実際に社内のマニュアル化に動き出そうという方のために、必ず目を意識していただきたいことを紹介します。マニュアルを作るだけなら、前記事で紹介した分析、文書化だけで十分です。前回は簡単にしか触れませんでしたが、今回は具体的に何を意識してマニュアルを制作していくべきか紹介していきます。
マニュアルに必ず含めなければいけない項目
会社の方針によっては、メインとなる「業務内容」の他、多くの項目が含まれるかもしれません。マニュアルに何を含めるか決めるとき、必ず入れてほしい項目が2つあります。1つは「目的」、1つは「評価基準」です。
マニュアルの存在目的
初めに定めるべきことであり、最初のページに書くことでもあること、それは「目的」です。当たり前中の当たり前のことですが、出来ていないことが多くあるようです。マニュアル作成は見切り発車では絶対にいけません。
目的とは具体的には、以下のことを明確にすることです。
「このマニュアルは『どのような業務』を担当する『誰』が、『いつ』『何のために』使うものか」
マニュアル化に取り組み始めると、社内に多くのマニュアルが溜まり始めるでしょう。それらの保管場所がリアルであれ、オンラインであれ(のちの記事でツールを紹介します)、整理がなされていなければ、存在価値がありません。なぜなら、適切な人が適切な時に適切に使えないからです。マニュアルを整理し、必要とする人が探しやすくするためにも、目的というのは最優先事項と言えるでしょう。
業務の評価基準
マニュアルが説明する業務の各工程に関して、どこまで達成すれば「できた」と言えるかを明らかにするための業務評価項目を載せましょう。
ここでいう評価とは、人事評価のことではありません。もちろんそれらに関連させることができますが、ここで重要なのが、業務を行う社員が自分のやるべきことをしっかり完了させられているかを自覚させることです。それぞれの業務にはゴールがあります。それらを元に、社員が自分の業務がこなせているのか自身で把握できるようにしましょう。
そのために、具体的な手法の一つとして、「チェックシート」というものがあります。シンプルに、抜けなく、自分の業務を見直せるように業務のクリア基準を羅列したチェックシートをマニュアルに備えましょう。
マニュアルに進化の余地を与える
前記事から繰り返し述べていることですが、業務プロセスは日々改善されていくことを前提とし、マニュアルにもすぐに反映できるようにしましょう。
この改善の余地を与える事は、マニュアルの存在のメリットの一つである「三人寄れば文殊の知恵」の元でもあります。現状で最も効率が良く、パフォーマンスの高い社員の作業を元に業務の標準化を行い、マニュアルを作成すれば、それを社員全員で「工夫し知恵を出し合う」ことにより更に改善されていきます。
世界のビジネスの現場でも意味が通じる、トヨタの「カイゼン」という文化もマニュアルの存在がなければ実現しません。トヨタのディーラーにはお客様対応をする「フロント」がありますがその裏には、きっちりと整理されている膨大な量のクリアファイルに入った作業標準書があるようです。誰がいつどの作業をしているのかも一目瞭然で、マニュアル化された作業をいつでも「カイゼン」しアップグレードできる環境を作りましょう。
おわりに
マニュアルに決まった書き方は存在しません。わかりやすさや見やすさ、アクセスのしやすさはどんな状況でも重要となってきますが、会社や業務によってそれぞれ工夫しなければいけません。
しかし、共有知識化の一環として最も重要な役割を果たすマニュアル化ですが、それを真の意味で共有できるかは意外と困難な部分でもあります。次回記事からはそこを助けるITツールを紹介していきます。
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