調べた後だったので、
むしろ「本物だ!」とワクワクしてしまいました。

「常識」の違う相手を知って、受け入れることは、
自分の世界が広がることでもあります。

「みんな違う」から面白いんですね!

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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