社内データを効率よく利用することで、意思決定を加速化させることができます。膨大なデータの整理、分析を行うことは、今後の役に立ちます。どうすればデータの有効利用ができるのか?そんな時に利用したいのが、ビジネスインテリジェンス(BI)です。
効率化を求めてビジネスインテリジェンス(BI)を導入したという方は多いでしょう。しかし、実際に導入してみると、さまざまな問題点が浮き彫りになることがあります。その結果、導入に失敗したというケースが多いです。
そこで、今回はBIツール導入に失敗する4つの原因をまとめてみました。原因をしっかりと分析すれば、よくある問題点を回避できます。導入に失敗した方もそうでない方も、本記事で紹介する原因を知って導入を成功へと導いてください。
1.明確な目的を持たない導入
ソフトウェアやツールを導入する際に考えたいのが利用目的です。ある特定の分野に活用出来る場合、利用用途は自然と明確になります。また、スポット的に機能するため、目的に対して結果が出やすいです。
一方、広域の分野のソフトウェアやツールの場合、利用目的を検討する必要があります。ビジネスインテリジェンス(BI)ツールなどは利用用途が広いため、方向性を考えなければいけません。
導入後にどう利用すればいいのか分からないというケースは多いです。そこで、導入前に利用目的を明確にしましょう。社内データを集めて、整理、分析、そしてどのような意思決定に利用するのか?
ツールに全て任せる前にツールを利用した際の方向性を確認しましょう。ツールを利用するのはあくまで人間です。根本的な方向性が決まっていなければ、ツールを生かすことは到底出来ません。
実際にツールを導入した後に目的がないためコストだけ膨らんだという話はよく聞きます。
ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入には多くのコストがかかります。
メリットだけに注目して導入してしまえば、それだけ将来に負担がかかるということを考えなければいけません。
2.現場の意見を取り入れない運用
ツールの導入を考えるのは上層部であることが多いです。データを収集、整理、分析、そして意思決定への利用。企業の効率化を実現するツールの導入は、魅力的な点であふれています。
そのため、実際に担当者を決めてないまま導入してしまったケースも多いです。現場の意見を取り入れない場合、多くの不都合が発生します。本来なら現場の意見を加味しながら、どのようなにツールを導入するか、長期的にスケジュールを立てる必要があります。
特に、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの場合、社内の多くの部署で利用します。できるだけ、現場との連携を取りながら運用していくことが求められます。
特に気をつけたいのは、現場に対する押し付けです。ツールの分析結果は数字の世界。論理的で説得力があるため、分析結果を用いてさまざまなアクションを起こします。その結果、現場に大きな負担がかかり、効率が悪くなることが多いです。
データを取り入れたアプローチを最終的に行うのは社員の役目です。データを盾にこれまで以上の負担を強いれば、ツールを導入した意味がありません。
できるだけ、現場との歩幅を合わせながら、的確なビジネスインテリジェンス(BI)ツールの運用を実現してください。
3.多機能が故に知識が足りなかった
ビジネスインテリジェンス(BI)を実現するには、多くの知識を必要とします。データの整理や分析はツールが行ってくれますが、分析結果を理解するためには知識が必要です。知識が乏しければ導入しても読み解くことが出来ません。
ツールを最適化するなら、まずは知識を深める必要があります。
そして、次に重要なのがツールの機能の理解です。昨今の、ツールには多くの機能が付いています。適切に利用することができれば、企業に対する功績は計り知れません。しかし、適切に利用できなければコストが発生するだけとなります。
社内の中にビジネスインテリジェンス(BI)に精通した人がいない状態での導入は非常に危険です。また、持っている知識が乏しいため限定的に機能を使っているというケースもあります。
これでは、従来の方法と変わらないことになってしまいます。導入したからには全ての機能とは言いませんが、幅広く機能を利用して最適化を図ることが大切です。
知識を持っていれば、万が一のトラブルにも適切に対処できます。体系的にビジネスインテリジェンス(BI)やツールについて知っているだけで事態は変わってきます。
導入前に、社内においてビジネスインテリジェンス(BI)に詳しい人材がいないか確認してください。もし、いない場合は担当者を育成したり、外注したりするなど施策が必要です。
4.費用対効果を考えていなかった
ツールは導入して終わりという訳ではありません。導入後、企業にどのような効果を与えたか?この点が重要になります。ツール導入後の失敗例として、費用対効果を考えていなかったケースが多いです。
ツールの導入には多くのコストが発生します。効率化を図る訳ですからそれなりの費用の上に結果が成り立ちます。しかし、費用と効果のバランスが崩れている場合、導入の失敗へとつながる場合が多いです。
例えば、機能を使いこなせない、一部の結果しか出していない、利用することが稀になってきた。こういった状況が続いた場合、ツールの導入は失敗と判断していいでしょう。導入の際にかかった初期費用、そして現在のコストを加味すれば、費用対効果が悪いことが分かります。
実際に、失敗という現実を受け入れたくないため、出番のないツールにコストをかけ続けている企業は多いです。導入後、一定期間が経過しても使いこなせないなら、すぐに利用をやめるなどのアクションが必要です。
素早く意思決定を行わなければ、長期的に影響してきます。一旦、利用をやめて新たに導入を検討しましょう。早期の判断で将来的なリスクを減らすことができます。一番危険なのはだらだらと利用し続けることです。
本来の目的である業務の効率化が図れず、目的を見失えば失敗はすぐそこにあります。一部分だけはなく詳細を見据えた判断を下しましょう。
まとめ
ビジネスインテリジェンス(BI)の導入に失敗する4つの原因を紹介しました。原因の多くは、検討不足であることが多いです。導入前にメリットだけでなく、デメリットも含めて考えましょう。
しかし、実際に導入後に何が起こるか分からないので対策の仕様がないという意見は多いです。では、全く対策を取らなかったらどうなるのか?答えは自ずと出てくるでしょう。最低限の対策を取っていれば、万が一の際に余力が残せます。
導入することだけを考えずに導入後を見越して議論を交わしましょう。現場の意見も取り入れながらスムーズな導入を実現してください。もし、導入に成功すれば業務効率は飛躍的に向上します。
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