省力化, 経営コラム

スタートトゥデイ、サイボウズ、Yahoo!に見習う「ノマド」や「短時間労働」を実現するには

働き方 本タイトル
より生産性の高い働き方は、どの会社も従業員も模索していると思います。
今日は日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイをはじめ、サイボウズやYahooのユニークで時流に乗っている働き方を紹介します。

「1日6時間労働」(スタートトゥデイ)

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2012年の5月に始まったこの制度は、昼休みをとらずに9時から15時まで働き、そこで仕事を切り上げて帰っていいというもの。この制度ができたきっかけは、代表の前澤さんが、日本の労働基準法で定められている「1日8時間労働」に疑問を持っていて、人間が本当に集中できる時間は、3〜4時間なのではないかと思っていたからだそうです。

しかし、だからと言って、3〜4時間ではさすがに仕事は終わらないので、労働時間をできるだけ短縮して、かつ生産性を落とさずに効率よく仕事をするに必要な時間は最低6時間だということで、「1日6時間労働」の制度ができました。

中小企業やベンチャー企業でも、ダラダラ仕事をするのではなく、短時間でいかに生産性の高いパフォーマンスをするか、という点に焦点を当てて、1日6時間とまではいかなくても、最低限の勤務時間を短縮することで、「仕事が早く終われば、その分早く帰れる!」とモチベーションが上がる社員さんも増えるでしょう。

早く帰った分、家族との時間や趣味の時間を楽しめて、さらに仕事にも熱が入ったら好循環ですよね。

実際にスタートトゥデイにおける生産性でも、6時間で終わらせなければならないとなると、今まで「8時間以内」を目標時間にしていたのが、「6時間以内」に短くすることで、制度の導入後、スタッフ一人あたりの労働生産性(1日当たりの売上÷1日当たりのスタッフの総労働時間)が前年比25%上昇したそうです。

また、一人当たりの一日の労働時間も9時間台から7時間台に減りました。今までより短い時間で仕事を終わらせなければならないと会社から決められると、自主的にそうするための工夫をするようになるのでしょう。

個人でより効率的に仕事をしようと取り組むよりも、会社をあげて取り組む方が効果があるのかもしれません。

「ウルトラワーク」(サイボウズ)

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チームと個人、両方の長期的な生産性向上を目的に、2012年から実施されている「ウルトラワーク」。これは仕事をする日時や場所を事前に申請し、上長の承認が得られれば、好きな時間や場所で働いていいという、「ノマド」のような制度です。

時間、場所の制約がなく、自ら選択できることでいかに生産性をあげられるか、社員が自発的に考えるきっかけにもなっています。実施する際のルールはまず、前日の夕方までにグループウェアで報告することです。

他には、生産性を下げないことと、常に連絡が取れるようにしておくことです。業務に関する制約はありません。多様な働き方を許可することで、より良いパフォーマンスができたり、枠にはまった働き方では得られなかったアイディアを生み出せると考えているそうです。

また生産性向上だけでなくプライベートとの両立という面でも、この働き方にはメリットがあるのです。例えば子供の保育園の行事があって会社には行けなくても、その前後の時間を使って自宅で仕事ができれば、働く親からするとありがたいものです。

またサイボウズ自身がかつて、離職率が高く、社員がどうしたら定着するか模索していたそうです。より多くの人にとって長く幡羅やすい会社であるために、多様な働き方を取り入れた結果、離職率は25%から4%までに下がったそうです。

そして実際に多様な働き方を経営者陣が実践することで、社員も活用するようになり、うまく機能しているそうです。確かに経営陣が率先して利用していれば社員も使いやすいですし、何よりその制度の長所・短所を経営陣が実感でき、利用者視点で制度を改良できますよね。

サイボウズの青野社長には2人の子供がいらして、半年間は毎週水曜日を育休日として、さらに労働時間も子供の都合に合わせてフレキシブルにするなど、「ウルトラワーク」をフル活用したそうです。

「どこでもオフィス」(Yahoo!が取り組む「リモートワーク制度」)

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Yahooにある「どこでもオフィス」というリモートワーク制度は、リモートワークと聞いてまず想像する在宅勤務とは違うのです。

社外に飛び出して、より豊かな仕事環境で働いてほしいという思いからこういう仕組みを持っています。大体、全社員のうち毎月、約半数弱ぐらいの方が利用しています。

日本の勤労形態は、個人プレーよりもチームプレーが得意な傾向があるので、リモートワークが根付くには時間がかかるでしょう。しかし今後、高齢化による労働人口の減少や、親の介護のために時短勤務が必要な従業員が増える、などの問題に対応していかなければなりません。

その時代が来てから対応するのでは、遅いですよね。より柔軟な働き方が日本でますます広がっていくことを予想して、今のうちからリモートワークの制度を整備していくのも、会社が生き残るには必要な施策かもしれません。

そして実際にリモートワークを可能にする、制度を整えるのは、女性の多い中小企業やベンチャー企業にはすぐ成果が出ると思います。家事や育児をしながら会社に行って働くのは、体力的にも時間的にもきついものがあります。

有能な女性社員を会社に確保しておくためにも、リモートワークを今から定着させることは、価値ある取り組みでしょう。

「週休3日制」の検討(Yahoo!)

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Yahooはもとより、ユニークな休暇制度を持っています。例えば、「課題解決休暇」です。これは会社が「社員には仕事以外の時間でも、ボランティア活動を通じて誰かの課題解決を行って社会に貢献してほしい」という思いから、年度で3日を上限として休暇を取得できるようにしているそうです。

さらに労働生産性を高め、より社員の豊かな生活や幸せを追求していきたいという目的のもと、今は土日を休みにしていますが、別の曜日に休むのはどうだろうか、さらに生産性上がれば週休3日っていうのもありなんじゃなかろうか?

という発想から、この制度の検討を始めたそうです。そして今後もっとITやAIを活用して人力を削減して、空いた時間でもっともっと創造的な仕事をできるようになると考えると、この制度の実現も現実的に可能になってくるでしょう。

まとめ

様々な働き方や休暇制度を紹介しましたが、どれも目的は「生産性の向上」です。社員一人一人の生産性が上がることで、結果的に会社全体の生産性も上がるものです。

そのため、より働きやすい制度を提案するのは経営者側や人事からだけでなく、社員も意見を出せる制度や風土があると、より実現しやすい「生産性の高い働き方」が見つかるでしょう。

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