経営コラム

事業承継をゼロから考える(4/5) ~事業承継の実施手順を理解しよう~

事業承継について理解を深めたところで、実際にどのように事業承継を行うのか実施手順をみていきましょう。事業承継をゼロから考える第四弾は事業承継の実施手順について解説します。

実施手順を理解することで、どのような流れが自社に合っているか判断できます。これから事業承継を行う方は、本記事を参考に手順を進めてください。

事業承継はどのような流れで行うのか?

  • STEP1:事業承継への理解を深める
  • STEP2:現在の経営・資産状況を把握する(見える化)
  • STEP3:事業承継に向けた課題の解決と整備
  • STEP4:各承継先を軸にした計画の策定
  • STEP5:事業承継の実施・実行

上記は事業承継の実施手順です。基本的には上記の流れで事業承継を行っていきます。どの項目でも準備不足の場合は、次のステップへ進むのが難しいです。

準備を怠った状態で進めれば、計画自体が頓挫する恐れもあるので注意しましょう。STEP1はすでに本シリーズにて理解を深めているため、STEP2から進めてください。

現在の経営・資産状況を把握する(見える化)

事業承継前に、まずやるべきことは現状の把握です。資産や経営状況がどのようになっているか把握し、抱えている問題点を見える化しましょう。

なぜ、現状の把握と問題点の見える化が重要なのか?その理由は、負の遺産を後継者に引き継がないようにする点にあります。

自社が抱えている問題点をそのままにして、事業承継を行えば経営に支障が出るかもしれません。会社の存続を考えるなら問題点の解決は必要不可欠です。

基本的に事業、資産、財務を中心に見える化を行います。経営者と企業の貸借関係の見える化、自社商品やサービスの分析・調査、知的資産の再確認とマニュアル化など、事業承継の構成要素を把握、見える化しましょう。

事業承継に向けた課題の解決と整備

続いて、洗い出した問題点の対策を練りましょう。どのような課題が合ったかを把握し、それに対しての取り組みを考えてください。さらに、事業承継を行う上での強みの整備も肝心な要素といえます。

資産や経営状況の把握と問題点の見える化を行うと、これからの課題が見つかる一方で、企業としての強みも見つかります。悪い部分は改善し、良い部分は受け継ぐことで企業としての地盤を強固なものにしましょう。

特に、事業承継を構成する「人、資産、知的資産」を中心に問題点を改善し、長所を伸ばしてください。例えば、主力製品の拡充や人材育成、債務整理など実施すべき取り組みは多いです。しっかりと自社の現状を把握した上で改善に努めましょう。

各承継先を軸にした計画の策定

前回の「3つの承継先を理解しよう」で紹介した通り、基本的に3つの承継先からどこに引き継ぐのか考えなくてはいけません。

ただ、すぐに決める必要はないので、現状を加味しながら承継先を考えておいてください。実際に承継先を決めていくのは計画に着手し策定する段階です。

計画を策定する上での注意点

事業承継計画とは、その名の通り事業承継を円滑に進めていくための計画です。経営者だけではなく、承継先の人ともに策定していきます。基本的に事業承継計画では、中長期的な経営方針を軸に、事業承継の流れを決めていきます。

事業承継計画の策定で注意すべき点は計画の策定が目的にならないことです。あくまで目的は事業承継になります。計画書は目的を達成するための手段に過ぎません。この部分を履き違えると計画の策定はもちろん、計画自体が頓挫する恐れがあるので注意しましょう。

事業承継の実施・実行

最後に、事業承継の実施・実行を行います。ここまで策定した計画を元に、それぞれの承継先に応じて計画通りのアクションを起こしてください。

計画の策定が不十分だと、計画途中にトラブルに見舞われることがあります。これまでのステップをしっかりと進んでいれば、問題なく事業承継ができるので、不十分な点があれば専門機関などに相談して解決していきましょう。

承継先別の実施・実行手順

親族または親族外へ承継する場合は、計画に沿って後継者への引き継ぎを始めましょう。主に後継者の育成や株式などの資産整理を行います。できるだけ計画通りにスムーズに進めてください。

続いて、M&Aで引き継ぐ場合は、具体的な売却先を探します。基本的に仲介業者を中心にM&Aを行うので専門家の指示を仰いでください。また、M&A先にどのような形承継したいのか?こちらの要望をまとめておくと仲介機関とのやり取りもスムーズに行きます。

事業承継の準備を見直そう

ここまで、事業承継の実施手順を紹介してきました。事業承継で重要なのは計画通りに実行できるかどうかを担う準備段階です。スムーズに事業承継を行うなら、現状の見える化や課題の解決が必須になります。

ただ、こうした見える化や解決は事業承継のときだけでなく、普段から意識するべきことでもあります。

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まとめ

事業承継をゼロから考える 第四弾 「事業承継の実施手順を理解しよう」を解説しました。事業承継の実施手順を理解すれば、これまでよりも具体的な流れを理解できます。いまいち、どんな流れなのかよくわからない方は、本記事を参考に実施手順を理解しましょう。

事業承継は一見難しく感じますが、準備をしっかりと行えば、誰でも簡単に事業承継できます。不明点は当サイトの記事や専門家の力を借りて事業承継を行ってください。

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