はじめに
常日頃、よく「イノベーション」という言葉を耳にすると思います。もううんざりだという方もいれば、イノベーションを起こしたいと思っている方もいらっしゃると思います。
そこで今回はビジネスモデルキャンバスを用いて、自社がどうやって価値を生み出し、顧客に届けているのかを示す、いわゆる自社の“ビジネスモデル”を知ったうえでどの構成要素でイノベーションを起こすのかをみなさんに考えていただくきっかけになればと思っています。全3回で記事を連載していきます。今回はその1回目です。
また、イノベーション関連でブルー・オーシャン戦略についての記事も掲載していますので、下のリンクからぜひご覧ください。
ビジネスモデルキャンバスとは?
ビジネスモデルキャンバス=ビジネスモデルを記述、ビジュアライズし、評価、変革するための共通言語
と定義されています。要するに、ビジネスモデルを「見える化」し、イノベーションするために用いるものということです。
上にビジネスモデルキャンバスを掲載しました。これからこの表を使って話を進めていきます。ビジネスモデルキャンバスでは、4つの領域(顧客、提案価値、インフラ、資金)をカバーする、9つの構築ブロックで構成されています。以下では、この9つの要素についてなるべく端的にコンビニの例を用いながら話していこうと思います。そしてこの表の要素は相互に連携しているということを覚えておいてください。いくつかのブロックだけを用いて分析することもあります。
9つの構築ブロック
①顧客セグメント
このブロックでは、顧客がどのような人なのかをニーズ、行動、態度などによってグループ化します。企業によっては、マスに市場を捉えるかもしれませんし、ニッチに捉えるかも知れません。また顧客の特性によって細分化したり多角化したりさまざまです。
コンビニの例で言えば、顧客は絞っていないのでマスに市場を捉えています。
このブロックで考えることは「誰のために価値を創造するのか?」です。
②価値提案
このブロックは顧客セグメントの抱えている問題を解決し、ニーズを満たすものです。価値提案をすることにより企業は顧客に利益を提供することができます。提供できる価値としては今までになかったものである新奇性、今までの製品・サービスを向上させるパフォーマンス、顧客が製品・サービスを自分用にカスタマイズできるカスタマイゼーションの3つがあります。
コンビニの例で言えば、いつでもどこでも買える、といったことが価値となりえます。
このブロックで考えることは「顧客にどんな価値を提供するのか?」です。
③チャネル
このブロックは顧客セグメントにどう価値を届けるか、そしてどの方法で顧客とコミュニケーションをとるかの役割を担っています。製品・サービスをどう顧客に認知させるか、どう購入できるようにするか、どう提供するか、どうアフターサービスするかなどチャネルでは顧客と同様に時系列を追っていきます。
コンビニの例で言えば、顧客に価値を届けるために店舗を構えています。
このブロックで考えることは「どのチャネルを通じて、顧客セグメントにリーチしたいか」です。
④顧客との関係
このブロックでは企業が顧客セグメントに対してどんな関係を結ぶのかをはっきりさせます。顧客に手厚いサービスを施すところもあれば、顧客が自分でできるようにすべて用意するセルフサービスを提供するところもあります。
コンビニの例で言えば、レジまでほしいものを持ってこれるセルフサービスを提供しています。
このブロックで考えることは「顧客セグメントがどんな関係を構築、維持してほしいと期待しているのか」です。
⑤収益の流れ
このブロックは企業が顧客セグメントから生み出す現金の流れを表しています。顧客がビジネスの心臓部なら、収益の流れはその動脈であるとも例えられています。
コンビニの例で言えば、商品代金が顧客にとっての価値を表現しています。
このブロックで考えることは「顧客はどんな価値にお金を払おうとするのか」です。
これまでの5つの要素をコンビニの事例を用いてビジネスモデルキャンバスに落とし込むと、以下のようになります。
先程、この要素は連携していると言いましたが、コンビニはマスマーケットの顧客に対して、いつでも、どこでもの価値を多店舗出店することにより提供していると言えます。つまり、「いつでも」「どこでも」→「店舗」→「マス」という流れが読み取れるというわけです。この連携は一つではなく、顧客ニーズに応えたイノベーションであれば、顧客セグメントの要素から派生していきます。
今回のコンビニの事例で言えば、価値提案の要素が主導でイノベーションが行われているため、「いつでも」「どこでも」の価値がどのように顧客に提供されているか、どのようなリソースを使うことで実現されているかなどの流れで見ていくことができるということです。
<参考:「ビジネスモデル・ジェネレーション」アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール>
おわりに
今回の記事では、ビジネスモデルキャンバスの一部を紹介しました。このツールをうまく活用することができれば、今自社のビジネスモデルのどこに新規性があって、どこが競争要因となってしまっているのか、どこをイノベーションできるのかが「見える化」することによって見えてくると思います。これを機会に、自社のビジネスモデルについて考えてみると何か新しいアイデアが浮かんでくるかもしれません。次回の記事では、残りの構成ブロックをご紹介した後、事例を用いて説明していきます。下に次回の記事のリンクを貼っておきます。
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例えば、顧客管理システムで顧客がしっかりと整理されていれば、その顧客に向けてどの価値を提供すればいいのか。また自社の価値のどこにお金を払ってもらえるのかなどが明確になってくるかと思います。
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